《ひまわりの会でのティーチプログラムの効果》
(これは平成10年度秋田県自閉症治療教育研究会セミナーで発表された一部です)
Report By S.Sakurada
参加した子ども
年齢
自閉症 5名
精神発達遅滞 8名
先天性筋ジストロフィー 1名
その他 1名
3歳 1名
5歳
3名
6歳 2名
7歳 2名
8歳
6名
9歳
2名

その結果、5名の自閉症児のうち、3名(A君・B君・Cちゃん)に大きな変化が見られました。
A君(4歳)
B君(8歳)
Cちゃん(7歳)
障害名 自閉傾向 自閉症 自閉傾向
活動前の様子
他児のおもちゃを無理やり奪い取ったり、それができないと他事の身体を叩いたりする。部屋中を走り回り、他児と一緒に遊べず、注意されたりすると大きな奇声を発したりしている。 常に走り回っては、他児のおもちゃや遊びを邪魔したり、部屋の外に出ていこうとする。 他児と一緒に遊べず、ふざけて他児の身体を叩いたりして遊ぶ。椅子に座っていれず、常に走り回っている状態。
参加回数 6回
5回
5回

活動後の様子
7月より、他児のおもちゃを取ったり、奇声を発するなどの行動が明らかに減少してきている。他児と遊ぶ場面が多くなり、行動面で落ち着いて遊ぶことができてきている。 6月より、始まりの会や終わりの会で落ち着いて椅子に座っており、他児と一緒に遊ぶことができている。スケジュールの絵カードを確認して行動していて、明らかに行動の予測ができているものと思われる。 始まりの会、終わりの会で椅子に座ることができてきた。しかし、絵カードを見てやろうとせず、スタッフが介助してようやく絵カードをポケットに入れている状態今年になって、絵カードを見て行動できるようになってきている。

この3名の変化は著しく、あの多動な子がどうしてこんなに変わったの?と驚くほどでした。
この3名には次のような特徴があります。

1. トランジションエリア(中継地:個人のスケジュールカードが置かれているテーブル)で自分のスケジュールカードを、自分で確認できています。
2. 絵カードの意味を理解している様子で、自分の持っている絵カードとポケットの絵カードを見ながら入れています。
3. トランジションエリアから絵カードを持ってきて、課題のポケットに入れるまでの行動が介助なしで出来るようになってきています。
また、他の自閉症児以外の児童でも、トランジションエリアから自分のスケジュールカードを持ってくることに慣れてきていて、今の行動が次の行動にスムーズに移行できるようになってきています。このことは全体的に行動の予測化ができてきていることを示していると思われます。
平成7年から毎月1回の保育ボランティアをしてきましたが、ティーチプログラムの導入から環境の構造化を図ったことで、行動の予測化がいいかたちで表れていると言えます。
また、自閉症児だけでなく、他の子供にも理解のしやすさにつながっているようでした。
ティーチプログラムの理解
 ティーチプログラムの特徴 
「芽生え反応」とは
実施例:【ひまわりの会より】