教 育 情 報


2005/01/24  能代市立東雲中学校が雪の中、綱引き(秋田)(よみうり)
 能代市落合のJR向能代駅前で二十三日、中学生による「雪中綱引き」が行われ、降りしきる
雪の中、寒さを吹き飛ばす熱のこもった勝負が繰り広げられた。
 綱引きを行ったのは、市立東雲中学校(生徒数二百九十五人)。同校のある同市落合の
東雲地区が開拓地であることから、先人の苦労を忘れないよう四十年以上前から始まった。
学年別のクラス対抗戦で、生徒たちは足に滑り止めの縄を巻きつけたり、校訓の「自主・開拓」の
文字を裸の背中に書いたりして登場。雪で滑って転ぶ生徒が続出し、会場の笑いを誘っていた。
2004/12/24  県教委の「あきた教育新時代創成プログラム」承認(秋田)
                                     (よみうり)
 県教育委員会が二十一日開かれ、教育改革の指針「あきた教育新時代創成プログラム」が
承認された。財政難と少子化に対応した教育版「行政改革プログラム」で、教職員数の縮減や
教員採用試験の受験年齢の引き下げ、任期付き教員の採用、小規模校における教頭の
配置見直しなどが盛り込まれている。六月に素案が公表され、県議会や市町村教育委員会、
教職員組合などから意見聴取してきた。
2004/12/13  県の国際理解推進事業が好評(秋田)(よみうり)
 仙北町ふれあい文化センターで十一月十三日、子どもを対象にした「英語であそぼDAY」が
開かれた。外国人指導者が集まった五歳児に向かって、「ハウ オールド アー ユー?」と聞くと、
「アイム ファイブ!」と元気のいい答えが返ってきた。
 「英語であそぼDAY」は、県教育庁が今年度から始めた地域で進める親子国際理解推進事業
「国際理解チャレンジクラブ」の一環で、町内の幼稚園の年長―小学校三年生までの約三十人が
参加している。
 同事業は県内二十三市町村で実施され、地元の外国人などを講師に、幼児から小学校低学年、
保護者が英語などの外国語や外国文化を体験している。事業内容は各市町村で計画。
英語だけでなく、中国語やインドネシア語に触れてみたり、韓国、ブラジル、イラン料理に
挑戦したりと幅広い。
 仙北町では、町内で英語教室を開いている佐々木千秋さんと、ポーランド人の夫マイケルさん、
マレーシアで暮らした経験がある元商社勤務の松本清逸さんの三人が講師役。月に一、二回の
割合で週末に開催し、英会話のほか、ポーランドやマレーシアの話を楽しんでいる。
 この日は、英語であいさつをした後、「頭」「肩」「ひざ」など体の部分や数字を英語で練習。
体の部分が盛り込まれた英語の歌を歌い、クリスマス会で発表する英語の歌も練習した。
帰り際には英語の歌が吹き込まれたCDが渡され、佐々木さんが「おうちでも毎日聞いて
練習してね」と、宿題つきだ。
 プログラム内容は町公民館と佐々木さんが相談して決めた。佐々木さんは
「せっかく来てもらうのだから、英語で『これが言えるようになった』というものを身につけてほしい。
最後には自己紹介ができるようになれば」。町公民館の佐々木博喜社会教育主事は
「国際理解が大前提で、日本以外にいろいろな国があることを知ってもらい、他国を見ることで
日本も知ってもらえれば」と期待する。
 姉妹で参加している小学二年の佐藤恵梨香さん(7)は「楽しみながら英語を覚えられていいなと
思う」と話し、妹の愛花ちゃん(5)は「歌を上手に歌えた」と胸を張る。母恵美子さん(36)は
「家でもサンキューなど話すようになった」と目を細めている。
2004/12/09  爆破予告メールで秋田工高が休校(秋田)(よみうり)
 秋田市保戸野金砂町の県立秋田工業高校ラグビー部OB会のホームページ(HP)管理者あてに、
「ボム」と名乗る送信者から「十二月八日に校舎を爆破します。もうすでに爆弾は設置済みです」と
書かれたメールが届き、同校は八日を休校にした。秋田署は悪質ないたずらと見て、
威力業務妨害の疑いで調べている。
 同校によると、メールが届いたのは五日午後八時半ごろ。六日午後から七日にかけて、
教職員と同署員で校舎を含む敷地内を捜索したが、不審物は見つからなかった。山方攻校長は
「非常に迷惑。八日は試験や行事もなく思い当たる節が全くない。生徒の安全確保に努めつつ、
九日からは通常通り授業を再開する」と話している。同校生徒は「創立百周年を騒がせるための
いたずらじゃないか」と話した。今年の県大会で優勝した同部に対する嫌がらせとのうわさも
出ているという。
 同部は全国高校ラグビー大会に五十九回の出場を誇る強豪。HPは、同校創立百周年と
創部八十周年を記念して、十一月下旬に開設されたばかりだった。
2004/12/06  秋田東高跡地に「あきた文学資料館」(秋田)(よみうり)
 県教育委員会は、来年四月に統合移転する県立秋田東高校(秋田市中通)の跡地に
「あきた文学資料館(仮称)」を設置する構想を発表した。秋田にゆかりのある文学資料を
収集する資料保存センターや、県民の文学研究活動、交流の拠点としての役割を果たす。
 県教委によると、同校の敷地は約五千九百平方メートルで、校舎は延べ床面積約四千三百
平方メートル。このうち、約十年前に増築した調理室、給食室、芸術教室のある東側部分の
延べ約七百平方メートルを改修し、文学資料館とする。残りの部分は解体し、ソフトボール練習場、
テニスコート、秋田明徳館高校通信制の生徒用駐車場などに整備する。
 来年一月から設計作業に入り、二〇〇六年四月の開館を目指す。開館までに十万点の
文学資料収集を予定している。県教育庁は十二月県議会定例会で、193万円の補正予算案を
提案している。県教育庁では「秋田ゆかりの文学関係者が世代交代し、貴重な文学資料が
捨てられたり二束三文で売られたりしている。そうした資料の散逸を防ぐぎ、調査研究や
交流の場としていきたい」としている。
2004/12/01  県教委が高校再編素案示す(秋田)(よみうり)
 県教委は三十日、県議会十二月定例会教育公安委員会で、第五次高校総合整備計画の
後期計画(二〇〇六―一〇年度)の素案を示した。六月県議会で示された、たたき台を
具体化したもので、五地区の十案が六案に集約された。素案は来年七月に成案化される。
