地下貯蔵庫喜三郎ちゃん談 長期貯蔵した酒がおいしいと話に聞いた。 一つやってみようかと心に決め 台所の地下に吟醸酒を入れてみた。 杜氏曰く 1年もしないうちに腐る。 先代社長曰く 旨くなるわけねっべ。 他人曰く 馬鹿なあんちゃだ。 若い奴曰く やってみなけりゃわからん と大喧嘩の末、毎年10本の吟醸酒を買入れた。 10本買い足して隠して5年。 1年で1本飲んで10年古酒が出来るはずであったのが、 あまり旨いので5年でなくなった。 20年前のことであった。 平成元年 6代目喜三郎が蔵を継ぐと冷蔵庫設置と 吟醸酒の増産に掛かった。 当時は吟醸酒を作る蔵ではなっかったので、 瓶詰め工場の新設、水処理濾過器、麹室の拡張、 仕込み蔵の冷房設備、もと場の冷房設備、もろみ搾り、 釜の改修、放冷機の入れ替え、タンクの導入、精米機の入れ替えなど行い、 やっと一応の工場関係の設備投資が終わった。 平成4年 能代市内に国鉄の廃線になっているトンネルを見つけ、買収の交渉に入った。 |