そんなある時「ちょっと待てよ」と思います。 もう少し、多極管で楽しんでから三極管の音を聴いてもいいんじゃないか、 |
トランスの配置をチェック | |
当初のレイアウトです。 トランスがでかすぎてシャーシに収まらず、電源トランスを縦に配置してみました。 この配置でも問題無いだろうと考えていたのですが、ふと、「情熱の真空管アンプ」の一節が頭を過ります。 出力トランスは電源トランスのハムを拾うというものです。 この漏洩磁束のテストの仕方も説明されています。 未だ初心者とはいえ、基本を疎かにする訳にはいきません。 早速「情熱本」を頼りにテストしてみましょう。 | |
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ノイズチェックをしたSPです。 黒い、小さいSPがジャンク千円の自作アンプチェック用SP。 ノイズをしっかり再生してくれました。 しかし、DS-77zではノイズが良く聞き取れません。 ジャンク品より、遥かにノイズの再生音が小さいです。 「アンプのへぼさをカバーする、良く造られたSP」なのか、単に「100Hzあたりの再生能力の劣るSP」なのか微妙なところです。 このチェックには、お使いのSPの特性を把握しておく必要がありそうです。 流石にScan-Speak様でノイズ如きを再生するのは、畏れ多くて出来ませんでした。(笑) |
部品はこう・・・かな | |
初段:6SH7GT | |
電圧帰還管:6SN7GT 低μ双三極管です。GT管で探せば、殆ど選択肢は無さそうです。あとは6SL7GTくらいでしょうか。 種類の多さで選べばMT管のようです。 黒塗りのプレートががっしりと頼もしそうです。 右端のは、やけにゲッターが薄くなってます。新品の筈なのに。それに酷使されたせいか、背丈も磨り減っているようです。(笑) | |
主要パーツ御一行様です。 | |
シャーシの穴開けが完了しました。 |
電源部はどうする? |
そこでまた「情熱の真空管アンプ」の登場です。電源部の設計の考え方も記されています。 使用電源トランスは、ノグチPMC-200M(0-250V-280V:200mA)を選択してみました。
手作りアンプの会の皆様の作例に倣い、+B電源出口のコンデンサが大容量です。
+470μF+470μF
フィルタ効果: (0.231) (0.167) (0.032) 合計 0.00123倍 = 4.7mV(残留リプル電圧) 経典を参照しますと、+B電源出口での4.7mVの残留リプルは、真空管の内部抵抗と出力トランスの
2)トランジスタ・リプル・フィルタ回路 左右独立編 経典を参考にトランジスタを使ってみたいと、源様の電源部
を参照しつつ考えてみました。
フィルタ効果: (0.231) (0.0053) 合計 0.00122倍 = 4.6mV(残留リプル電圧) 280Vの整流直後で380Vとし、(我が家のACコンセントは105Vあるようで、280x1.3x1.05としています。) 上記の2回路について、源様よりご教示を頂く機会がありました。源様、ありがとうございました。 1)の回路について 2)の回路について そもそも、LPレコードなどは、左右でのセパレーションは40dB程度しかありません。 レギュレーションとは、電源電圧の変化する比率のことらしく、
3)トランジスタ・リプル・フィルタ回路 左右共用編 トランジスタを用いる場合は、C-B間にある程度の電圧差があれば左右独立させなくても良い、 280V--Di--20Ω--+--24Ω--+--------+C
B
E+--(OPT) フィルタ効果: (0.231) (0.01) 合計 0.00231倍 = 8.8mV(残留リプル電圧) トランジスタが一個となったので、ベースに6.4mA流してエミッタから160mAを得ようと。
4)トランジスタ・リプル・フィルタ回路 高安定版編 hFEは温度変化などにより変化するとのことで、経典には変動を抑える工夫をした回路も説明されています。
+100μF 経典には「ベース電流とブリーダ電流の比率が大きい程、hFEの影響を受け難い。」とありますが、 リプル回路のブリーダ電流とベース電圧の変化について図8a/図8b付近の条件で また、ぺるけ様より以下のご回答を頂きました。ぺるけ様、ありがとうございました。 ブリーダ電流がゼロだと、リプルフィルタ回路で生じる電圧降下の度合いは 五分五分であればかなり効果あるといえますね。もちろん、5倍以上流してやれば申し分ないですが、 ひとつの例をとして、2SC3425は25℃の時のhFEが約50です(手持ちのが実測でそれくらい)。 さて、この2SC3425のhFEですが、温度が100℃まで上昇した場合でおおよそ70くらいに上昇します。 こういうケースで考えなければならないのは、リプルフィルタの上流のB電源に含まれるリプ電圧の大きさです。 この回路の整流効果は左右共用編と同じですが、120kΩの抵抗でベース電流と同量の3.2mAを ぺるけ様の「低歪み実験アンプ」の電源部を参照してみますと、下記のようになっています。
+47μF ならばこの回路を参考にしたいところですが、電圧降下の都合上出来そうにありません。 5)ダーリントン接続? トランジスタを二段重ねとしてhFEを激増させる方法もあるようです。
+-----C
B
E+--(OPT) フィルタ効果: (0.0012) 合計 0.00123倍 = 4.7mV(残留リプル電圧) C-B間の電圧降下を16V、13kΩで1.2mA流し、ベースへ0.4mA、ブリーダー抵抗で0.8mA流そうと。
6)チョークトランス投入! チョークトランスは、ノグチ・PCM-115H(1H/150mA/DCR
27Ω)です。
+100μF フィルタ効果: (0.025) (0.0066) 合計 0.000165倍 = 0.6mV(残留リプル電圧) おぉ!チョークトランス、侮れません。玩具のようなチョークでも、効果は絶大のようです。 7)どうせなら別電源方式にする? さて、負け犬も最後のもう一踏ん張りをしてみましょう。
+470μF+470μF この数値を見ていると、改めてチョークトランスの偉大さに気付きます。 あまりの効果に、思わず左右独立コンデンサ方式復活です。ついでに巨コンも復活です。
8)そして迷走は続く・・・ 7)のチョークコンデンサ方式に至り、「もうこれで十分だろ。ってか過剰品質?これで決定だ!」 …も1回やり直し?
