現在、漢字を使用している国は 中国、日本、台湾の三国である。
中国の清国時代まで使用されていた元の漢字(繁体字)を使用しているのは 台湾である。蒋介石は 中国の漢字を
そのまま継承した。中華人民共和国は 簡体字を使用している。普段常用する約4,000字の繁体字の中から2,238字
を 画数を減らしたりした「常用簡体字」として、1964年に定めた。
日本の「当用漢字」も繁体字をいくらか、簡略したものが多い。
繁体字 聽 氣 歡 亞 歸 單
簡体字 听 气 モ R m
日本字 聴 気 歓 亜 帰 単
上に、繁体字と簡体字と日本字の順にその例をあげましたが 簡体字出ていますか。もし、文字化けを起こしていましたら 「表示」の「エンコード」をクリックして、「簡体字」をクリックしてみてください。もしすべてが文字化けを起こしたらもう一度「表示」の「エンコード」ををクリックして、「日本語(自動)」をクリックし直してください。元に戻ります。
さて、この漢字は いつ頃に完成し、どのように周辺国に伝来されたであろうか。
現在のところ、漢字の最古の文献「詩経」が紀元前8世紀頃作成され、戦国時代の諸子百家は漢字を用いたので
ないかとされている。秦の始皇帝が中国を統一した紀元前221年には完成し、流布していた。唯この時は 小てん体
で、漢代には 隷書体が常用され、この隷書体を簡略化したのが楷書体である。以後現在まで、漢字の基準字体
となっている。
漢字は 表意文字であり、古くから交流のあった朝鮮、日本、ベトナムは 漢字文化圏と言われている。
ハングル文字や日本のかな文字は 表音文字で、漢字の概念をこの表音文字で示しているとされる。ベトナムも同様と、言う。
と言うことで、中国、台湾、日本、韓国、朝鮮、ベトナムが 漢字文化圏である。
日本人が外国旅行して、安心感を抱くのは 台湾である。これはいろいろの要素があると思いますが 1つは 顔や肌の色が似ていることです。もう1つは 文字が繁体字で 65才以上の日本人は 戦前教科書で習った漢字なのです。街の標識やホテル内の標識がほとんど読めて理解できるからです。あと、かって日本の植民地だったことがあり、その体臭が染み着いているからであろう。
今回、韓国を旅行して分かったことであるが、漢字が中国から朝鮮半島を通って伝来されたと推定される
実例を 漢字の発音から書いておきます。発音は各国のローマ字表記にしておきます。
中国 韓国 日本 中国 韓国 日本
「金」 jin kim kin 「公」
gong kong kou
「中」 zhong chung chuu 「竹」 zhu chuk chiku
「宝」 bao po pou 「内」 nei nae nai
「北」 bei buk boku 「道」 dao do dou
「南」 は 各国とも 「ナン」と発音している。
中国と日本とで、漢字の発音の違いが韓国の発音を聞くと納得する場合がある。
広東語について、
私は 今回、広州を旅行するにあたり、広東語を調べてみた。その特徴をあげておく。
1.広東語は 基本的には 台湾のような繁体字の中国語である。
2.広東語には 繁体字にない広東語独特の漢字が 20個くらいでてくる。私のソフトにはないので、ここには
表現できない。
3.北京語とは 使用する漢字が異なるものがある。日本語の表現に似ているものもある。
吃(食)、回(返),オ(飲)<小(細)、下(落)、便宜(平)、など多い。
4.同一漢字を北京語とは別読みするものが多い。
日(ri yaht)、人(ren yahn)、我(wo ngoh)、幾(ji gei)、一(yi yat)、九(jiu gau)
5.北京語の発音は 四声と軽声であるが 六声となっている。
6.日本語の漢字の発音で 広東語からきたものと推測されるものが多くある。
高(こう)、個(こ)、家(か)、細(さい)、報(ぽう)、便(びん)、別(べつ)、
今回の旅行で分かったことは 空港、街の標識、看板は ほとんど 簡体字であり、偶に繁体字が見られ る。若い人々の教育は すべて簡体字で行われているし、テレビや新聞も簡体字である。そんなことで、
広東語は これからだんだん北京語に変わっていくであろう。