「デューカより」と題されたムービーメールは、ファンクラブの全員に届いた。

 十四、五歳の黒人の少女が、ともすれば伏してしまう黒い瞳を精一杯ファンに向けて、言葉を述べていた。

 なめらかな黒い肌。美しい仕種。可愛らしい顔。少し高いが柔らかな声。
 出会った誰もが彼女を好きにならずにいられない、完璧な少女だった。
 メッセージの終盤、頬を伝った大粒の涙に、ファンの熱気は最高潮に達した。

 デューカのメッセージを受け取ったファンは、すぐさまスターネットにアクセスした。
 だがそこに『SOD』は既になく、彼らは回線の中をさまようだけだった。

 ブリッヂに集まった者達は、ある者は嘆き、ある者は怒り、デューカの功罪について議論しあった。
 そうして彼女の「消滅」を、納得させようとしていた。


 だが誰も「デューカ」を削除しようとはしなかった。



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