伝統の「檜山納豆」づくり


「檜山納豆」づくりは田植え 大豆の種まきから


大豆の調査
 
   創立142年,徳をみがいて充実させる


 本校の校名は,秋田藩第九代藩主・佐竹義和(よしまさ)が秋田市の藩校「明徳館」の支校として設置した「崇徳館」に由来し,「崇徳」の出典は「論語」と考えられる。「自分の徳をみがいて充実させる」という意味の「崇徳」は,伝統的に本校の学校経営の基盤となっている。
 民謡『秋田音頭』の歌い出しに「秋田名物八森ハタハタ 男鹿で男鹿ブリコ 能代春慶 檜山納豆 大館曲わっぱ」とあるように,檜山納豆はが地域の特産物であり,さらに檜山茶も「日本北限のお茶」として栽培されている。
 

田植え 集合写真


大豆の収穫 採り方を地域の名人から伝授


納豆(大豆)を入れる「わらづと」をつくる


炊けた大豆に納豆菌をふりかける・・・
 歴史ある檜山地区の人々は地域に誇りを持っており,学校や教育にとても協力的であるのは,その表れでもある。現在,全校児童数が19名と小規模校にはなったが,先輩方が代々,受け継いできた地域との連携事業は,今も確実に引き継がれている。
 本校の教育課程の中で地域と関連させている活動は,クラブと生活科・総合的な学習の時間を活用して行われている。
 クラブ活動では伝統芸能「檜山舞」を継承するため,定期的に保存会の方々の協力を得て,踊りやお囃子の練習を行い,その成果を学習発表会で披露する。これは,子どもたちの自己有用感の醸成にも役立っている。校地内にはメダカ池があり,各教室ではそのメダカを飼育して,生命の大切さを肌で感じさせようとしている。また,メダカ池の整備を保護者のボランティア活動として行っている。
 生活科・総合的な学習の時間のテーマは,「めざせ,ひ山のジュニアリーダー」である。取り組む視点は自然,郷土,生命,人間などで,展開にあたって以下の配慮をしている。
@課題解決的な活動が発展的に繰り返されていくような働きかけをする。
A手,足,頭,心を使い問題解決にあたる。
B人々と交流することにより,コミュニケーション能力が育つようにする。
C関心・意欲・態度,課題設定能力,問題解 決能力,表現力の4観点について,学年ごとの目指す姿に向かって評価・支援を行う。
 
 具体的な学習活動としては,納豆工場見学,製茶作業見学,産業・歴史の調査などがある。
 これらの活動を,能代市で行われる発表会「小学生ふるさと学習交流会」で,地域との交流活動として紹介し,地域のよさを発信している。能代市では,宇宙に関する取り組みも行っていて,秋田大学と連携した「モデルロケット打ち上げ体験」を通して,能代市を全国に発信する活動にも参加している。

「わらずと」に大豆を押し込んで完成


よく見かける「檜山納豆」


「納豆まつり」で長さ7m10cmの納豆巻きづくりに挑戦  
      連携で多様な活動を展開

 「秋田の教育の目指す姿」は,「ふるさとを愛し,社会を支える自覚と高い志にあふれる人づくり」である。その一環として,「地域に根ざしたキャリア教育の推進」を掲げ,本校でもキャリア教育の中に,先に述べたような多様な体験活動を数多く位置づけている。
 檜山納豆は, 500年以上前に,武士が家計を助けるためにつくったのが始まりとされている。納豆づくりの順序は,「田植え→大豆の種まき→稲刈り→大豆の収穫→わらで納豆のつとづくり→納豆の仕込み→試食」で,材料となる米と大豆は地域の会社と連携し,多くの社員の方々の協力によって支えられている。
 納豆づくりも,檜山納豆の製造所と連携している。大豆を炊き,わらづとに詰め,納豆菌を繁殖させて納豆をつくっていく作業は,先人の知恵と伝統的な納豆づくりを知る貴重な体験となっている。毎年,7月10日(納豆の日)の前後に行われる「納豆まつり」では,芸能発表や納豆巻き体験などに参加し,地域の一員としての役割を果たしている。
 日本北限のお茶「檜山茶」体験


地域の生産者から 茶摘みの仕方を教わる


まずは 製茶の作業調査からスタート


茶もみは 大事な作業の一つ


お茶の試飲で 思わず「おいしーい!」


男の子たちも 茶道教室で武家茶道を習う
 檜山茶は,「日本北限の茶」として知られているが,江戸時代に京都からお茶の実を持ってきたのが始まりだといわれている。最も盛んだった頃は, 200件以上の家で栽培されていたそうだ。この檜山茶体験は,「調査→茶つみ→茶もみ→茶道教室」という順序で行う。茶つみ・茶もみ活動も,地区の生産者と連携して行われている。これもまた,お茶づくりの苦労と檜山茶の価値を知ることができる貴重な体験となっている。茶道教室でも武家茶道を習い,城があった地区ならではの茶道を体験する。
シイタケ栽培


シイタケ植菌活動で ホダ木に穴をあける


生産者に教わりながら ホダ木に種コマを打ってみる 
     大事なコミュニケーションの場

 そのほか,森林体験活動ではシイタケ植菌活動,植樹,木工体験,自然とのふれあい活動などを展開している。シイタケ植菌活動は,ホダ木への穴あけ,コマ打ちを森林組合との連携で行う。収穫されたシイタケは,収穫感謝祭などの機会に,地域の方々にもふるまっている。
森林体験活動


森の中で枝打ち 枝払いを体験


しだれ桜など みんなで植樹する
 
 植樹は学校の裏山に,しだれ桜などを植樹し,子どもたちが大きくなった頃に,その花を見てふるさとへの思いをはせる活動である。間伐材を使って創立 140周年記念プランターづくり,森林での枝打ち体験,自分の木を手入れなどを行う「里山ふれあいデー」を通して,自然を満喫しながらふるさとのよさの再確認することができる。
 さらには,学校見守り隊との交流,祖父母や地域に方を招待する収穫感謝祭の会などを行っている。また,地域との交流では敬老会での学芸発表,子ども冬まつり参加……。
 これらの活動も,子どもたちにとっては,地域住民とのコミュニケーションの場であり,学校での教育活動を発信する場であるとともに,自己有用感を高める場ともなっている。
地域との多様な連携活動


みんなで合唱を披露した


メダカ池で採取したメダカを 教室で育てる


大学生のお兄さん お姉さんと 交流活動も


檜山舞を継承するため 踊りを猛練習


マンツーマンで 笛の特訓を受ける


創立140周年記念のプランターを みんなで製作した


ふるさと交流会で地域を発信する


多宝院学習で地域歴史を調べる
     学校はいつでも「地域の元気の源」

 檜山地区にある檜山城跡の発掘が,今年,2016年から11年間かけて行われることになった。檜山城跡は,上杉謙信の春日山城に匹敵する面積を有しているが,檜山城の全体像が明らかになる頃には,現在の小中学生が地域を支える中心になっていることを願う。
 地域方々の,学校に対する並々ならぬ思いや期待があるため,学校はいつでも「元気の源」とならなければならないと考えている。今後も地域から応援される学校を目指すため,「ふるさとで学び,ふるさとを学び,ふるさとのために学ぶ」を,学校の経営の中心に据えた教育活動を展開している。
 「地域と共に!」を合い言葉に