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                                 お 勉 強 D A C S/DAC
   
     Top01.JPG

Special Thanks

お気楽な趣味たち
h_fujiwara様のHPです。
キット分室閉鎖が残念です。

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Tack君
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ありがとう

   


自作スピーカーも完成し、「これで音の出口も押さえたぞ。あとは音の入口か。」などと思いつつ
宇多様のKT88 Large Tube STCを作らせて頂くべく準備をしつつネットをふらふらしていると、
DACキットの配布をなさっているh_fujiwara様のサイトに出会いました。
どうやら、ヤフオクに自作DACやDACキットを出品している、かなり有名な方のようです。

今までのところ入手し易い自作DACキットは、ザ・キット屋さんのmodel2位のようで、
kitano様の「 自作DAC 」やNob様の「 DAC製作 」を
参考に自作しようにも、初歩的な知識さえありません。
こりゃ3年目のテーマに自作DACを掲げる為にも、
今から知識を仕入れておこうと思っていた矢先の出会いでした。
こちらのキットを作らせて頂ければ2年目のテーマに掲げることも可能かと喜んでいたら、
いきなりのDACキット配布終了宣言です。在庫分を売り切って休業とのことでした。

「さぁ、どうする、俺?」
今、この機を逃したら、あと3年は我が家の音響文明開化に遅れが生じるのは必至でしょう。
あえて今回は見送り、地道に知識を蓄えてから自作するか、無謀にも片足突っ込んでみるか。
ま、半分衝動的に注文しちゃったんですけどね。

注文した2日後、HPには「終了」の文字が。人生、決断と行動が肝のようです。

 

   
Cr01.JPG

DAC基板はかなりコンパクトで殆ど煙草サイズでした。
キットは届いたものの未だDACの何たるかは理解していません。
暫くは基板や同梱部品を眺めたり、指で突付いたり、頬擦りしたりしながら、ネットで検索しつつお勉強の日々が一月程続きました。
何も知らずに組立てるよりも、少しは動作を理解してから組立てた方が楽しいですし、何より成功する可能性が高まるでしょうから。
ま、私に理解出来たのは、うすぼんやりとなんとなく回路の見方が分かるようになったかも、程度のものですが。 
それだけでも購入した意義はあったというものです。素人には。

up02.jpg 何やら上條様楽しげなことをはじめられたご様子です。
そろそろお勉強DAC・S/DACの製作に掛かりましょうか。

自作DACでは、最初に最大の試練が待ち受けているようです。
基板中央部に鎮座ましますのがお勉強DACの肝、PCM1716・D/Aコンバータですが、この白い枠線の長辺がおよそ10ミリ、この10ミリの中に0.3ミリ程のピンが0.3ミリ程の間隔で14本整然と並ぶという、「誰がこんなのハンダ付け出来るんだ?」と云わしめるSSOPパッケージの逸品でございます。
いや、よく知らないですけど。
先端技術は非人道的な技能水準を要求するようです。
up01.jpg 予行演習として74HC04ロジックICからハンダ付けです。
マニュアルやオプティマイズ様のご説明を元にイメージ・トレーニングをしていたお陰か、楽々クリアです。
いよいよ本命のSSOPパッケージのハンダ付けです。
「うぉっ!ブリッジしたぁぁ〜!。」 …いきなりかよ…。
やはり隣のピンにもハンダが付いてしまいます。
しばし熟考の末、「鏝先にハンダを載せ、吸取り線で拭い微量にし、ランドからピンへゆっくりと押し出すように移動させ、ピンに乗り上げたら一拍置いてから鏝先を離す。」という方法で無事クリア。SSOP恐るるに足らず!ってとこです。(増長モード)
フラックスは爪楊枝に浸し、ランドをなぞりました。
Cr02.JPG

SSOPパッケージさえクリアすれば、あとはお馴染みの部品たちをペタペタとハンダ付けしていくだけです。
いや、チップ・コンデンサは初めて手にします。電子機器の基板の必需品で、たるさん様の「 コンデンサ・パニック 」シリーズを読ませて頂くと、重要な役割を演じている、ような気がしますが、
その書かれている意味を理解できないのが悲しいところです。
中央部がキット同梱の部品です。上下の部品は、先達の皆様の作例を参考に自分で揃えてみました。
しかし、不明な点が2箇所あります。アナログ出力最後のC、47μFが部品の都合で33μFになったことと、発電プラントのような電源部は必要か、ということ。「電源の品質は音質に直結」とありますが、SW電源じゃ役不足なんでしょうか。んー、謎です。

