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                              LM 3886 パワーアンプ
   
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Special Thanks


お気楽な趣味たち

LM3886 パワーアンプ基板 Ver.2
お手軽な基板をありがとうございます

What's UTiCd ?
LM3886 パワーアンプ
お勉強させて頂きます。

50歳からのオーディオ
Tarkさんの「アンプ製作記」
手作りアンプの実験室
フィリップスのICアンプ
Unofficial Home Page of 
Shu Nakamura
Philips TDA1552Q ICパワーアンプ
お勉強させて頂きました。 

 

 

 

手作りアンプの会の皆様のサイトを拝見していますと、Philips社のTDA1552QというパワーIC
を使用した半導体アンプを作って居られるようです。このアンプは「お手軽に作れて音も良い」
らしく、「あぁ、基準とすべき普通に良い音(何が普通でどれが良い音かは一先ず置いておいて(^^;)
のするアンプがあれば、自分の作った真空管アンプの音がどうなのか、判断し易いかも。」と考え、
よし、いつの日か作ってみよう、と思っていました。

しかし昨年末、UTiCd様のサイトと出会ったのが運のツキ、あ、いや、運命の出会い、
「IC1個のアンプでもここまで気配りして組み上げるべきものなのか!」と、
自作道の奥の深さを知らされた以上、その知識の一片でも吸収出来たらいいな、
と、LM3886を使用することに決定です。

自作には何の保障もある訳ではなく、全て自己の責任において
やれるところまでやってみましょう。
まぁ多分、真似は出来ても理解は出来ないだろうな、とは思いますが。

 

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例の如く、シャーシはリード・P-11です。
例の如く、方眼紙にレイアウトを描き、シャーシに貼り付け、
ポンチで印を付け、シコシコと加工しました。

四角い穴は、LM3886基板へのアクセス用です。
元より、UTiCd様の作例を参考に色々弄ってみることが前提の為、シャーシを裏返すだけで、基板を取外ししなくても手を入れられるよう、ナマケモノ仕様としました。
後々の細工がお手軽になるでしょう、多分。

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シャーシ内部です。奥の紙フェノール基板の裏に、コモンモード
ノイズフィルタが載っています。この部分は、後で付けてみて
音がどう変わるのか確認しようと思っていたのですが、後付だと
配線が面倒なことになりそうなので、最初から付けてみました。
その効能は80KHz〜7MHzの間で20〜40db減衰とのことです。

電解コンは、全段差動ppアンプを独立定電流方式で作ろうと手配していた(無調整で稼動するから)物ですが、この方式は断念した(差動の効果が薄いらしい)為、使う予定が無くなったので
ここに投入してみました。容量の違うコンデンサが並列になると
共振周波数が云々と、難しい理屈があるようなのですが…。
この部分以外は、UTiCd様の回路図を踏襲させて頂きました。

c03.JPG はじめてのコイル製作は、石頭様の「出力インダクタの製作」を参考にさせて頂きました。コイルの計算は「高周波回路 OnWeb 計算プログラム 」様のサイトを利用させて頂きました。
どうも、ありがとうございました。

オレンジ色のペン状のものが、「空芯コイル養成ギブス」です。
アルミテープをストッパー代わりに巻き付け、このストッパーに
押し付けるようにポリウレタン線を巻いていきました。
φ9ミリの軸にφ1ミリのポリウレタン線を14巻きして1μHとしました。1メーターのポリウレタン線からは、4本のコイルが作れそうでした。内2本は10巻、0.7μH程にして、後で交換して遊んでみましょう。海外のサイトさんでは、0.7μHが主流(?)のようですし。
c04.JPG 再現度の高さを優先し、fujiwara様の基板を用いました。
UTiCd様仕様の空中配線は、素人が迂闊に真似しても、とんでもない結果に終わるかもしれませんので。
左右の基板で抵抗器の色が違うのは、今更ながら、金皮と炭皮の音の違いとやらを確かめてみようと思い立った為です。
真空管アンプ方面では、金皮は「音が硬い」とか「音が曇る」
とか「キツい音」とかいう理由で炭皮を推奨する傾向が強い
ようですが、今迄の製作では金皮を使用していました。
金皮の方が、「精度が高い」とか「ノイズが少ない」と言われて
いますので、「じゃぁ、金皮でいいや」と。
ここらで、抵抗器の音の違いを確かめておくのも一興かなと。
c05.jpg 放熱板は、5cmX10cmX2cmのものです。適当な放熱板を求める為の計算式もあるようですが、素人には理解不能です。
裏の、ICを留めるネジのナットの替わりに、小さな放熱板を使用しました。どの程度熱くなるのか不明だったので、念の為に付けておこうかと。結果、付けて正解だったかも。

ICは放熱板に取り付け、シャーシ上に設置した基板のスルーホールに合わせ位置の微調整をし、IC取付ネジをしっかり締めてから基板にハンダ付けしました。それぞれのネジ穴が微妙にズレている為、最後に基板にハンダ付けした方が、ハンダ面に余計な負荷が掛からず良いようです。
c06.JPG こんなゴツくてブっといネジ端子ブロック・コンデンサ、今使って
みなけりゃ、これから先使うことも無いだろうと、思い切って投入です。んー、お高いっす。で、使い方が良く分からないっす。(^^;
φ5mmのR型圧着端子を用いてブロック・コンに配線しましたが、
果して、これで良いんだか悪いんだか・・・。

