ほととぎす自由自在に聞く里は 酒屋へ三里豆腐屋へ二里
(ほととぎすの声はなかなか聞けない。それも一声といわれる。だからほととぎすの声をいつでも聞けるといころは山の中に住まなければならないので、酒屋へは三里、豆腐屋へは二里も行って買うほどのところだという意)住み荒らす上戸の窓の板庇 酒盛がちに降る時雨かな
(酒好きの上戸が住み荒らした家の板庇は、逆漏り(酒盛り)する癖がついているので、時雨が逆流して漏って家の中に降り込むという意味)酌人の目もとにしほがこぼるれば 手許の酒は雫なりけり
(ある大名の小姓が燗鍋を運んできて、注ぎ口から酒をこぼしたので、大名の機嫌をそこねた。そこでこの作者がこれを詠んだところ大名が機嫌をなおしたという。しほがこぼれるとは愛嬌がこぼれるという意)
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