最終更新 2005/12/30

 風の松原 いこいの広場にこの看板が立っています。ここには「風の松原6タイトル」と書かれています。



2005/12/30 撮影


2005/12/11 夕方撮影
サン・ウッド内の風の松原案内所で配布しているパンフレットには「風の松原 六冠」と書かれています。

 「六冠」という表現は、風の松原近くにある能代工業高校のバスケットボール部がインターハイ、国体、ウインターカップの3大大会で優勝した際に「三冠達成」と祝福されていたことからきていると思います。能代工業高校はこれまで9回の全国大会三冠達成を成し遂げています。それにあやかって「六冠」という言葉を使ったと思います。

 私は、1986年までに選ばれた3つの100選はその通りだと思いますが、あとの3つには異議があります。
 「白砂青松」は海岸線に沿った美しい松並木という意味です。そのイメージは現在の能代海岸には皆無と言っていい状態です。先日NHKで放映された「地球だい好き」で「佐賀発・白砂青松が消えていく」を放送していました。そこに出てくる虹の松原を始め、三保の松原気比の松原は海岸線に沿った美しい松林です。古い写真で見たことがありますが、能代港付近にも昔はそんな光景があったそうです。

 音風景100選について

 「音風景」の場合は「鳴き砂」や「水琴窟」であればわかりやすいのですが、現在、松籟の音を聞かせるのは難しいと思いました。昔は旧市内どこでも松籟の音が聞こえたと思います。私も松籟を聞いて育ったのですが、昭和52年に国有林20ha、クロマツ8万本余が秋田県に売却され、現在の能代火力発電所や木材工業団地などの用地造成が始まってからは、「松籟」の音は火力や工場の音、港湾道路を走るトラックの音にかき消されることになりました。

 今は大開浜・落合浜(風の松原概念図参照)の波音が聞こえて来ることがありますが、「ガイド用地図」23番地点から50番地点の海側は、まだクロマツが低いこともあり、日中は騒音が多くて松籟の音を確かめるのは難しいかと思います。

 環境省のホームページの中では、風の松原で「松籟」を説明するために、
  ●よく聞ける時期 1年を通じて聞ける(市街地の喧騒が聞こえない早朝がおすすめ)
  ●よく聞けるところ 風の松原全域。市街地(東側)に近いほど黒松の樹齢が古く、視覚、聴覚を通して重厚な松籟が楽しめる。

としてありました。平成8年1月に環境庁から出された「残したい“日本の音風景100選”事業実施要領」を読むと、「応募に際しては、・・・応募申込書(推薦したい音の状況、その音が聞こえる場所、その音風景を残したい理由等を記載)を提出していただきます。その音風景の状況を示す写真、イラスト等があれば添付をお願いします。 」とありました。添付するものの中に「録音テープ・ビデオ等」がなかったのが意外でした。

 きっと「能代市」が応募したのだろうと思います。平成8年当時の能代市の担当者がどういう意図で応募したのか、「松籟」の音を記録していたのかどうか不明ですが、「能代市民であれば「松籟」の音が聞こえる状態に戻して21世紀に残したい」という願いがあって応募したのだと思っています。

 私が意外に思ったのは、700件以上あったという応募から100件程度に絞るためには、日本の音風景検討会のメンバーが実際に各地に赴いて「音風景」を体感したのだと思ったのですが、どうだったのでしょうか。

 かおり風景100選について

 かおり風景100選の風の松原のページを開くと、風の松原はこのように出ています。かおりの源は松葉、土、潮となっています。100選になっている他の場所を見ても、「香り」よりも「風景」に重点を置いているようです。かおり風景100選のトップページには、「日本には、私たちにやすらぎやゲンキをあたえてくれるすばらしい景色がたくさんあります。そんな景色を体全体で感じるとき、そこには必ずすばらしいかおりがあると思いませんか?
 環境省は、そんなかおりのある風景をいつくしみ、守りつづけている地域の方々を心から応援したいと思っています。そして、みなさまに愛されるかおり風景がこれからもずっと続くようにとの願いをこめ、「かおり風景100選」を選びました。」
と書いてあります。同じ環境省関連のページですが、かおり風景の方は、選考委員会の様子や講評なども掲載されていて面白かったです。皆さんもご覧ください。