 大館地区(現五校)は、たたき台と同様の二案を提示。A案は、〇五年度に開校する
中高一貫校・大館国際情報学院のほか、大館鳳鳴を普通科・理数科のある進学校とし、
大館商と大館桂の敷地に総合制高校を新設する。総合制高校は、大館工の工場棟の使用も
視野に入れて検討する。大館地区の校数は計三校となる。B案は、大館国際情報学院と、
普通科・理数科のある進学校のほか、普通科高校、県北唯一の工業高校の四校を設置する。
 鷹巣・阿仁地区(現県立三校、公立一校)は、たたき台では県立三校、公立一校の計四校を
統合するA案と、県立三校を統合するB案が示されていた。素案では、公立合川は
市町村合併後に新市と協議するとし、残る県立三校は鷹巣農林の敷地に総合制高校一校に
統合する案のみとなった。米内沢を分校として設置することも検討する。〇五年度に
県立三校統合を検討する準備事務局を設置し、一〇年度の開校を目指す。
 能代地区(現県立四校、市立一校)は、普通科・理数科のある進学校、普通科・外国語科・
商業系学科のある高校、総合制高校の三校に統合する。
 角館地区(現二校)は、普通科一校に統合することにしているが、二校存続が
可能かどうかも含めて引き続き検討する。
 湯沢地区(現三校)は、普通科・理数科のある進学校と、普通科・商業系学科・工業系学科の
ある総合制高校の二校に再編。湯沢市が設置する「湯沢市内高校統合問題懇談会」の状況を
踏まえながら、〇五年度に統合準備事務局を設置し、検討する。
2004/11/25  国際教養大学の特別選抜入学試験に45人が合格(秋田)
                                       (よみうり)
 国際教養大学(雄和町)は二十四日、来年度入学者を対象にした特別選抜入学試験の結果を
発表した。志願者百二十人全員が受験し、四十五人が合格した。合格者のうち県内の
高校出身者は十五人だった。
 試験は今月十三日、高校長などから推薦された生徒の「推薦入学」(募集人員十五人)、
一年程度の留学経験があったり、英語力が高かったりする生徒の「AO(アドミッション・オフィス)・
高校生留学1」(同十五人)、「帰国子女特別選抜」(若干名)の三区分で、英語小論文と面接を
行った。
 「推薦入学」は八十九人が受験し、二十七人が合格。「AO・高校留学生1」は二十九人が
受験し、十八人が合格した。「帰国子女特別選抜」は二人が受験したが、合格者はなかった。
中島嶺雄学長は「昨年と比べて、さらにレベルの高い受験生が受験してくれた。この大学の
学生となって、世界に飛翔(ひしょう)することを願っている」とのコメントを発表した。
2004/11/09  県立大、2006年から新学科に7講座(秋田)(よみうり)
 県立大は八日、短期大学部を二〇〇六年四月、生物資源科学部内に設置する四年制の
新学科「アグリビジネス学科」に再編し、同学科に生産系四講座と経営系三講座の計七講座を
設置する方針を明らかにした。秋田市内のホテルで開かれた同大運営協議会に示した。
 アグリビジネス学科では、農業生産だけでなく、流通や販売、経営に至るまで実践的に
学べるようにする。定員は四十人で、農学学士の学位が取得できる。設置される講座は、
生産系が「農業生産学」「園芸生産利用学」「畜産資源利用学」「生産環境管理学」の四講座で、
経営系が「農業政策学」「農業経営学」「農業マーケティング」の三講座となる。
 また、新学科の特色として「プロジェクト研究」が挙げられており、学生は三、四年次に
「大規模農業経営プロジェクト」「園芸作経営プロジェクト」など六つのプロジェクトの
いずれかに属し、卒業時は卒業論文に替わって「プロジェクト卒業研究」をまとめる。
 また、この日の協議会では〇六年四月からの独立行政法人化に向け、同大が教職員への
評価制度の導入や、評価結果の給与への反映、任期制の導入、兼職・兼業の規制緩和について
検討していることも示された。
2004/11/08  秋田商が11日にアキンド・ストリート・フェス(秋田)(よみうり)
 秋田市立秋田商業高校(熊谷均校長)が今年度、先進的な教育を行う専門高校を支援する
文部科学省の「目指せスペシャリスト」の指定校に県内で初めて選ばれた。同校は十一日、
JR秋田駅前の秋田拠点センター「アルヴェ」で、同省の助成金を活用し、生徒自身が企画運営を
行って商品を販売する「アキンド・ストリート・フェスティバル」を開催する。
 同省のスペシャリスト制度は、商業、工業高校など専門高校の活性化を目指そうと、昨年度から
始まった。指定校に選ばれると、研究開発に必要な実験機材や事業費などが支給される。
今年度の事業予算は1億3260万円で、全国の七十五校から応募が寄せられ、十校が選ばれた。
 同校は、総合学習の時間を利用した体験的ビジネス学習や、英語、簿記の資格取得などに
重点的に取り組む企画が評価された。指定期間は二〇〇六年度までの三年間。今年度は
720万円が助成される。
 同フェスは、同校を総合商社に見立て、全生徒七百二十五人が参加。「PR部」「開発部」
「事業部」など五部をつくり、会場確保から、商品企画、仕入れ、販売まで、すべて生徒の手で
行っている。
 当日は農作物など商品販売のほか、ステージ上で吹奏楽部の演奏や太鼓演奏などの
芸能発表を行う。目玉は、きりたんぽをスナック風に加工したオリジナル商品「菓子きりぽん」。
生産は製造業者に委託し、バターしょうゆ味とチョコレート味を販売する。同校の名前が入った
タオルや携帯電話のストラップなども販売する予定。売り上げ金は、生徒総会で使途を決める。
 また、同校の呼びかけで水沢商業(岩手県)、花北青雲(同)、米沢商業(山形県)、
高知商業(高知県)の県外の商業高校四校も出店する。
 生徒会の加藤泰明副会長(三年)は「フェスティバルの準備をしていると、様々な課題を
見つけることができる。経営者と同じ活動ができるので、貴重な体験になる」と話す。指導にあたる
山脇聡教諭は「事業を通じて、将来必要となる知識を生徒に身につけてもらいたい。
いろいろな壁にぶち当たるが、それを乗り越えて粘り強くなる生徒も多い」と同フェスを
運営する意義を強調している。
2004/11/05  能代市で県高文祭・全県写真講習会(秋田)(よみうり)
