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                自作 2wayスピーカー ユニット選定編
   
Unit01.JPG

Special Thanks

North Creek
MUSIC SYSTEMS

米国のキットメーカーさんです

横浜ベイサイドネット
BBSが活発です

スピーカーシステム
工作のページ

初心者にマルチウェイSPの自作は不可能と理解させてくれます   悲しいことに

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海外の販売店さんです

   


TU-879や6BM8超三結アンプで音楽を聴いていると、次第に気になる部分が出てきました。
「なんか高域が綺麗に聴こえない」というものです。
どちらのアンプで聴いても、高域が綺麗に伸びていないというか、ザラついたというか、
すっきり、くっきりした音ではありません。

「これはスピーカーのせいか?」
と安直な結論に達した自作真空管アンプ初心者は、
自作スピーカー初心者の道も歩むことになりましたとさ。

だってウチのスピーカー、20年位前の量産型普及価格帯のモノですもん、
「こりゃそろそろ寿命か」と思ったって不思議はないです。
ブツは「DIATONE DS-77z」といいます。
ここ十年位は音楽からも遠ざかっていたので、殆ど置物状態でした。

あ、だからか?調子悪いのは?

 

国 内 編


さっそく検索してみて第一に知ったことは、自作SPと言えば「フルレンジ+バックロードホーン」が主流、
というか大多数ということ。私の求めるマルチ・ウェイSPの製作例は、数えるほどしか見つかりません。
それにSPユニットもフルレンジ、というか、フォステクスのユニットくらいしか見つかりません。
うーん、困った。フルレンジ派に宗旨替えする気も無いし。

いや、フルレンジ+BHも凄いなーとは思ったんですよ。
友人の「MM-141S+SA/F80AMG」を聴いて、
「サイズの割に驚くほど低域が出てる」とか
「ボーカルが生々しくて、すんばらしい!」とか。
まぁ、趣味の問題ってことで。

さらに検索していて「 横浜ベイサイドショップ 」さんと出会い、自作SPの第一歩が始まりました。
取扱SPユニットの種類は多いようですし、
「D.I.Y World」ではユーザーさんが意欲的に活動していて勉強になります。

まずは「小型スピーカー製作記」をじっくり読ませて頂きましょう。
このハコを使えばかなり製作が楽になりそうです。
使えるのは13cmのユニットですか。初心者には手頃なサイズかもしれません。
では使えそうなユニットはと。
Vifaの推奨ユニットで約2万5千円ですね。
自分で選んだDavisとFocalの組み合わせだと約4万8千円と。
これにBOX代金2万5千円がプラスですから意外に掛かります。
コンデンサやコイルに気合を入れたら更にハネ上がります。
このサイズですと今使用中のSPのスコーカーを一回り大きくした程度のウーファーって感じでしょうか。

ならば最初からもう少しお金を出して口径の大きなユニットを使用し、
メインSPとして長く使えるものを製作したほうが得策のように思えてきます。
しかし国内では、他にBOXキットなんて無さそうです。
あとは専門工房での特注品でしょうか。
合板のカットを依頼するにも設計図が無ければ始まりません。
それにユニットの音。
そのSPユニットがどのような特徴を持ったものなのか、国内のネット上では情報が少ないようです。

ならばっ!と、ここで一気に海外に目が向きます。
元々、マルチウェイユニット・メーカーは外国企業の独壇場のようですし。

 

海 外 編


さすが海の向こうには情報が豊富に溢れている…ような気がします。
いえ、英語が苦手なもんでよく分からないってのが本音ですが。
ユニットも豊富すぎて、どれを選べば良いのやら。
カタログを読んでも音が聴こえる訳でも無いし。
それに一番の難関のネットワーク。
私に設計は無理なのでキットを探した方が無難でしょう。
幸い、各ショップさんでもいろんなキットを扱っているようです。
しかし・・・。
どうも今ひとつ魅力的なキットに出会えません。
ま、気長に探してみましょう。

そうこうしているうちに、キットメーカーを集めたリンク集に当たりました。
上から順番に見ていきます。
うーん、どのメーカーさんも「帯に短し、襷に長し」という印象です。
その中のひとつに「North Creek Music Systems」がありました。
他のキットメーカーに比べ、やけに力の入ったHPという印象です。
小型ブックシェルフ、MTM,フロアスタンド、と一通りのラインアップは揃っているようです。
このMTMはカッコ好さげです。
流行りの黄色いカーボンユニットに黒の筐体塗装ですか。グッときます。

私の希望するキットとしては、「North Creek Borealis」が近いようです。
ふんふん、ユニットはScan-Speakが中心のようです。
しかもウーファーはメーカー独自のカスタム仕様ですか。
このオリジナル・ツィーターは、見た目だけで判断すれば、950000の色違いっぽく見えます。
ほう、ネットワークにも力が入っているようです。
他のメーカーさんは、ネットワークの部分が「帯に短し」と思わせるんですが、
こちらのキットは違うようです。
何か「SPの肝はネットワークだぜ!」と言い切っているようです。
いや、英語苦手なんでよく分かりませんが。
ん?
「perfect pairs」?
SPユニットにも真空管と同じくマッチド・ペアなんてあるんでしょうか。初めて知りました。
これはかなりオタ志向の強いメーカーさんらしいです。
キャビネットの設計図もあります。
中の補強もしっかりしているようです。
中の壁に何か塗ると書いているようですが、壁を塗る?
うーん…。

さて、予定金額10万円で購入できるキットは…と。
Borealis - North D28 Unlimited Project ...$ 1,069.00 per pair.
これですか。ちょっと予算オーバーしますね。
このワン・ランク下は…。
Borealis - North D28 Project ...$ 699.00 per pair.
ふむ。十分予算内ですが、これらの違いは…と。
何と、ネットワークだけで倍以上の金額になっているようでね。
さすがSPの肝はネットワークと言い切る(憶測)メーカーさんです。
商品名も「Unlimited」ですし。

