キャビネット 製 作 編 |
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カット材が届くまでの2週間、「情熱の真空管アンプ」をじっくり読む時間ができました。 読んでいたら「球アンプが作りたくて作りたくてたまんねーぜコノヤロ!」モードに突入です。カット材が届いても、SPそっちのけで球アンプを作るべく悶々としています。 結局、7月は大の漢が夜の夜中にタマを握り締め、一人ハァハァしていたという、「人の道を踏み外しているぞお前」状態でした。衝動的に部品を揃えたこのアンプ、一体どうなることやら…。そして恐るべきは情熱本、読む者を一気にめくるめく悦楽の境地へ誘ってくれます。 |
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8月になって漸く「憑モノ」も落ち、SP製作の意欲が湧いて来ました。やれやれ。 憑モノも落ちたところで、3回程「木の学校」へ通い、やっとカット終了です。使用した機械は、ボール盤、万能糸鋸盤、トリマーの3種でした。総額700円位でした。 人様に頼めば5万円相当の作業も自分で汗を流して700円。その代わり、アップには耐えられない仕上がりです。ま、自分でカットした部分は表に出ない部分なので構わないでしょう。 それにしても、糸鋸盤で直線も満足に切れない自分が嫌になります。(笑
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これはリアパネルとリア補強板です。付属の小冊子によればDamping LayerとしてSoft
Glueで張り合わせるとあります。で、このSoft
Glueってのは本来同梱されているはずのものですが、私の荷物には入っていませんでした。メールで問い合わせてもしっかり無視されてます。米国の業者は冷たいです。もっとも私のヘボ英語では、スパムメールと判断された可能性もありますが。 しょうがないんで「軟らかきゃいいんだろ」と、シリコンシーラントで貼り付けてます。大丈夫でしょう、たぶん。 上の重石はブロックではありません。愛用のSP台です。
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これはフロントバッフルとフロント補強板です。この部分もDamping LayerでSofu
Glueなんですが、ここはSPユニットの荷重も掛かるので、真っ当な「軟らかい接着剤」で貼り付けることにしました。 接着剤のことならやはりここでしょう、ご幼少の砌お世話になったセメダイン社のHPを訪ねました。 「弾性接着剤・PMシリーズ」というのがありましたので、これを用いました。確かに軟らかです。大丈夫でしょう、たぶん。 ユニット孔が微妙に歪んでいますね。 んー、いい味だしてます。 |
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内部補強板も2枚入り、ハコらしい形になってきました。 接着は木工ボンドではなく、タイトボンドを使用しました。結構強力のようです。タイトボンドで検索していたらウクレレを自作するHPに当たり、「ウクレレって自作するもんなのかー。」と妙に感動。でもこのHPをフツーの人が見たら、「スピーカーって自作するもんなのかー。」って思うんでしょうかね。 この補強板の張り付け位置も指定されていますが、マニュアルと小冊子では寸法が微妙に食い違っているようです。こんな場合はマニュアルを優先すべきなんでしょうね。
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マニュアルによれば、フロントバッフルとフロント補強板は、表面からグリルの取付金具の穴を利用してネジ締めをするとありますが、私はグリルは付けないので、表面からネジ締めするとネジ頭が露出し美観を損ねることになります。 そのため、裏からネジ締めしています。ここあたりの作業手順はマニュアルと違っていますので、ご注意を。 グリルを付けない場合、あらかじめフロントバッフルの作業を全て行っておく必要があります、おそらく。 |
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本来はキャビネット部分が出来てからバッフルをネジ締めするようですが、上記の変更により、キャビネットへの貼り付けは自分で工夫しなければなりません。 フロントバッフルが側板や天地板と密着するタイプなら何の工夫もいりませんが、指示によれば3ミリ隙間を開けろとあります。つまりキャビネットに接するのはフロント補強板のみです。バッフルの荷重が加わりバランスのとれないフロント補強板をどうやって3ミリ浮かして固定するか。「そんな高度な技術、俺には無いぞ!」と思っていたら、「ベニヤ板でも挟んで隙間開ければ?」という原始的な方法が閃きました。 ま、結果オーライってことで。 |
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あとは側板1枚残すのみです。ここで今後の作業手順を検討しておきましょう。 まずは吸音材です。日本式のバスレフ設計に比べ、量は多めという印象です。なんか密閉型に近い分量のような。 これでいいのか不安になり検索してみます。うーん、「吸音材など使わん!」という猛者もいらっしゃるようです。 更に検索すると、「戸澤式レゾネーター」やら「カーボンハット」やら、ますます混迷の度を深めます。 さんざん悩んだ挙句「ま、いいや。オリジナルのままでいこう。」という結論に。 だったら最初から悩むなよ、俺。 |