 第十二回県高校総合文化祭・全県写真講習会(高校文化連盟写真部会、読売新聞東京本社
秋田支局主催)が四日、能代市元町の能代商工会館で開かれた。県内十高校の写真部員と
顧問教諭など計約五十人が、二科会写真部会員で秋田読売写真クラブ(YPC)会長の
八柳吉彦さん(63)から撮影技術の講習を受けた。
 今回のテーマは「レンズ特性を生かした撮影技法」。八柳さんがチベットで撮影した写真を
題材に使い、使用頻度が高い広角レンズと望遠レンズについて説明した。
広角レンズは被写体に近づいて撮影すると遠近感を強調した仕上がりになることや、
望遠レンズは絞りの調節次第で背景の「ぼかし」を加減することができることなどを解説した。
 また、生徒が持参した作品をスクリーンに映し出して講評。「もう少し光と影のバランスを考えて」
「レンズの特徴を生かして撮影すれば表現が広がる」「一つの被写体を様々な角度から撮影して、
構図を勉強してみよう」などとアドバイス。生徒たちは熱心にメモを取っていた。
 撮影した画像を、すぐにテレビ画面で見ることができるデジタル一眼レフカメラを使った実習も
行った。
 県立能代高二年の佐藤真一君(17)は「普段、広角レンズしか使わないので、望遠レンズの
ぼかしに興味を持った」、県立能代北高二年の鈴木真里絵さん(16)は
「写真を始めてまだ二か月。普段は友達の笑顔をテーマに撮っている。技術を覚えて幅を
広げたい」、県立本荘高二年の畠山春菜さん(16)は「ふだんは友達とスナップ写真を
撮るだけなので、色々な表現に挑戦したい」と話していた。
 高文連写真部会長の石井徳聿(のりいち)・能代西高校長は「カメラ任せでもきれいに撮れる
時代だが、技術や知識がないと独特の表現ができない。感性が豊かな十代に、講習を通して
基礎をしっかり身につけることは意義がある」と感想を話した。
 参加校は以下の通り。
 大館桂▽鷹巣農林▽能代▽能代北▽能代西▽能代工▽秋田北▽本荘▽矢島▽角館
2004/10/29  県立十和田高で「松山バレエ団」が公演(秋田)(よみうり)
 日本を代表するバレエ団「松山バレエ団」が二十八日、鹿角市の県立十和田高校で公演し、
優雅な踊りで生徒や保護者など約六百五十人を楽しませた。
 児童生徒に舞台芸術に触れる機会を提供する文化庁の「本物の舞台芸術体験事業」の一環。
同バレエ団は一九四八年に創立され、国内外の公演を通じて、バレエ芸術の普及や振興に
努めている。
 公演ではまず、団員たちが横棒につかまってひざや足首を曲げる基礎練習を披露。
生徒や教諭が体を使った表現の仕方について学んだ後、「ロミオとジュリエット」
「眠れる森の美女」などを演じた。「くるみ割り人形」の一場面では同校吹奏楽部が演奏した。
バレエを見るのが初めてという下田祐也君(三年)は「洗練された踊りにひきこまれた。
バレエに対する情熱に感動した」と話していた。
2004/10/26  人気漫画「銀牙」の作者高橋よしひろさんが
                   山内中学校で特別授業(秋田)(よみうり)
 山内村立山内中で二十五日、東成瀬村出身の漫画家高橋よしひろ(本名・義広)さん(51)を
招いた特別講座が開かれ、全校生徒約百二十人が絵を書くコツを教わった。
 各分野で活躍する専門家を県内の小中学校に招き、講話を聞いたり技術指導を受けたりして、
学習や進路選択に生かしてもらおうと、県が今年度実施している「ようこそ先生!スペシャル
講座開催事業」の一環。
 高橋さんは東成瀬中岩井川分校を卒業後、トヨタ自動車に一年間勤務したが、小さいころからの
夢だった漫画家を目指し、本宮ひろ志さんに弟子入り。「悪たれ巨人(ジャイアンツ)」や犬を
主人公とした「銀牙―流れ星 銀―」などのヒット作を次々と生み出し、現在は「〜銀牙伝説〜
ウィード」を連載している。
 この日は、生徒たちが漫画やイラストを題材にスケッチに挑戦。高橋さんが見事な筆遣いで
お手本を示すと、生徒からは「すごい」と驚きの声が上がっていた。小学六年生の時から
高橋さんのファンという三年の小野寺亘君(14)は「始めに輪郭から書いていくことが
勉強になった。教えてもらって最高」と満面の笑みを浮かべていた。
2004/10/21  秋田大に学部横断的な「自殺予防研究プロジェクト」が
                               発足(秋田)(よみうり)
 秋田大(三浦亮学長)は、自殺に関する研究拠点として、学部横断的な「自殺予防研究
プロジェクト」を発足させた。自殺率が九年連続全国一位の本県で、自殺の原因を探り、
自殺防止につなげるのが狙い。
 プロジェクトは、学長裁量経費による重点研究項目を学内で募集したところ、それぞれ専門の
違う三人の研究者から自殺に関する四種類のプロジェクトの応募があった。このため、三浦学長が
「一種類の研究を選ぶより、複数の研究を一本化してチームを作った方がよい」と判断した。
 メンバーは、医学部、工学資源学部、教育文化学部の教授や助教授など十四人。公衆衛生や
精神医学、社会心理学、都市環境、救急医学、法医学などの立場から、横断的に自殺問題に
取り組む。
 今年度は、「地域における自殺予防」「心の悩みを抱える人への支援方法」「藤里町における
住民参加の自殺予防活動」などをテーマに、二十五日から毎月一回、セミナーを開催するほか、
十一月一日―十二月六日まで計六回の公開講座を行う。来年一月二十九日には、
自殺予防対策をテーマに秋田市内で市民公開シンポジウムを開く。このほか、自殺予防研究の
本の出版や、海外の先進的な自殺研究機関へのメンバーの派遣も予定している。
 プロジェクト総括責任者の本橋豊・医学部教授は「これまで研究者が個別に自殺研究に
取り組んでいたが、全学的な研究拠点をつくり、成果を外に向けて情報発信していきたい。
来年度以降も何ができるかを検討し、長期的なプロジェクトにつなげたい」と意気込んでいる。
 セミナーなどの問い合わせは本橋教授(TEL018・884・6086、電子メールmotohasi@
med.akita‐u.ac.jp)へ。
2004/10/15  視覚障害持つバイオリニスト川畠成道さんが
                      大館桂高で演奏会(秋田)(よみうり)
