白神山地と植樹

目的

「白神・山の森・海の森、二つ森づくり」 世界遺産に登録された白神山地の周辺部においてブナの森づくりをとおして、白神山地世界自然遺 産地域の保全を確実なものとします。
また、ブナの森づくりを行うことによって、白神の森から良質で良好な水の供給を図り、地域のシンボルであるハタハタ等の魚類の産卵ふ化する藻場「海の森」の再生につなげます。

活動の背景

白神山地を生活圏としてきた八峰町は、民謡秋田音頭で謡われている「秋田名物八森ハタハタ」の地として全国的に知られ、沿岸漁業の盛んな地域です。
わが八森町の漁民は、閉漁期に漁具の手入と森の手入を欠かさず行ってきました。不漁の時や漁船を更新する際には、木を売った収入が家計や漁船の購入資金の一助となっておりました。こうしたこと から伐採跡地には、次の世代のため植林し森の保全にも努めてきました。つまり、漁家の家計を維持するために行っていた森の保全が知らず知らずのうちに森と海をつなぐ水の循環に大きな役割を果たしていたのです。
このような背景から生まれたのか海にも「二つ森」というハタハタ漁場があり、世界自然遺産地域の「二つ森」と同一の名称があります。現在、海の磯焼けが進み、沿岸漁業が低迷しており、山の森を復元することによって、海の森の復元にもつながり、更には、白神の森林生態系の多様性の拡大、沿岸生態系の多様性も増してくると考え、この活動をすることになりました。

活動の概要

「白神・山の森・海の森、二つ森づくり」を合言葉に、元来ブナ林であった世界遺産区域に隣接する真瀬沢の造林地にブナの森づくりをするため、毎年ブナの実を採取し、2年間苗木養生し、成長した苗木を3年目から植樹することを繰り返していきます。
植樹する際には、全国的に植樹ボランティアを募集し、イベントとして「山の森、海の森づくり」を進め、自然環境を大切にすることの普及啓発に努めます。