五能線クルージング


深浦駅

 夕日海岸をキャッチフレーズにしている深浦町。なるほど、夕日を反射して輝く波頭、黄金色に染まる岩礁。こんな海を見ていると遠く旅に出かけたくなるような気がする。こんなロマンチックな海を底まで見てしまおうというのが海中探勝遊覧船「ミエ〜ルふかうら」。ガンガラ穴や椿山を周遊するコースで深浦港のピアハウスから出航している。ピアハウスでは地元で捕れた活魚や特産品の販売や「さきイカ」の実演も。
 上方と北海道を結ぶ北前の港として栄えた深浦には北前船が残した文化、史跡の数々がある。なかでも、文化遺産としても貴重なものが円覚寺だ。遭難の危機から生還した漁師たちが奉納した「まげ額」や、越前の豪商が奉納した日本最古の船絵馬などが残されており、境内の立派さにも往時の深浦港の栄華がしのばれる。
 食欲の秋に催される「チャンチャン祭り」は漁師町としての深浦を感じる祭りだ。以前、北海道がニシン場として盛んだった頃。出稼ぎのヤン衆が親方の目を盗んでチャンチャンコを頭からかぶり、スコップで焼いて食べたというのがチャンチャン焼。鮭と野菜を鉄板で豪快に焼いて味噌で味付けするのだが、北海道でも、そしてここ深浦でも名物というところに人間の歴史が感じられて面白い。

千畳敷駅

 

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