 大館市民文化会館で十五日にリサイタルを開く、視覚障害を持つバイオリニスト川畠成道さん
(32)が十四日、大館市の県立大館桂高校を訪れ、演奏会を開いた。同校が今年度から、
川畠さんを取り上げた英語教科書(東京書籍)を採用したのがきっかけで実現した。
集まった生徒や保護者など約六百人は、川畠さんが奏でる美しく澄んだ音色に酔いしれた。
 川畠さんは東京都出身。ロサンゼルスに滞在中の八歳のとき、風邪薬の副作用で視力を
ほとんど失った。十歳のときから父・正雄さん(59)と二人三脚でバイオリンを学び、
桐朋学園大学を卒業後、英国王立音楽院大学院へ留学。一九九八年三月に日本デビューを
果たした。
 演奏に先立ち、正雄さんが「息子を襲った視覚障害〜バイオリニストへ育てるまでの父親の苦闘」
と題して講演。模造紙に極太のマジックで音符を書き、川畠さんがへばりつくように見て弾いた
エピソードなどを紹介し、「発病からデビューまでの十八年は、長くて真っ暗なトンネルだったが、
人生の礎を造ってやりたいという気持ちだった。自分の感情や思いを伝えるバイオリニストとして
弾き続けてほしい」と話した。
 その後、川畠さんはピアニストの鷲宮美幸さんと登壇し、「ラ・カンパネラ」「アヴェ・マリア」など
計七曲を演奏。川畠さんは演奏の合間に「音楽は素晴らしいもの。音楽が心の支えになる日は
やってくる。何度か僕にもそういうときがやってきました」などと語りかけていた。
 川畠さんを取り上げた英語教科書は二年生が対象だが、同校では一、三年生の授業でも
扱ったという。三年の畠山未希さん(17)は「川畠さんとともに歩んできたたくさんの人たちの苦労や
喜びがわかった。川畠さんのように一つのことをやり遂げられるようになりたい」と話していた。
2004/10/04  大学講義体験、高校生に人気(秋田)(よみうり)
 大学・短大教員の講義を体験し、卒業後の進路決定に役立ててもらおうと、高校生を対象にした
県の「高大連携授業」が、秋田市の県生涯学習センター分館ジョイナス(秋田市)で行われている。
同市のほか北秋田郡や平鹿郡など遠方から参加する高校生もいて、予想を上回る計約三百十人が
受講している。高校生にとっては大学・短大の雰囲気の一端に触れることができ、大学・短大側は
受験生に対するPR効果も期待している。
 大学教員が高校に赴いて講義を行う「出前授業」はこれまでにも例があったが、高校生が
一か所の会場に集まり、好きな講義を選択できるのは今回が初めて。
 連携授業は九月四日から始まり、毎週水、金曜日の夜と、土曜日の昼に行われている。
事前に申し込みを済ませた高校生を対象に、県内の大学・短大八校が、十一月二十四日まで
五週間ずつ前期、後期に分かれて計十二科目を提供している。講義は一コマ九十分で、
水、金曜日が一コマ、土曜日が二コマ。一科目は週一回の割合で行われている。
 各大学・短大が提供している科目は「高校生のための心理学」(秋田大)、「システム科学技術
概論」(県立大システム科学技術学部)、「秋田から国際人を目指して」(国際教養大)、
「保育内容の指導法」(聖園学園短期大学)など。
 秋田公立美術工芸短大の「かたちづくる世界〜工芸美術の思考と表現〜」は、毎回講師が
変わるオムニバス形式で講義。九月二十五日は、工芸美術学科の平野庫太郎教授と
小牟礼(こむれ)尊人(たかひと)助教授が四十五分ずつ担当し、高校生十七人が聞き入った。
 ガラス工芸専門の小牟礼助教授は、自身がガラスを作る様子を収めたテレビ番組を見せながら、
ガラスの特徴などを説明した。また、ガラス作りをしようと思ったきっかけを披露し、「高校では何を
作ればいいかを教えてもらえるが、短大では『ガラスが好き』だけでなく、ガラスを使って何を
作りたいかを自分で考えなければならない」と、高校と大学・短大の違いも強調した。
 小牟礼助教授は講義後、「短大に興味があったら遊びに来てもらい、受験してもらえればと
思っている。短大のPRになれば」と、大学側の思惑を語った。
 十二科目中、六科目を受講している秋田工業高一年の女子生徒(15)は「学校の勉強とは
関係ないけれど、興味があって受講している。難しすぎて、わからない講義もあるけれど、
知らないことを知ることができ、すごいなと思うこともある」と、知的好奇心が満たされている様子だ。
 県学術国際政策課では「予想以上の数の高校生が集まり、ニーズがあったのだと驚いている。
高校生には、実際に入学する前に『大学とはこういう場なんだ』ということを感じてもらい、進路の
ミスマッチを防げれば」と期待している。
2004/09/27  大館自然の会がトンボと自然を学ぶ集いを開催(秋田)
                                   (よみうり)
大館自然の会(明石良蔵会長)が二十四日、同会が大館市民の森内に造成したトンボ公園で、
自然を学ぶ集いを開き、市立大館南小学校の四年生児童四十五人が参加した。
 同会は、里山の水辺の自然を復元して次世代に伝えていこうと、一九九五年からトンボ池十面と
長さ六十メートルの浅い清流を造成。今月には、新たに六面を完成させた。これまで三十四種類の
トンボの生息が確認されている。
 この日、児童たちはトンボやカエルなどを採取した後、「トンボはアキアカネが一番多かった」
などと発表。明石会長は「アキアカネは夏の初めに田んぼで生まれ、森吉山や田代岳など
高い山に飛んで、寒くなると帰ってくる」と説明した。
 また、完成したばかりの新しい池にトンボが住み着く方法について、児童たちは「植物をいっぱい
植えればいい」「トンボの止まり木があれば休める」などとアイデアを出し合った。
伊藤柊子(しゅうこ)さん(10)は「いろんな植物や生き物を見つけて、みんな支え合って
生きているんだと気付いた」と話していた。
2004/09/20  文部科学省の「学力向上支援事業」が児童から好評(秋田)
                                      (よみうり)
教員志望者や教員経験者など地域の人材を活用しながら、児童生徒にきめ細かい指導を行う
文部科学省の「学力向上支援事業」が今年度からスタートした。期間は来年度までの二年間で、
本県からは秋田市立明徳小学校、同市立保戸野小学校、西木村立西明寺小学校、