配線材は、テカテカしたビニール系だと安っぽく見えると、ワックス・コーティングの布巻き線材を使用してみました。
写真だと綺麗ですが、実物は、何と言うか、渋いです。
更にすっきり見栄え良くと、お洒落に三つ編仕様です。
こんな冗長な配線の引回しが、発振やノイズに直結する素人仕様の特徴なのかもしれません。
c08.JPG 片チャンネルあたり、650円程のIC1個を駆動する為の電源部が
10,000円程。コスト・パフォーマンスが良いんだか悪いんだか良く
分かりません。
電源トランス1個と普通の電解コンを使用して、もっとお手軽に、とも思いましたが、どうせ作るなら友人宅の20万円の半導体アンプと比較しても、何かひとつ位は優れた部分をと、UTiCd様の作例の通りモノラル構成としました。
これでチャンネル・セパレーションに関しては、市販の中級アンプより優れたものになった・・・のか?どうなんでしょ?


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オーディオ用の放熱板にはお洒落なものが無いと、PC用CPUクーラーを物色していたら、←これを見つけました。
←がお洒落なデザインかどうかは意見の分かれる所ですが、当初、この放熱板を使用する筐体デザインを考えていました。
「やはりコンデンサは大型のブロック・コンを8本、V字型に配列しなきゃ。」「電源部の配線は、集合マフラーよろしく中空を舞わなきゃ。」「シャーシは、冷却フィン仕様のHEN型だと、アンプ部、コンデンサ部、トランス部で、3台必要?」「電源SWは、イグニッション・キー型だよな。」「んー、こりゃ予算オーバーだわ。」
と、タイトルも「MachineHead」と妄想してたのに、没案に。
宝籤でも当たったら、このデザインで必ず・・・。いや、今なら
十文字型16気筒仕様で、タイトルは「鋼舞」とするんだぜ?

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主要部分は全て基板上に集約されていますし、部品点数も少なく、心臓部はIC1個ですので、
作るのが遅い私でも、思ったより早く完成させることが出来ました。

心臓部がIC1個とはいえ、DataSeetの等価回路を拝見しますと、トランジスタが20個程も
詰まっている様で、見た目の簡単さとは裏腹に、内部動作的には複雑なことが行なわれているのでしょう。
これを真空管で作ったら、初段で位相反転段でドライバ段で出力段で、負帰還掛けたり定電流で縛ったり
電流電圧揃えたり、面倒で大仕掛けな回路になるのでしょう、多分。それが1個のICに納まるんですから、
半導体が真空管を駆逐したその歴史の流れを、少しは肌身に感じた様な気分になりました。

さて、当初の目的である「基準のアンプ」として、我が家の自作アンプと聴き比べをしてどうなのか?
音楽を鳴らしてそれぞれの部分で言えば、
低域は、LM3886アンプは豊かに拡がる印象で、超三結は引き締まった印象ですし、
ドラムの音で言えば、LM3886はドライな印象で、超三結はウェット風味の印象です。
中域は、LM3886の方がよりヴォーカルが前に迫り出して聴こえて好い感じですが、
超三結の方もウェット風味が隠し味になっているのか、別段不満はありません。
高域は、超三結は金属系の音がより金属的に聴こえて好みなのですが、
LM3886は、ややキツめの音という印象です。
総じて、LM3886も超三結も力強い系の音がするなー、という印象で「基準のアンプ」
とするのなら、端正な音という印象のマイナス給電アンプが相応しいのかも。
何れにせよ、格別変な音がしている訳でも無く、先ずは一安心・・・なのかな?

まぁ、このようなアンプのインプレッションもどきも、スピーカーが変わればまた印象も変わり、
DACが変わればまた印象も変わり、OPAMPを変えてもまた印象も変わり、
コンデンサや抵抗、果てはケーブルさえも変えればまた印象も変わるという、
正体不明で変幻自在な「音」が相手のものですので、嗤ってスルーして下さいませ。
何せスピーカーは、こちらの様にチューニングを施し、適正な動作にすべきものの様ですし、
LM3886の高域も、フェライトやパスコン、LPFを入れたりで、幾らでも変化しそうですので。

・・・あぁ、何かおもいっきり泥沼に嵌り込んでるなぁ、俺・・・

あ、金皮と炭皮の音の違いはどっちがどうだったのかというと、
「ま、どっちでもいいや。」と。えぇ、駄耳で申し訳ないです。(^^;

 

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で、「その投げ遣りなVRの取付方は何事か?」
という話になると思うんですが、これはもう、
「次回作の完成待ちだぁね。」ということで。
青い線がシャーシに繋がっているように見え
ますが、実際には繋がっていません。
この青い線は無くても良かったみたいです。

で、「金皮と炭皮の音の違いが分からないと言って
おきながら、その青いのや渦巻のは何事か?」
と問われれば、「いや、それは安物だから音の
違いが分からなかったのだ。」と。(爆
これで違いが分からなければ、これからは安心
してお安い抵抗を使えるというものです。

 05年08月 完成                                                                                                                                            << HOMEへ >>