TEACCHでは「構造化」を重視する。それは、自閉症児は自分をとりまく環境の認知が悪い。したがって自分に何が期待されているのか、自分は今何をすればいいのか分からないので混乱する。そこで
【1】「どこで」やるのか 【2】「いつ」やるのか 【3】「何を」やるのか 【4】「どのようなやり方で」やるのか 【5】「どうなったら終わりなのか」 【6】「終わったら、次は何があるのか」 を明確にし見通しをもたせることが重要である。
児童の混乱を避け、スムーズに活動ができるように学習・活動の場所を構造化する必要があり、以下の点をポイントとして当日の会場のセッティングをした。
<1>個別の学習の場を用意する。 ⇒ついたてや家具などを利用し、壁向きにするなど目からの余分な刺激を断った。 <2>混乱しにくい場所の配置 ⇒視覚的な手がかり<スケジュールカード>を利用し、活動の内容と場所を1対1で対応させた。 <3>生徒が学習の場と分かる印をつける。 ⇒学習の場所はいつも学習の場所とし、遊びの場所と共用させないように今回は実技会場の向かいの和室を遊びの場所とした。 <5>いつも同じ場所にある <6>教師がワークエリアを見渡せる配置にする
トランジションエリア(中継地)のテーブル上には スケジュールカード(全体スケジュール)があり、 「いつ、どこで、どのような活動をすればよいのか」 「次に何が始まるのか、期待される活動はどのような順番なのか」 を子どもが理解できるように知らせている。
文字の理解が可能な子どもには文字によるスケジュール、文字の理解が不可能な子どもには絵やカードによるスケジュール、具体的なものを提示してのスケジュール<これをオブジェクト・スケジュールという>を使用する。
この全体スケジュールはクラスのどこからも見やすい場所に設定され、1つの活動が終ったらその中継地に戻る。そこにある手がかり(スケジュールを示してある絵や文字など)に基づいて、次の活動に移る。