同西明寺中学校、角館町立角館中学校の五校が指定を受けた。“先生”たちの手厚い指導に、
児童生徒からは「わからないことがよくわかって、すごく楽しい」と好評だ。
 明徳小学校(佐々木信吉校長、児童数三百二十六人)では毎週水曜日の放課後、
三年生以上の希望者を対象にした校内塾「やるきじゅく」を開催。教諭のほか、教員を
志望している秋田大教育文化学部四年の学生たちが先生役を務め、個別学習を支援している。
児童たちは学年ごとに家庭科室、図書室、図工室、教室に分かれ、自分で選んだ計算ドリルや
漢字ドリル、教諭や学生たちが作ったプリントなどに取り組んでいる。
 八日に開かれた「やるきじゅく」には、児童五十六人が参加。教諭四人と学生十二人が
指導にあたった。
 このうち三人が参加した六年生の教室では、教諭一人と学生一人が一緒に体積を求める
算数のプリントを行った。児童が「さっぱりわからない」とつぶやくと、先生役の学生が
「何がわからないの」とすかさず反応する。児童が問題を解き終わり、丸つけをする時は、
「どうしてその式になったか説明して」「かけ算はどの順番でかけても同じだから、順番は
工夫しないと」などと声をかけていた。
 六年生の工藤浩平君(12)は「お母さんに勧められて参加している。家で勉強するのは
集中力が続かないけど、やるきじゅくだと集中できる。先生も丁寧に教えてくれる。
中途半端に覚えていた『単位』の仕組みがちゃんとわかった」と満足そうだった。
 校内塾を担当している斎藤真由美教務主任(42)は、学力向上については、まだ分析できる
段階ではないとしながらも、「外部の先生が教えるのは、子どもにとって新鮮なようだ。
一人ひとりが声をかけられたり、ほめられたりしながら、きめ細かい指導を受けられる。
毎回参加することを楽しみにしている子どももいる」と話す。
 県教育庁では「子どもにとっては個別学習に対応できてプラスになり、学生にとっては
教育実習以外にも様々な子どもに触れることができてプラスになる。相乗効果がある」と
支援事業に期待を寄せている。
2004/09/08  実習船「船川丸」が男鹿・船川港を出航(秋田)(よみうり)
 ハワイ沖などで七十日間の航海実習を行う県立男鹿海洋高(渡部紘一校長)の実習船
「船川丸」の出航式が七日、男鹿市の船川港で行われ、在校生や家族が船出を見送った。
実習に参加するのは、海洋科工学コースの二年生十六人と、機関専攻科の一年生五人の
計二十一人。同校の技術職員ら十九人の指導のもと、マグロのはえ縄漁や操船実習に取り組む。
 男鹿海洋高は今年四月、県立男鹿高と県立海洋技術高が統合して開校。船川丸には、
新たに男鹿海洋高の校章が付けられ、同校の実習船として初出航となった。出航式では、
渡部校長が「実習生は初陣の名誉を担う。海を通して自然の懐の深さと厳しさを学んでほしい」と
激励。実習生代表の藤井健さん(二年)が「一回り成長して帰ってきます。行ってきます」と
元気に応えた。
 見送りに来た家族らは、船川丸に乗り込んだ実習生とともに色とりどりのテープを握りしめ、
「元気でね」「行ってらっしゃい」などと別れを惜しんだ。
 船川丸は十日後にハワイ沖に到着。約四十日間かけてマグロ漁の実習を行った後、
ホノルルに入港し、地元の高校や県人会と交流を深める。その後、十一月十七日に
神奈川・三崎港に帰港し、実習生たちは陸路で本県に戻る予定。
2004/09/02  国際教養大で秋季入学式(秋田)(よみうり)
 国際教養大学の秋季入学式が一日、雄和町の同大講堂で行われ、二人の新入生を迎えた。
秋季入試は三人が受験し、二人が合格。これで同大の学生数は定員百人に対し計百三十六人に
なった。
 新たに入学したのは、県立秋田南高校出身の進藤学さん(18)と、神奈川県出身の下條永美子
さん(19)。進藤さんは高校三年だった昨年夏にイギリスに留学し、今年六月に帰国した。
入学式では「秋田を国際交流の発信地にするため、地元出身者としてやるべきことを
やって貢献したい」と意気込みを語った。
 下條さんは今春に同大を受験したがかなわず、法政大学にいったん入学。しかし、国際教養大を
あきらめきれずに英語の勉強を重ね、秋季入試で再び挑戦した。「将来は日本に限らないで
報道の仕事をしたい。少人数カリキュラムで、英語で幅広く学びたい」と抱負を語った。
 この日はアメリカ人とモンゴル人の留学生男女計十三人の入学も許可された。九月後半には
中国人九人も留学する予定で、計二十二人が半年―一年間、寮生活を送りながら、日本語などを
学ぶ。
2004/08/30  新入生確保に懸命、県内私立校(秋田)(よみうり)
 県内の私立高校が、少子化に加え、県教委が打ち出した公立高校の受験機会を増やす
入試制度改革に危機感を強めている。公立志向が強い本県だが、魅力ある学科への再編や
新コースの設置、受験回数の増加など、新入生の確保に懸命に知恵を絞っている。
 県教育庁高校教育課によると、二〇〇五年三月に中学校を卒業する生徒は一万千六百
二十四人で、十年前と比べ約五千人減少する。生徒数は今後も減少傾向にあり、一二年には
一万人を割る見通し。一方、県教委の入試制度改革は二〇〇五年度入試から、全日制と
定時制で「前期選抜」「一般選抜」「後期選抜」と三回まで受験できるようになる。
 秋田市の秋田経法大付属高校(池田好道校長)は「受験生が進んで私立高を選ぶような魅力が
ないと、これからの学校経営は成り立たない」として、〇五年度から普通科の文理、進学、就職、
体育の各コースを、「普通科エリア選択コース」に再編する。
 エリアは、▽国際コミュニケーション▽情報ビジネス▽福祉ライフ――など六つで計八十五の
選択科目を用意。基本的に二、三年時に一つのエリアを決め、その中から五科目を選んで
受講する。選択科目は専門性が高いため、現職教員のほか三十―五十人の専門家を
非常勤講師として採用する。下村一男副校長は「費用はかかるが、生徒の満足度を高めることが
生き残りには必要。それだけ私学は厳しい」と語る。
 また、公立高校の「後期選抜」(来年三月二十三日)の後に入試を行う学校もある。大曲市の
秋田修英高校(片桐昭吾理事長兼校長)は、これまで二回だった入試を三回に増やし、
三次試験は来年三月三十日を予定している。米沢薫教頭は「公立の後期選抜を失敗した生徒も
