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特集!回顧録「あの人は今」

last updated 2001/01/06

その後、彼女は・・・

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コンテスト出場
出場したコンテストの結果は正直言って覚えていないが、とにかく必死でみんなと合わせて叩いていたような記憶だけは残っている。ギターのT君が飛びぬけて上手かったというのもあった。彼女(Hさん)はこのメンバーと今日の演奏に満足していただろうか。いや、自分が上手く演奏できなかったことを悔やんでいたようだった。いつになく紅潮した顔が記憶に残っている。私は「ヘタなりにこなした」という満足感があったと思う。他のメンバーも同じように感じたと思う。
その後
“にわかバンド”はそのコンテストに向けての、いわばワンタイムパフォーマンスだったはずだが・・・。その後も数回、Hさんから誘いを受けた。しかし、私もそうそう学校のドラムスを拝借することもできないし、なにより吹奏楽部のシーズンオフしか練習に参加できないという物理的な理由から断り続けた。そのうち、私よりずっと年上のドラマー、Oさんがメンバーとなったため、私にお誘いがかかることもなくなった。そんな中、練習を見に来ないかという誘いを受けたので、久しぶりに顔を出すことにした。行ってみると、メンバーはすっかり変わっていて、私の親友H君がギタリストとして加わっていた。それより驚いたのは、やってる曲がビートルズではない!その頃流行だした「クロスオーバー」今で言うところの「フュージョン」である。四人囃子から発展したプリズムというバンドのコピーをやっていた。ちょっと叩かせてもらったこの時の体験が、後に私の音楽志向を変えたのかも知れない。
電話
バンドへの誘いを受ける電話はそれまでもあったが、一回電話をくれると最低でも一時間、普通は二時間ぐらいは話していたHさん。当時は重量のある黒電話だったので、手と耳が痛くなったのを覚えている。さて、話の内容は「バンドへの誘い」だけではなく、雑談も多かったように思う。その中には、自分の境遇や自分の見た夢の話なんかもあった。自分の境遇の話では「自分には本当の父親が他にいる。その人は○○さんだ」と私も知っている人を挙げていた。素直な私はすっかりその話を信じて疑わなかった。もちろん、根拠のある話だと思っていたからだ。ただ、正直言って私には関係の無い話だったし、それを知ったからどうだということもない。大して知的好奇心をくすぐるネタでもなかった。問題は次の一言。「この前、○○町で偶然じゃんくす君(仮名・・・当たり前か)と遭ったでしょ?あの時、私すごく驚いたんだー」などと言う。「うん。驚いたけど、同じ能代に住んでるんだから、そんな驚くほどの事?」と返すと「違うの。あの時の光景を一週間ぐらい前に夢で見たのよ。あのまんま。同じ状況で・・・」この言葉で私は俄然身を乗り出した。もちろん、電話だから身を乗り出したところで壁に頭をぶつけるぐらいだが・・・(って、こんなとこでギャグかますなよ>じゃんくす)。それは置いといて・・・なぜなら、小学生の頃からオカルト好きな私は「この人は“予知夢”を見る人なんだ!」と思ったからだ。私にとって興味深い話にはどんどんツッコんでしまい、電話が長くなることもしばしばあった。
予知夢なのか
電話でのそういう会話は数回あったが、予知夢はいつしか予知能力あるいは透視能力の話に発展していった。夢ではなく、起きている状態で感じるようになったのだ。真偽の程は確かめようもないが、とにかく私の好奇心だけはどんどん膨らんでいった。決して私の下半身は膨らんでいない(また、ギャグかますか!>じゃんくす)。彼女はこれから起こり得ることを私に告げたことはない。それは、そういう能力を彼女自身信じていなかったからかもしれない。・・・私もだんだん彼女の言動がわからなくなってきた。「もしかしたら、彼女は病気なのかもしれない」そう思うようになったのは随分後になってからだった。

・・・つづく

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