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続いてネットワークの設置を検討です。 ネットワークの取付は最後ですから、挿入口はウーファー孔とリア下部のバックカップ取付部しかありません。慎重に挿入しないと、ウーファー部分が接着剤で汚れてしまいそうです。また、底に置く大型コイルも、径が極太の為取廻しが難しそうです。予めネットワーク基板との距離を測って長さを調整しておいた方が良さそうです。この上に吸音材が被さるので、配線材の取廻しルートも検討しておいた方が無難です。 指示によれば、ネットワーク基板は左右にside by
sideで置くとありますが、補強板が微妙に引っ掛かり、左右には置けません。補強板の中央孔は、あと3ミリ程大きく開けた方が良いようです。 仕方ないので、上下にside by sideで配置しましょう。大丈夫でしょう、たぶん。 |
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ネットワークをウーファー孔から覗き込んでみました。 この構図は見たことがあるような…。マトリックス構造?それっぽいってだけで、効能は別でしょうが。 ユニットの取付に鬼目ナットとやらを使おうかとも思いましたが、止めました。理由は「俺は頻繁にユニットの取外しをするようなマニアじゃない」です。 ネットワークは外付けにしようかと思いましたが、止めました。理由は「俺にはCやLを弄る知識が無い」です。でもウーファーの音圧の影響を考えると、外付けがいいのかも。それ以前に、この重量級ネットワークが見えると、このSPはいかにも音が良いと自己満足が得られるから、やはり外付けにすべきかも。 リアパネルもネジで取外しが出来るよう(以下略) |
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このキャビネットの白眉、内壁のゲル塗りです。 指示によればSoft
GlueにDrywallを混ぜ合わせるようですが、田舎のホームセンターにはDrywall
Compoundなんて売っていません。有るのはセメント、石膏、京壁位です。「固める粉ならいいんだろ」と、シリコンシーラントとセメントを捏ね合せてみました。 大丈夫でしょう…かね?これは自信が無いです。 京壁の方が良かったかな。いや、京壁だとぽっくり履いた舞妓さんが音像の中心に定位するかも、なんて。 平行面を無くそうと荒く塗ってみました。また指示にはありませんが、四隅も密閉性を高める為塗ってみました。効果は…少しは期待出来るでしょう。
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ハコの形になりました。いよいよ塗装です。 下地処理として、やすり掛けが必要のようです。このままでも十分綺麗なので必要ないのでは?と思いつつ行うと、更に滑らかな表面になりました。 やすりは、100円ショップ「ダイソー」にあったスポンジヤスリというものを使いましたが、なかなかのアイデア商品です。 しかし、はみ出たボンドは拭き取っても膜の様に固まっていて、余程目の粗いやすりでないと削り落とせないように思います。 オイル系の塗装で仕上げる場合は、はみ出たボンドの対処も考える必要がありそうです。 例えば、マスキング・テープを使うとか。これだと一直線になるので、オイル塗料が染みなくても綺麗に見えそうな気が。
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塗料は「 ワトコオイル 」を使用しました。「濡れた様な深みのあるウェットタッチ」と言う宣伝文句にグッときたので。(笑 当初はマホガニー一色の予定でしたが、エボニーという黒っぽい塗料もあったので、衝動的にツートーン・カラーに仕様変更です。 でもMDFに塗ってみると、安っぽいこげ茶色です。しかもMDFは塗料を吸いまくり状態!即、塗料が尽きて塗りムラが。…合掌… 塗料が十分なら綺麗な黒になったのかも知れません。MDFに使用する際は、漢は黙ってリッター缶を購入でしょう。ケチるとロクなことはありません。 背面は塗料不足で斑模様です。底面は塗ってもいません。悲惨な塗装初体験となりました。 |
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正面のマホガニーは、それなりに綺麗に仕上がりました。 いよいよ大詰めです。 あんまり地味すぎて写真に撮っていませんが、ネットワークの固定はかなりアクロバティックな技量を要します。私がヘボなだけかも知れませんが。 ボリューム満点の吸音材を詰め、最後はユニットの取り付けです。 ウーファー孔の縁が白いのは、パッキン代わりにシリコンシーラントを塗っている為です。 また、ツィーター孔には2ミリ厚のコルクシートを敷いています。 理由は私の計算ミスにより、2ミリ余分に深い孔を指示していた為です。唯一のミスがこの程度で済んで良かったかも。
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