受け入れたい」と入学者数のアップを狙う。
 秋田市の秋田和洋女子高校(小島初男校長)も入試を一回増やし、計四回実施する。
やはり時期は三月下旬の予定で、小島校長は「とにかく受け皿を多くしたい」と必死だ。また、
同校は普通科に「特別進学コース」を新設し、大学進学にも力を入れる。
 高校、大学受験の秋田予備校(秋田市中通)では「少子化で経営難となる私立高も出てくる。
秋田の公立志向は揺るがないため、私立高同士の生徒の奪い合いが進むだろう。私立高が
生徒を集める努力をするのは当然だが、学科再編やコース新設などは『看板』の掛け替えだけに
なりかねず、中身や実績が伴わなければ人気や魅力につながらない」と指摘している。
2004/08/24  外国語指導助手らに説明会(秋田)(よみうり)
 県内の中学校、高校で英語を教える外国語指導助手(ALT)や、市町村の国際交流活動を
担う国際交流員(CIR)らの説明会が二十三日、秋田市の県庁第二庁舎で始まった。
 参加したのは、国のJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)の現地選抜試験に
合格した十二か国の女性四十人を含む九十八人。今月から各市町村に配属されるのを前に
二十四日まで、本県での生活や学校などでの勤務に必要な知識や情報を学ぶ。
 この日の開会式では、河村俊信・県学術国際局長が「異なる国の文化を理解することは、
同時に自国の理解を深める。秋田の人と積極的に交流し、自国の文化や生活習慣を
紹介してもらいたい」とあいさつ。参加者は日本語学習について講義を受けた後、すでに県内で
勤務しているALTらから、母国と秋田での生活、文化の違いなどの説明を受けた。
 大館市に赴任するスコットランド出身のアンジェラ・ミッチェルさん(22)は「日本の伝統的な
文化に興味がある。秋田は緑が多く、『本当の日本』という感じがするから好き」と話していた。
2004/08/23  不登校生が自宅で学習「スペース・イオ特区」(秋田)(よみうり)
 県教育庁の「スペース・イオ学習特区」が国の構造改革特区に認定され、在宅でIT(情報技術)
などを使った不登校生学習支援事業が今年度から、秋田市の県立秋田東高校(神居隆校長)で
試行されている。来年四月からは、同市中通の旧保健所跡地に建設中の県教育・福祉複合施設
内に設置される「スペース・イオ」を拠点にして専属の職員を配置し、本格的に事業を実施する。
 支援事業は、小中学生が在宅でインターネットやファクスを活用して義務教育課程を学ぶことが
でき、学習した分が学習指導要録上の出席扱いになる。従来は、学校以外の適応指導教室や
フリースクールなどで学んだ分は出席として認められていたが、在宅では認められていなかった。
 今年度は拠点スペースがないため、県内唯一の通信制課程を持つ秋田東高校で不登校の
中学生に対する学習指導を始めた。
 同校で現在教えているのは、由利郡内の中学三年の女子生徒。この生徒は中学に入ってから
不登校となったが、今年六月に母親と同校を訪れ、通信制で学習することを決めた。支援事業の
カリキュラムは、生徒にあわせた手作り。女子生徒はひとまず、中学一年の英語と数学から
始めることにした。
 同校は生徒の籍がある中学校から教科書や問題集を取り寄せ、問題をコピーして生徒に郵送。
回答を送り返してもらい、添削している。生徒は話すことが苦手なため、電話は使わず、
郵送によるやりとりのみ。通信制の武藤憲一教頭は「評価せず、点数もつけず、
わからないところをわかるようにするのが事業の目的」と、ペースや方法は生徒に任せている。
 このほか同校には、小学六年のときから不登校だった由利郡内の中学三年の男子生徒が五月、
「勉強を教えてほしい」と親とともに相談に訪問。カリキュラムを作ろうと、男子生徒と
面談しているうち、六月に自分の籍がある中学校に通えるようになった。
 指導を担当する定時制(単位制)の工藤正孝教頭は「男子生徒にたまに遊びに顔を出せと
連絡すると、学校が忙しいからと断られる。残念だけどうれしい」と笑う。「男子生徒が中学校に
戻れたのは、中学校と違う視点で東高で話ができた成果だろう。最終的に学校に戻れるのが
よいと思うが、勉強したいと思う子どもに少しでも機会を保障し、やる気を後押しできれば」と
話している。
2004/08/19  秋田・地蔵田遺跡で土器作りなどに挑戦(秋田)(よみうり)
 全国で初めて市民の手により史跡内で竪穴式住居の復元作業が進められている秋田市
御所野地蔵田の「地蔵田遺跡」で十八日、弥生時代の生活を体験しようと市民講座が開かれた。
 同市教委の主催。講座は七月下旬から七回開く予定で、今回で三回目となった。夏休み中の
親子など二十八人が参加し、土器のミニチュア作りと竪穴式住居の建材となる丸太材の加工に
挑戦した。
 参加者は、遺跡復元のボランティア「弥生っこ会」の指導を受けながら粘土をこね、
思い思いの形に整えた土器に、結ったたこ糸やへらなどで模様を付けていった。
最後に講座参加の記念として、竪穴式住居に使う丸太材に彫刻刀で自分の名前を刻みこんだ。
同市立寺内小五年の坂本彩音さん(10)は「初めて土器を作ったけど、うまくできた。
昔の人の生活は大変そう」と満足そうだった。
 講座は十月まで行われ、九月は四、十八日に開かれる。定員は両日とも十人。
問い合わせは同市教委文化振興室(TEL018・866・2246)へ。
2004/08/18  不審者侵入に備え、八郎潟小で教職員が訓練(秋田)(よみうり)
八郎潟町立八郎潟小学校で十七日、不審者侵入の対応訓練が行われた。教職員二十人が
「刺また」や教室内のいすなどを使って、不審者を取り押さえる“技”を学び、万が一に備えた。
 同校は、昨年七月に不審者対応マニュアルを作成。同九月には児童を含めた避難訓練を
実施したが、教職員から不審者への対処方法がわからないという声が出ていたことから、
訓練を行った。
 参加者は、講師の五城目署員三人から刺またの使い方などを習った後、実戦訓練。
不審者にふんした同署員が模造ナイフを持って教室に侵入し、「子供に会わせろ」とすごむと、
女性教諭が長い棒を持って立ちはだかり、駆けつけた男性教諭が刺またやいすなどを使って
