地域がん登録事業 

1.秋田県健康対策課は 秋大病院を「がん拠点病院」(がん情報センター)に指定し、県内8地区に「地域がん診療連携拠 点病院」を指定し、「地域がん登録事業」をスタートさせようとしている。
 これは 医師会や秋大、地域病院長らで組織する「がん医療推進検討会」を立ち上げ、病院同士を高速通信回線でつ  なぎ、病理画像などの情報を送信するシステムを構築する。
 「がん拠点病院」は 06年度から厚労省が「がん診療連携拠点病院」と名称変更した。
2.「地域がん登録事業」は これまで胃がんや大腸がんに限られていたのをすべてのがんに拡大し、登録対象を患者の
 氏名、年齢、性別、居住地、がんの発症部位、症状経過、診療内容(外科、放射線、薬剤など)、転移、治療後の再発な ど登録。これにより、がんの死亡率や生存率など 県独自で計算できることになる。
3.秋田県は 平成16年度がん死亡率は10万人当たり、328.5人で、全国平均は253.9人で、平成9年以来 8年連続全国  一である。これに対して 初めてがんに対して全面的に取組む体制を作ろうとしている。
 来(18)年度は どこまで進むだろうか。県民は一刻も早く、がんの治療体制を確立して欲しいと願っている。
 医師会も県も県民のため、率先して一刻も早く、がんの治療体制を確立して欲しい。
4.2006.3.8.県会知事答弁 がん登録制度についての質問に答えて、今は患者本人の同意を得ずに行っている。今後も
 同じだが個人情報保護法施行されているので、個人情報の取り扱いには十分に配慮する。
 2006.6.6. 今国会の 「がん対策基本法」には がん登録制度をプライバシーの問題から除いて成立させることに合意
  自民、公明と民主とで。
5.「緩和ケア」市民公開講座 2006.2.11. の続編として、2006.4.23.大館市で 「さきがけ健康フォーラム」にて、橋爪隆弘
  先生が講話する。
  現在のがん治療は 外科手術、抗がん剤治療、放射線治療があります。また乳がんや前立腺゛ん、子宮内膜がんでは
  ホルモン療法があります。それらを組合せて行います。
  最も性格の悪いがんは外科手術で完全に切除しても再発するタイプです。この種のがんは人間の目では見えなかっ   たり、精密な検査でも発見できないほど小さいがんの転移が初めから起きている可能性があると言われています。
6.県議会広報の一つ「Link」に「がん患者の痛みを和らげる取組み」とのタイトルで、広島県の緩和ケア支援センターの写  真と、男性二人に一人、女性三人に一人の割合で、がんにかかると載せている。2006年3月号
7. 「地域がん登録事業」で、平成11年の1年間で、胃がんと診断された人の統計がまとまった。
  初めて胃がんと診断された人は 1,649人。登録事業に協力した 224医療機関。この中から厚生省の人口動態統計の
  死亡小票で死因が胃がんと確認されたデータを除くと、 1,160人。これを 5年生存率調査の対象としたところ、生存率
  は59.8% だった。がんの発見のきっかけは 「外来(有症状)」が 628人と最も多く、「外来(無症状)」が 226人、「集団
  検診」が 145人、「人間ドックやその他の健康診断」が 97人など。5年生存率との相関では 「人間ドックやその他の健  康診断」で見つかった人の生存率は 81.9% 「外来(無症状)」は 79.9%、逆に「外来(有症状)」は 43.6% と半分になり、 発見治療が早いほど生存率は高まる。
  一方、発見時のがんの進行度(病期)は程度の軽い順にステージTが 585人、Uが 96人、Vが 171人、Wが 308人
  それぞれの5年生存率は Tは 86.4%、Uは 68.8% Vは 44.8% Wは 8.4% で、最初の診断時点で、早期がんだった
  かが生存率を大きく左右する。
  県は 平成15年から大腸がんを加え、昨年(18年)からすべてのがんに拡大した。
  県総合保健事業団に委託し、患者の性別、年齢、居住地、発症部位、診断内容、がん発見の経緯、喫煙の有無といっ  た生活習慣情報も集積している。県によると、平成 18年では 約六千人の情報が集まっているという。
  18年の人口動態統計によると、本県のがん死亡率は人口10万あたり 342.7人で、全国一が10年間続いている。
  がんの死亡者は 3,873人である。