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宇多様の回路との違いは、 回路図に表れない細かなポイントとしては、
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電源部はこうする! |
このHPに目を通して下さった茄子様より、電源部について再びご教示を頂きました。 トランジスタ・リプル・フィルタ回路への多段フィルターの応用 とすると、3)トランジスタ・リプル・フィルタ回路 左右共用編の おぉ!このような方法もあるのですね。しかも、効果グンバツ!(死語) 目標値の明確化 とのアドバイスも頂きました。でも、すみません。 6)チョークトランス投入!について てっきり、チョーク・トランスで平滑してからトランジスタへ渡すものだと思っていましたが、
280V--Di--+----+-C B
E-+--50Ω--+--Lch フィルタ効果: (0.019) (0.019) 合計0.00036倍=1.4mV(残留リプル電圧) ○経典の教えに従えば、この200μFのコンデンサはリプル・フィルタではなく、信号ループの為のものです。 「こんな感じだな。」と考えていたところ、このページを目に留めたWat!様より以下のご教示を頂きました。 3.STCの場合、最後の(OPTと接続する)コンデンサをアースではなく、KT88のカソードに つまりは、C4,C5が充電されるまで、EmitterからC4に向けて、非常に大きな電流が流れ、 (1)定格の非常に大きなトランジスタを使用する (1)は素子が若干高価になり、大きくなりますが、特に副作用はないでしょう 以上のバランスで決めればよいでしょう。 なるほど!R4,R5とは、エミッタ後の50Ωですが、この部分の抵抗値を大きくし、突入電流を抑制するんですね。 そして+B出口のコンデンサも、出力段カソードへ直結しちゃいましょう。
+--100Ω--Rch フィルタ効果: (0.019) (0.019) (0.286) 合計0.0001倍=0.4mV(残留リプル電圧) ○組立途中で、この40μFはリプル・フィルタではなく、信号ループ用として機能しているかも知れない? それにしてもこの電源回路、多くの先達の方々のアドバイスを頂きながら、
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ATOM君、目立ち過ぎってか、図体でかすぎです。狭いシャーシ内部が更に手狭になってしましました。 ○コンデンサ類を吊るす為、コの字のアルミ材を桟のように渡しています。
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ひとまず完成し各部電圧を計っていたところ、出力段SG電圧が低く、280V程しかありません。 このアンプがシングルアンプであり、KT88のプレート電流が150mA以下であるならば、 スクリーン電流は球によってものすごばらつくので、マニュアルデータはあんまりあてになりません。 とのご回答を頂きました。 またDaluhmann様より、 半導体を混ぜることに抵抗がなければ、エミッタフォロワで固定してしまうという手もあります。 とのご回答を頂きました。 ○他にも、抵抗器の発熱量が凄まじく、シャーシ内部がサウナ状態になります。 ○更に恐ろしいことに、整流ダイオード直後の820Ωから電源投入の一瞬だけ「ほわっ」と、
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多くの先達の方々のご教示を得つつ、ようやく完成させることが出来ました。 ○トランジスタの2SC2792&放熱板は、ここしか空きスペースが無いので電源トランスの前に設置です。 リップル・フィルターで注意することは、意外とTRあるいはFETの温度が上がることです。 とのアドバイスを頂き、「でかすぎ?」と思いつつ、7cmx5cmのものを用意したのですが、 ○このアンプはKT88,EL34,6L6系を使用できるユニバーサル・アンプですが、出力管を交換する度に ○初段の3番、5番ピンを繋ぎ、6SH7と6SJ7の挿し替え可能としていますが、どちらを挿しても、
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< P-11二兄弟之図 > 兄貴分のマイナス給電アンプとツーショット。 今回、多くのアドバイスを頂いたWat!様の 外観こそシンプルですが、シャーシ内では それでいて無調整で球の挿し替えが可能で |
まずは問題なく稼動しているKT88・STC 初心者が、ちょっと背伸びをして電源部なぞ 勿論次こそぺるけ様の全段差動ppアンプですが、
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05年03月完成 |