五能線クルージング


弘前駅


 林崎から板柳にかけてはりんご畑の中を列車が走っているという感じ。りんごに手が届きそうなほど近いので何だがうれしくなってしまう。それに、岩木山の全容、すそ野まできれいに見えるから「津軽だなぁ」と思わずにはいられない。板柳駅のそばに真新しいりんご箱が何千箱と積まれているが、これは乾燥のためだとか。りんごの町らしい風景だ。
 「ふじ」りんごのふるさと藤崎あたりでりんご畑に別れを告げる。津軽富士と潮騒の旅も終点に近づいてきた。

 弘前といえば桜とお城。弘前城の城郭は今は公園として整備され、本丸や堀、追手門など、歴史の深さを物語る遺構をま近に見ることができる。ことに本丸広場の天守閣と津軽富士岩木山、桜並木の絵に書いたような三点セットの風景はまさにため息もの。弘前は明治以後も津軽の中心地であったため、旧市立図書館、弘前カトリック教会や日本キリスト教団弘前教会、青森銀行記念館などのようにレトロな建物も多く、歴史的な見どころがいっぱい。地図を片手に街を散策してみたい。

 北国の城下町らしい静かさと情緒に満ちている町だが、この町がひと時、熱気に湧きかえることがある。「ヤーヤードー」という掛け声が夜空に響く弘前ねぷた。青森ではねぶただが、弘前はねぷたという。「ヤーヤードー」のかけ声の中、勇壮華麗な武者絵の扇ねぷたが街を練り歩き、津軽の夏の夜は一気に熱くなる。夏が終わると津軽平野はりんごの季節になる。風物詩ともなっている弘前駅前のりんご専門店。おばちゃんが道行く観光客にりんごをすすめる。「ふじ」や「ジョナゴールト」などおなじみの品種の他、「金星」など、こんなに種類があるのかと思うほどいろいろなりんごが売られている。さすがりんご王国だ。津軽弁に旅情を誘われて、さて、ここからどこに行こうか。



リゾートしらかみ乗車のとっておき情報!

五所川原-弘前間では車内で津軽三味線の生演奏があります!下りは4号車、上りは1号車で演奏します

津軽三味線ホームページ
RealAudio3.0で津軽三味線のサウンドが聞けます。

能代駅