 8. 「地域がん診療拠点病院」の秋田県の現状 2007.10.31.
   都道府県拠点病院としては 秋田大学医学部付属病院 そして地域拠点病院としては 由利組合病院(由利本荘市)
   仙北組合病院(仙北市) 平鹿病院(横手市) が指定を受けている。
   今回、地域拠点病院として 山本組合総合病院(能代市)、秋田赤十字病院(秋田市)、雄勝中央病院(湯沢市)を推薦    した。この三病院は 2008.1.18.に指定は決まった。「大館・鹿角」、「北秋田」の二つの二次医療圏が空白域となっ    ている。これについては 改修中の大館市立病院、21年に開設予定の北秋田市民病院が整備され次第、推薦する    予定である。
    また秋田周辺の国指定の要件を満たしている秋田市立病院、秋田組合病院、中通病院も指定を目指す方針。

 9.:県がん対策推進計画検討委員会(委員長本橋豊) 第二回会合
   2008年度からの五年間の計画案をまとめた。2005年度の受診率は 胃がん 21.1% 肺がん 33.6% 子宮ガン 25.2%
   乳がん 31.2 % 大腸がん 30.3% いずれも全国平均を上回っているが検診の結果、要精密検査とされた人の精検
   受診率は全国平均を下回っている。これに対して検診受診率の目標を 5割にする。10年以内にがん死亡率(75歳
   未満年齢調整死亡率)を 2割減らすことを目指す。2008.2.4.
 10. 2007年がん登録者 6,817人(登録率 75.9% 06年の死亡者より推定罹患者 8,986人の)
    県170医療機関(病院 34 診療所 136)が協力。登録者 1.胃がん 1,439人 2.大腸がん 1,420人 3.肺がん 630人
    4.前立腺がん556人 5.乳がん536人など。がん発見のきっかけは 1.症状があって受診 2,670人 2.他の疾患観察    中 1,716人 3.がん検診、人間ドック 1,271人 主な治療内容 1.手術療法 4,117人 2.化学療法 1,583人 3.放射    線療法 631人など。以上 登録委員長 加藤哲郎 県総合保健センター長 発表。 2008.9.22.魁
 11.「地域がん診療拠点病院」 2月 3日の厚生労働省の検討会で 秋田県が推薦した 4病院のうち、大館市立総合病    院(大館、鹿角医療圏)と、秋田組合総合病院(秋田周辺医療圏)が新たに指定されることに決定した。
   一方市立秋田総合病院と中通総合病院は秋田周辺医療圏であり、同一医療圏に複数の病院を指定する要件を
   満たしていないと判断され、指定から漏れた。2009.2.4.魁
 12. 「がん標準治療整備」 2009.8.22.魁
    今年 2月 秋田大学大学院医学系研究科に「腫瘍学講座」を開設。このため、日本臨床腫瘍学会認定のがん薬物
    療法専門医・柴田浩行同講座教授が東北大より着任した。現在の進行性大腸がんの治療過程は 1.手術 2.薬物
    療法 3.終末期医療 となっていて、2年程度の延命が実現できた。臨床腫瘍専門医は現在 300名を 3000名ま     で増員しなければならない。
    現在の県内の病院では 1.写真から「がん細胞」を発見していただけるか。2.がんを発見してから治療方針を立て     ていただけるか。3.手術、放射線、薬物の治療を的確にやっていただけるか。などの疑問があるが薬物療法専医
    の着任は、がん治療薬が日進月歩しているので、適切な配置であり、県民にとっては待望の専門医だった。
 13.「がん予防対策チームを新設」2010.1.27.魁
   内容 1.県指定がん診療連携推進病院の整備  2.秋田大学と連携してがん専門医育成  3.質の高いがん医療の
        提供体制の整備
   目標 1.75歳未満の人口 10万人当たり年齢調整死亡率を 08年の 91.8から 80.3まで 13年度まで引き下げる。
       2.がん検診の目標受診率を 50%以上にする。07年度は 胃がん18.8% 大腸がん29.7% 肺がん31.7%
         子宮ガン25.4% 乳がん22.1%
       3.緩和ケアの研修会修了者を 2000人にする。09年9月末で、約300人。
   コメント 秋田県のこれまでのがん対策は 小畑知事の「脳えっ血」の取組みと比較すると 問題にならない。
         がん専門医を育成、増員して 各市の病院にに配置すべきと考える。

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