ニュース 

障害者の高齢化と生活の場の問題について
2015/05/05
障害者の高齢化と生活の場の問題について

きょうされん(成人期の障害のある人たちが、地域で 働く・活動する・ 生活することを応援する事業所の全国組織)では、毎月発行している、TOMO(とも:賛助会員年間3千円で郵送されます)5月号時論「くらしの場のあり方について」と題して、きょうされん組織・運動委員会副委員長 塩田千恵子さんが会説されています。

重度の在宅障害者が両親の高齢化や介護・病気等で養育ができなくなり、ショートスティ事業所をたらい回しにされている現状を指摘しています。障害者本人の高齢化は、すなわち家族の高齢化の問題でもあり、介護を担っていた家族が亡くなったりした後の生活の場の確保という切実な問題と指摘しています。これは「老障介護」の課題ともいえるとしています。

支援を受けながら生活をする障がいのある人の暮らしの場が圧倒的に不足しているなかで、家族の介護を受けられなくなった人が、すぐに次の安定した生活の場を確保できないという実態が都市部に行けばいくほど深刻な問題となっているとのことです。

今回の障がい福祉報酬改定では、他の報酬が下がる中で、グループホーム報酬単価が上がりました。「他の事業は減収だが、グループホームは増収になり、法人としては助かった」という話を聞きます。しかしそれでも世話人を正規職員で雇用するには程遠く、慢性的な人手不足を解消できない状態が続いていると指摘しています。また、報酬が上がっても、グループホームの建設が加速度的に進んではいません。世話人の確保ができないだけではなく、消防法、建築基準法、地域の反対運動など、グループホーム建設のハードルは上がり続けています。

暮らしの場の質的なあり方の検討とともに、圧倒的に不足しているくらしの場の量的確保にも正面から取り組むことが、障害のある人の人権保障の根幹に据えなければならないとしています。

(考察)
障害のある方やそのご家族の高齢化が急速に進行しており、その生活の場の確保が急務になっています。入所施設の定員は削減されショートスティは常に満杯です。グループホームは、上述のように建築基準法や消防法によるスプリンクラー設置義務化、地域の反対運動なども関係して、進まない現状があります。きょうされんの「くらしの場のあり方について」時論は、こうした問題を正面から指摘した内容となっています。

桜田星宏

総会と座談会のお知らせ
2015/04/25
拝啓、陽春の候、皆さまににおかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は当研究会活動にご理解をいただき、誠にありがたく厚くお礼申し上げます。

能代知的障害研究会では5月座談会を下記の通り予定しております。今回は森岳温泉病院理学療法士 清水克也先生に、地域包括ケアシステムをテーマとして、ご講話をいただきます。せっかくの機会でございますので、多くの方々のご参加をお願いいたします。

また、総会では研究会の名称変更などについてご提案がございます。今後は幅広く障害福祉をテーマとした懇談会として活動をしていくことをご提案しています。皆さまのご意見をお願いします。

1.総会日時:平成27年5月14日(木)18時30分〜19時

2.座談会日時:平成27年5月14日(木)19時〜20時

3.場所:とらいあんぐる(秋田県能代市万町10番4号)

4.演題:「地域包括ケアシステムについて」
〜2025年の能代山本を見据えて〜

5.ご講師:森岳温泉病院理学療法士 清水克也先生

参加費:会員は無料、非会員は500円
ご参加の方はメールにてご名前、所属を5月8日までにお知らせください。
cherry-s-k-12@mopera.net

能代知的障害研究会 桜田星宏

新春座談会のお知らせ
2015/01/11
関係各位

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、能代知的障害研究会では新春座談会・新年会を予定しています。今回は能代山本訪問看護ステーション理学療法士 斉藤 進氏より、「訪問看護・リハビリテーションについて」と題してお話をいただきます。国は今後ますます訪問系・在宅への医療・福祉・介護を重視するものと思われます。そうした中にあって、斉藤 進先生は早くから訪問リハビリを実践されてきました。その取り組みなどについてお話をいただきます。せっかくの機会でありますので、多くの方々がご参加されるようお知らせします。

日時:平成27年1月29日(木)18時30分から20時
場所:とらいあんぐる(秋田県能代市万町10番4号)
講演:「能代山本における訪問看護・リハビリテーションについて」
講師:能代山本訪問看護ステーション理学療法士 斉藤 進氏
参加費:会員は無料、非会員は500円
座談会終了後、村さ来において新年会を行います。
座談会・新年会をご希望の方は1月25日までにメールにてお知らせください。

cherry-s-k-12@mopera.net

能代知的障害研究会
桜田星宏

障害者福祉報酬減額へ
2015/01/07
「障害者福祉報酬減額へ」(今朝の朝日新聞一面トップ)

政府は、障害者への福祉サービスを提供する事業者に対し、おもに税金から支払う報酬を2015年度から引き下げる方向で最終調整に入った。介護事業者に支払う「介護報酬」を引き下げるのに合わせ、増え続ける社会保障費の伸びを抑えるねらい。福祉の現場で働く人の賃金にあてる報酬は引き上げる方針.

障害者施設でのサービスや、障害者の自宅でのサービスにかかる費用は、国が定める公定価格の「障害福祉サービス等報酬」に基づき、国や地方自治体が事業者にお金を支払う。所得に応じてサービス利用者が一部を負担する場合もある。14年度の国の負担は約9千億円。利用者数は08年の約40万人から14年は70万人近くに増えており、15年度は国の負担も約1兆円に増える見通しだ。財務省や厚生労働省などは事業者向けを1%前後引き下げる方向で調整している。

(考察)
仮に1%後半だと小規模の事業所にとっては死活問題であり、事業縮小や廃業に追い込まれる事業所もあると懸念されます。

在宅知的障害児者の日中活動調査(内閣府)
2015/01/04
知的障害児者で在宅の方々がどのような日中活動を過ごしているかについて、平成26年度障害者施策に関する基礎データ集(内閣府調査)が出ています。

65歳歳未満では、「障害者通所サービスを利用」が最も多く39.4%、児童では「学校に通っている」が23.1%、また「家庭内で過ごしている」が20.9%で次に多くなっています。

65歳以上では、障害者通所サービスを利用」が13.5%で3位に下がり、介護保険の通所サービスが14.3%と2位となります。そして「家庭内で過ごしている」が最も多く50.0%となります。これは65歳以上介護保険優先問題で、障害者通所から介護保険の通所サービスに移行せず、家庭内で過ごしている可能性があります。

65歳以上では半数の知的障害者が家庭での生活を過ごしており、仲間や地域との交流などに制限を受けていることが予測されます。また家庭での養育者が高齢に達していると思われることから、必要な介護支援がどのような状況になっているのかも心配されます。

(グラフは65歳未満と65歳以上の日中の暮らしについての区分:桜田がデータからグラフ化したもの)

能代知的障害研究会
桜田星宏

前ページTOPページ次ページ