どうせ買うなら「いいもの」買っといた方がいいかな、なんて思い始めます。
総合計は幾らになるのか、ちょっと試算してみます。
キットが1069ドルで約12万、送料が4万位でしょうか。諸税が1万として、総額17万円!
うーん、高い。はじめての自作スピーカーにしては高すぎる投資額になります。
それでもこちらのサイトを訪れて早や1ヶ月近く。
他のメーカーさんでは「これだ!」と思えるキットには出会えません。
ならばここは意を決し、このキットに命運を託してみるのも一興でしょう。

ポイントはこのネットワークの価格をどう評価するかでしょうか。
699ドルのキットのネットワーク単品価格が約280ドル、1069ドルの方は約650ドル。
倍以上違います。
コンデンサとコイルと抵抗の組合せにこの価格は暴利?
なんて思いますが、
そのユニット用にしっかり設計・調整した技術料と思って納得するかどうかでしょう。
第一、私にはネットワークを設計するための計算式がわかりません。
いや、ネットで解説して下さるサイトさんもありますが、理解できるまで時間が掛かりそうです。

ま、私の耳には280ドルのネットワークでも十分に良い音に聴こえるでしょうが、
これから先、そう何度もスピーカーを買ったり作ったりはしないでしょうから、
ここは良い(と思える)ものを買っておきましょうか。

という訳で、意を決して注文です。
大幅な予算超過も、
「舶来品だぜScan-Speakだぜネットワークが違うぜ個人輸入だぜ」
と自分に言い聞かせます。

返信が届きます。
送料225ドル?思ったよりお安い。いや、安いに越したことはありませんが。

 

着 荷 編


一週間後、荷物が到着です。
ん?何かコンパクトな荷物です。いや、ひとかかえ程もある大きさですが…。
思っていたほど重くない…。まずは開封してみましょう。
さすがにScan-Speakのユニットはズシリと重い。カスタム仕様です。
思わずニヤリ。
ネットワークもズシリと重い。コイルが極太です。
更にニヤリ。アヤしい奴です。

…しかし…。
…無い…。
…入ってない…。

スピーカーボックスとなるべき板の類が見当たりません。うー、冷や汗が…。
おもむろに「This carton contains」に目を通します。
3回読み直してもどこにも「Box parts」とか「Cabinet parts」なんて単語がありません。
メーカーのサイトも見てみます。確かにキャビネットの設計図は載っています。
製作の仕方も説明されています。

ん?も、もしや…。

いや、サイトの中で頻繁に紹介されているキャビネット製造会社、気にはなっていたんです。
外人さんは面倒臭がり屋さんで、自分で作らず購入する人が多いんだろうか、
なんて思っていたんですが、
じゃぁキットに付くキャビネットの材料、無駄じゃん。
なんて思っていたんですが、
これは最初から付かないとしたら全て合理的で納得できます。

設計図は「作りたい人はこれ見て作ってね。」ってことなのでしょう。
面倒な人は「ここで買ってね。」ってことなのでしょう。
ハナからキャビネットは無しの、それ以外のパーツ一式のキットってことのようです。
「おのれ光秀、謀ったか!?」ってなもんです。
「敦盛」でも一舞したい心境です。
いや、私が勝手に勘違いをしていただけなんですが。

さて、何時までも呆然としている訳にはいきません。
既にハコ以外は手元に揃っています。ならばハコを手配するだけです。
今更5万10万の金額が上乗せされたところで大局に影響はありません。

   えぇ、えぇ、ありませんとも! 
(・・・号泣・・・)

 

Borealis - North D28 Unlimited Project

Unit01.JPG


遠路遙々御到着 ユニット御一行様

磁石の2段重ねがカスタム仕様の証。
ご覧の通りハコ以外一式揃っています。これでハコさえ揃っていたら・・・。
更に、同梱品が未納であることも判明。

crossover.JPG


重量級ネットワーク 御一行様(片ch)

素人にはトグロを巻いた針金にしか見えないコイル群。
コンデンサはZen&Crescendo。日本では殆ど見かけない名前ですが・・・。

8545.JPG


ウーファーユニット:Scan-Speak 18w8545-00.SC

最終的に18w-8545と18w-8546のどちらを選ぶか迷いました。
8546の黄色いケプラー・コーンも魅力的でしたが、
結局、8545のしわしわコーンにグッとくるものがあったので。
全く、見た目だけでスピーカーユニットを選ぶなんて、
殆ど暴挙です。

でも音は良さげな面構え・・・と思いたい。

 

蛇 足


暫くはマイナス定電流給電型ユニバーサルシングルアンプで音楽を楽しんでいました。
高域が綺麗です。いままで聴こえなかった音の余韻も綺麗に聴こえるようです。
そんなある日、何気なく6BM8超三結アンプを繋ぎ、CDを聴いてみました。
「あれ?前からこんな音で鳴ってたっけ・・・?」
以前より「DIATONE DS-77z」の音が良くなっているような気が・・・。
別に何もしていないのですが・・・。


もしかしたら長い間放置されていたSPは、コンデンサが元の調子を取り戻すまで、
ある程度の時間が必要なのかも、です。
再稼動したのが昨年の12月、気付いたのが5月と、およそ半年程掛かっています。
中古でSPを検討している方は、エージングに充分時間を掛けた方が幸せになれるかも、です。

ん?
じゃあ、DS-77zのコンデンサ、新しいのに替えたら更に音が良くなるかもってこと?
何せ20年前のコンデンサだし・・・。

 04年05月

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