不審者を取り押さえた。江畑千鶴子教頭は「今回の訓練は勉強になったが、いざという時どうなるか
わからない。不審者の侵入を予防するのが一番の対策」と話していた。
2004/08/11  大館で夏休み子ども将棋大会(秋田)(よみうり)
 大館市の鳥潟会館で十日、夏休み子ども将棋大会が開かれ、市内の小中学生二十人が
腕を競い合った。同会館は京都帝国大学名誉教授で、日本外科学会会長も務めた
故鳥潟隆三博士の生家として知られ、大会は一九九〇年、会館利活用事業の
一環として始まった。
 小学校低学年、同高学年、中学生の部に分かれ、総当たり戦で対局。低学年では
わずか三分ほどで勝負がつく場面もあったが、「相手の駒をちゃんと見て」
「急げば負けるよ」などと大人からアドバイスを受け、次の一手を考えていた。
唯一の“女流棋士”として参加した市立花岡小三年の辻紋加さん(9)は
「王手をかけて追いつめるところが楽しい。もっと強くなりたい」と話していた。
2004/08/06  来年度の公立高校募集人員、初の1万人割れ(秋田)(よみうり)
 県教育委員会は五日、来年度の公立高校の募集人員と入学者選抜要項を発表した。募集人員は、
全日制が今年度比四百七十五人減の九千九百二十人で、十七年連続で減少し、初めて一万人を割り込んだ。
定時制は同八十人減の四百人、通信制は今年度と同規模の約三百人となった。来年度の入試制度改革に伴い、
周知徹底のため、例年より約二か月早い発表となった。
 入試制度の変更点は、▽普通科、理数科の通学区を廃止し、全県一学区とする▽受験機会の複数化を
図るため、全日制と定時制で、前期選抜、一般選抜、後期選抜の三つを併用する――の二点。
 前期選抜は、湯沢稲川分校、能代工業(定時制)、湯沢北(同)の三校以外の六十校で面接などを行う。
志願倍率が三倍を超えた場合、書類審査による一次選抜を行う学校もある。
 一般選抜は、すべての高校で実施され、学力検査と面接を行う。後期選抜は、全日制五十六校のうち
四十四校で、定時制七校すべてで面接などを行う。
 来年度は、大館商業を母体とした中高一貫校の大館国際情報学院が誕生するほか、秋田東、
秋田中央定時制、秋田工業定時制を統合した秋田明徳館が開校する。これに伴い、大館商業、秋田東、
秋田中央定時制、秋田工業定時制で募集が停止する。鷹巣生活科学科、米内沢電子機械科も募集停止となる。
大曲工業の土木科と建築科は、土木・建築科に統合。このほか、十校で一学級減となる。
 能代西、大曲農業太田分校、湯沢稲川分校では学級減はないが、一学級の定員は五人減の三十五人となる。
今年度から一学級三十五人を定員にしている小坂、雄勝は、来年度入学者が八十人に満たない場合、
二〇〇六年度から各一学級減の二学級になる。中高一貫校の秋田市立御所野学院は募集しない。
 出願期間、試験日程は以下の通り。
 【全日制、定時制】◇前期選抜 出願期間は一月十八―二十日正午。試験日は二月四日、
合格者発表は十日午後四時◇一般選抜 出願期間は二月十五―十七日正午。志望先変更期間は
十八―二十二日。試験日は三月八日、合格者発表は十五日午後◇後期選抜 出願期間は
三月十六―十八日正午。試験日は二十三日、合格者発表は二十五日午後四時。
 【通信制】◇出願期間は三月一―三十一日正午。面接日は三月十六日か四月四日。
合格者発表は三月十八日と四月六日。
2004/08/05  県教委が教育分野もコスト削減、素案に広がる波紋(秋田)(よみうり)
 国と地方が財政危機に直面するなか、コスト削減を前面に打ち出した県教委の教育改革案「あきた教育
新時代創成プログラム」の素案が関係者に波紋を広げている。素案は「教育の質を落とさずに学校運営の
効率化を図る」ことをうたっているが、文部科学省では「財政難を理由にした教育改革は聞いたことがない」と
指摘する。これまで聖域だった教育現場への“リストラ策”は、将来の教育のあり方に大きな影響を与えそうだ。
(山田 睦子)
 素案は、▽学校の統廃合や退職者の補充抑制などにより、教職員数を二〇一三年度までに段階的に15%
(千七百七人)縮減▽地域内の複数の学校事務をセンター化して一本化▽道州制を見据え北東北三県など
広域連携のもと、海洋高校の大型実習船など教育資源を共有――などの案が盛り込まれた。
県教委は各学校長や市町村教委と意見交換したうえで、十二月には最終案を決定する方針。
 プログラム策定の背景となっているのは、国と地方の税財政を見直す三位一体改革だ。改革初年度となった
県の今年度予算は、国からの地方交付税が前年度比9・3%減の2002億円に削減された。県の試算によると、
〇六年度までに交付税が三割削減された場合、〇五年度末で基金が底をつき財源不足に陥る。
 同時に政府は、自治体側に補助金削減案の取りまとめを求めている。七月十五日の全国知事会議では、
義務教育費国庫負担金を削減対象にするかどうかで紛糾したが、寺田知事は同二十六日の定例会見で
「削減する補助金には義務教育負担も含まれる」と述べ、一般財源化を認める立場を示している。
 県が四月に設置した民間有識者による財政構造改革検討委員会では、「警察や教育など、これまで聖域だった
分野も検討すべき」との声が相次いでいる。七月二十三日に行われた改革検討委では、素案をめぐって
「経営やサービスが悪い学校に良い教育者は育たない。サービスを向上し、コストを削減することで教育者が育つ」
「学校再編は財政構造改革上、避けられない」「学校再編や事務の一本化などは早急に着手できる内容」などと、
好意的な意見が多くを占めた。
 だが、台所事情が苦しいのはどこの自治体も同じだ。一九九四年度以降、赤字決算が続く大阪府は、
来年度に採用する教員を全国最多の二千人募集している。府教委事務局教職員室では「学校現場では
授業だけでなく生徒指導など様々な仕事があり、即合理化はできない。教育の主体は子どもで、大前提として
教育の質の確保がある。知事部局で職員を削減するように、教職員を削減することはできない」と説明する。
 県高教組が七月二日、秋田市で開いた勉強会では、出席した教育関係者から「教育に金をかけないのが
本当にいいことなのか」「プログラムには、子どもが教育を受ける権利をどう守るかという視点がない」などと批判が
相次いだ。
 これに対し、県教育庁の小野寺清教育長は「財政が立ちゆかなくなるのを座して待つわけにはいかない。