Cr05.JPG これは基板の裏面です。
同梱部品を使用すれば全て表面に実装できますが、DAC部、アナログ部の部品の半分は裏面に引越しです。
もうね、後ろから前からどうぞ、状態です。自分でも呆れます。
素人がこんなことをやっているようじゃ、動作しなくとも自己責任って奴ですが、この部分、ハンダ付けの前に一度仮組みし、方向や順番を検討する位のことはやってますです。最早工作というよりパズル状態だったりして。
最近「LM3886」を検索していて出会ったUTiCd様の「 LM3886パワーアンプ 」を拝見して、「IC一個のアンプでもこれだけの知識を動員して製作する方もいらっしゃるのに、自分ときたら・・・。」と、自己嫌悪に陥ったばかりなのに、もうこんなことやってます。

Cr06.JPG


ひとまず完成です。まずはfujiwara様のHPの「音出しの手順」を参考にチェックです。

・74HCU04のPin14は5Vですか?・・・いいえ、1.5Vです。
・5Vレギュレータの出力は5Vですか?・・・いいえ、1.5Vです。
・オペアンプのPin7は+12Vですか?・・・はい。
・オペアンプのPin4は-12Vですか?・・・はい。

いきなりやっちゃいました。トラブル発生です。
レギュレータの足にコンデンサを入れてみましたが変わりません。
「ん?このSW電源、+5Vもあったな。」と、レギュレータを抜きSW電源から配線してみます。
これだと正常に5V供給されるようです。まずはこのままチェックを進めましよう。
ハンダ不良だったのか、まさか放熱板は絶縁シートを必要とするタイプだったのか…。

・アナログ出力電圧は概略0Vですか?・・・いいえ、4Vです。

んー、トラブルは続きます。が、はじめてのDAC自作ですからこの程度は予想の内です。
慌てず騒がずルーペを手に、再度ハンダ不良が無いかチェックです。
何度もチェックし、ようやく不良箇所発見!そして脱力!!
原因は光送信、受信モジュールの取付位置が逆だった為でした。
そういやこの部品、完成直前の最後の最後に取付けたからなぁ。気が急いていたかなぁ。

この光送受信モジュール、一人ではうまく取り外せません。
そこへタイミングよく友人Tack君の登場です。半田鏝の二刀流で、二人掛りで外します。
さすが理工系、いろんな小技を知っていました。
配線材の銅線を細く撚り、フラックスを塗りホールを塞いだハンダを吸取る技とか。
まあ、ハンダ吸取り器のような工具を用意していれば問題は無いんですが。

光モジュールを付け替え、再度チェックです。どうやら大丈夫のようです。
アンプに繋いで音出しを。鳴っています。無事完成しました。

 

up03.jpg

Cr08.JPG

−アップに耐えられないハンダ技術がご愛嬌−

h_fujiwata様のインタビューを拝見すると、
このお勉強DACは企画ハズレの売れ残りだそうで、4,000円は自腹を痛めた大サービス価格とのこと。
あぁ、h_fujiwara様、おいたわしや。
じゃなく、どうもありがとうございました。
お陰様で素人でも楽しくお勉強が出来ました。

でも、このDACのテーマ自体は正しかったのでは。
ただ、目線をもう少し下に向けて貰えたら、
それこそ定番化出来るだけの需要はあった
ように思ってみたり。
いずれにせよ、復活の日を祈っております。


完成して数日経過しました。
最初の「何かザラザラしたような感じ」は薄れ時折「ん!?」と思う音(良い方向で)が出たりします。
特にウーファーは、一枚ベールを掛けたような、
ツィーターの音に比べ「負けた音」だったのですが、
「あぁ、これは吸音材の量が多い為だろうか。」
なんて思ったりしたんですが、何のことは無い、
DACの性能差故のものだったようです。
さすがScan-Speak様は、
「良いDACを奢らなければ良い音では鳴ってやらん!」という気概をお持ちのようです。

自作SPも3週間程過ぎてから一皮剥けた音が出るようになりましたから、お勉強DACもその頃に期待です。

 04年11月完成

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