お金がなくなってから一律に教員の給料を削減するのではなく、教育の質を落とさず学校現場に被害を与えない
ように効率化を図りたい」と意義を強調している。
 一橋大の中田康彦助教授(教育行政学)は「財政規模の圧縮を図らざるを得ない状況や、人件費が突出する
教育財政の中で人件費を圧縮したいという狙いはわかる。しかし、『教育は人なり』という前提に立つならば、
財政面での効率化のみを追求すべきでない。プログラムを推進することで、教育を受ける権利の保障を維持できる
とは思えない」と指摘している。
2004/08/02  大潟村で教職員が農業学習研修(秋田)(よみうり)
「コメ六十キロを生産するには、どれくらいの田んぼが必要ですか」「ご飯一杯分のコメが作れる田んぼで、
おたまじゃくしは何匹育ちますか」「国民全員がご飯を一口多く食べれば、自給率は1%上がります」。
 大潟村の県農業研修センターで二十七、二十八の両日、県内の小中学校の教職員を対象にした
農業学習研修会が開かれた。同センターの工藤英明技師は、出席した七人に、
農業を分かりやすく教えるための“コツ”を伝授した。
 工藤技師は約二時間の講義の中で、農業と環境のかかわりや食糧自給率などを数字を使って解説。
「生活に身近な題材を与えることで、農業学習に創造性が生まれくる。命の大切さ、生きる大切さを絡めながら
授業をしてほしい」と訴えた。その後、参加者は同センターの生態系公園で園芸作業に取り組み、
花壇の土づくりや花の植え方などを教わった。
 二日目は、もみを貯蔵・乾燥させるカントリーエレベーターを見学したり、豆腐づくり体験や枝豆の
収穫作業などを通して農業の現場を学んだ。研修に参加した藤里町立米田小学校の萩原順子教諭は、
「これまで農業を学ぶ時間があまりなかった。ここで学んだ知識や体験を、総合的な学習にどう生かしていけるかを
考えたい」と語る。
 教職員向けの農業学習研修は、県の「子どもたちの心を育む農村体験推進プラン」の一環で、
今年で二回目。県農山村振興課の小野一彦副主幹は「子どもに対して、大人は体験の機会を
保障するのが責務。学校現場で農業学習を推進するためにも、先生自らが農業を学んでほしい」と話している。
2004/07/09  県立校が来年度から14学級削減、過去最大規模(秋田)(よみうり)
県教委は八日、生徒数の減少に伴い、二〇〇五度の入学者から適用する県立高校の学級削減計画を決定した。
今回は十六校で計十四学級分(五百五十人)が削減対象となり、〇一年度の十三学級を上回る過去最大規模と
なる。学級削減の結果、本県で初めて一学年二学級が、米内沢(森吉町)と二ツ井(二ツ井町)の二校に
誕生することになった。学級定員の削減数と合わせた募集人員の総削減数は、五百七十五人となった。
 県教育庁高校教育課によると、〇五年三月の中学校卒業予定者数は前年比五百四十人減の
一万一千六百二十四人。ここ数年では、〇一年三月の九百八十二人減に次ぐ大規模減となる。
 一学年二学級となる米内沢と二ツ井は、〇三、〇四年度と二年連続で、それぞれ入学者が八十人を割った。
定員割れが続く小坂(小坂町)、雄勝(雄勝町)は今年度、一学級四十人の定員を三十五人に減らして三学級を
維持しているが、〇五年度の入学者数が八十人を超えない場合、〇六年度から二学級に削減する。
 〇四年度の入学者が八十人を割った能代西(能代市)は〇五年度、一学級四十人の定員を三十五人に
減らして三学級を募集する。大曲農業太田分校(太田町)と湯沢高校稲川分校(稲川町)も、四十人から
三十五人学級に変更して募集。三十五人学級による定員削減数は、能代西と合わせて計二十五人となる。
 同課では「学級減は限界にきていると認識しており、学校の統廃合もやむを得ないと考えている」としている。
 一方、大館商(大館市)は国際情報科を一学級減らすが、中高一貫校の国際情報学院(同)として新たに
普通科二学級を設置するため実質的には一学級増。秋田東(秋田市)の定時制は普通科三学級減とするが、
定時制の秋田明徳館(同)として普通科四学級を設置するため、実質的に一学級増となる。
 削減対象校は以下の通り。
 ▽十和田(普通科一学級減)▽大館桂(同)▽大館(同)▽鷹巣(一学級の生活科学科を募集停止)
▽米内沢(一学級の電子機械科を募集停止)▽二ツ井(普通科一学級減)▽能代(同)▽秋田中央(同)
▽秋田中央・定時制(一学級の普通科を募集停止)▽秋田工業・定時制(各一学級の電気科、機械科を
募集停止)▽仁賀保(普通科一学級減)▽大曲農業(農業科学科一学級減)▽大曲工業(各一学級の土木科、
建築科を募集停止。土木・建築科として一学級募集)▽雄物川(普通科一学級減)▽羽後(同)
▽大館商(国際情報科一学級減)▽秋田東・定時制(普通科三学級減)
2004/07/05  県立図書館がオンライン貸し出しサービス開始(青森)(よみうり)
県立図書館は今月から、携帯電話やパソコンで本の貸し出しと予約をし、最寄りの市町村図書館で本を
受け取れるオンライン貸し出しサービスを始めた。東北の県立図書館では初めてで、全国の都道府県立図書館で
も7例目。直接来館できない人でも簡単に利用できるようになり、より多くの県民が読書に親しめる効果が
期待される。
 オンライン貸し出しサービスは、県立図書館のホームページで約40万冊の蔵書から本を検索し、貸し出しを
申し込む。本が貸し出しできる状態にあれば、貸し出し準備が整ったことが電子メールで通知され、
2、3日後に宅配便で最寄りの市町村立図書館や公民館図書室に届く。
 本は県立図書館がある青森市以外の市町村の公立図書館、公民館図書室などの貸し出し協力館で受け取り・
返却することができる。県立図書館はこれまでも市町村図書館との相互貸借を行ってきたが、インターネットを
通じていつでも県立図書館に直接申し込みできるようになり、さらに利便性が高まった。
 利用するには、同図書館の利用者登録をして利用者カードを受け取り、仮パスワードの交付を
受ける必要がある。
 県立図書館では「近郊に限らず、より多くの県民に蔵書を利用してもらいたい」と話している。詳しくは、
同図書館のホームページ(http://www.plib.net.pref.aomori.jp/)へ。