過去に行ったコンサート(’02)

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日時 公演 プログラム 備考
2002年
1/11
(金)
19:00
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
NHK交響楽団
〔Vn.ドミートリ・シトコヴェツキ〕
【第1451回定期公演】
ガランタ舞曲(コダーイ),ヴァイオリン協奏曲第1番(バルトーク),交響曲第5番(プロコフィエフ)
 暴走!今日はプロ5に尽きる。ヤルヴィの測り知れない演出に、悪ノリする奏者達。切れそうな弦の摩擦音に、管の絶叫。特に打楽器軍は、日頃の恨みを晴らすかのように楽器をこれでもかと殴りつける。当のヤルヴィは、それでもまだまだ足りないというが如く奏者を挑発する。また、時に跳ね回ったりする指揮は曲全体の疾走感を維持する役目も果たしていると思う。その双方の鬩ぎ合いから繰り出される音は、泣く子も黙る大熱演!NHKホールの音響の悪さなどものともしない爆音で、ズギャーン、バコーン、ズドドドド、バッッチャーーンとな。しかし、これこそプロ5の醍醐味ではないか!息もつかせぬ演奏というのは過去に何度か経験があるが、それに加えて笑いもこらえなければいけないというのは初だろう。とにもかくにも、このブラヴォーな演奏会が今後話題になることは想像に難くなく、N響初共演のヤルヴィは華々しいデビューを飾ったといえるんじゃなかろうか。
1/14
(月)
15:00
大野和士指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
〔語り.平良とみ〕
【2002年成人の日コンサート】
合奏協奏曲「四季」〜春、夏(ヴィヴァルディ),組曲「動物の謝肉祭」〜白鳥(サン=サーンス),音楽物語「ロメオとジュリエット」《バレエ音楽『ロメオとジュリエット』より》(プロコフィエフ)
 成人の日のコンサートだけあって、会場には着物姿の若い女性がちらほら。全体的にも若者率が高く、いつもとはどことなく雰囲気が違う。でもここの新成人達は礼儀正しかったからよかった。まずは二村英仁がVn&指揮を務める「四季」。このぐらいの編成(7〜8人)の曲は初めて聴いたけど、弦の音がすごく伸びやかに聞こえてよかった。お次は酒井はながバレリーナを勤める「白鳥」。今日のサントリーホールはステージの後ろ半分が高台になっていてそこが踊るスペースになっている。会場を真っ暗にして白鳥(酒井はな)だけにスポットライトを当てる演出がよかった。
 後半はロミジュリ。個人的に大ファンの「おばあ」こと平良とみが乳母役として登場。曲の合間に独特の訛りで切々と語りながら物語は進んでいく(けっこう熱演!)。こちらではロシアのバレエ団の人がロメオとジュリエットを務めた。2人とも無名だったが、酒井はなよりもこっちの方がずっと上手いと思った。あっさり仕上げの大野ロミジュリと、沖縄訛りの乳母、ロシア人バレエ、この3つの融合が会場全体をとても不思議な空間にしていた。でも今日の主役は断然おばあ。存在感が圧倒的。アンコールには「3つのオレンジへの恋」より行進曲が演奏された。おばあは終わってからも大はしゃぎだった。よかったよかった。
2/15
(金)19:00
シャルル・デュトワ指揮
NHK交響楽団
〔Vn.諏訪内晶子〕
【第1455回定期公演】
弦楽のためのレクイエム《1957》(武満徹),ヴァイオリン協奏曲第2番(プロコフィエフ),幻想交響曲(ベルリオーズ)
 約1年前から楽しみにしていたコンサートがついに当日を迎えた。今日は、自分的にもなぜかすごく音楽を聴くテンションに体が整っていて、のっけの武満からとても集中して聴くことが出来た。武満の作品は難しくて、余り大した感想はいえないけど、一緒に行ったユキもすごく集中して聴けた、と言っていたので、多分とてもいい演奏だったんだろう。さて、そしてプロコのVn協2である。この曲はすごく好きな曲で、それをすごく好きなデュトワとすごく好きな諏訪内晶子で聴けるというのはまさに至福である。諏訪内はピンクに大きな花模様のスラッとしたドレスで登場。、この人としては異例とも言える派手ないでだちで、ちょっとびっくり。演奏も、期待に違わない素晴らしいもので、特に2楽章には酔いしれた(朝のまどろみって感じの気持ちよさ)。2人とも正確さを重視するところとかが似ていて、デュトワと諏訪内は、結構相性がいいんじゃないかと思った。でもこれは決して譜面をなぞっただけのつまらない演奏をするということではない。正確なだけに、その上につけられた表情は通常の何倍ものインパクトをもつ。結果、とても表情豊かで、なおかつ洗練された秀逸な演奏が生まれるのだ。
 第1部を満喫した後は、これまたデュトワの十八番の幻想交響曲。こちらもデュトワの手腕が光った。楽章ごとに全く色を変える曲作りは、分裂症じみた作曲家の性格をよく現している。実はこの曲は生で初めて聴いた訳だけど、想像以上のスケールだった。派手なラストはやはり興奮。してやられたり。今日また感じたが、デュトワの感覚にN響が今一歩ついていけてない。まあでも日本の他のオケよりは数倍ましだけど。ちょっともったいないかな、と。でも、演奏会的には充分過ぎるほど満足させてもらった。近々トップ10の更新もしなきゃな。実は今日は北條も来る予定だったが諸事情で来られず。こんないい演奏会、もったいない!
5/31
(金)
19:00
アラン・ギルバート指揮
NHK交響楽団
〔Pf.パウル・バドゥラ・スコダ〕
【第1462回定期公演】
ストリンドベリ組曲《1993/94・日本初演》(ベルツ),ピアノ協奏曲第24番(モーツァルト),交響曲第2番「4つの気質」(ニルセン)
 これも、定期会員でなければ、自分からは行くことのないコンサートの一つだろう。あまり深い印象は受けなかったが、4種類の血液型のそれぞれの性質を音楽にしたという「4つの気質」は、まあまあ面白い曲だった記憶がある。
6/28
(金)
19:00
ハインツ・ワルベルク指揮
NHK交響楽団
【第1465回定期公演】
交響曲第1番,交響曲第3番「英雄」(ベートーヴェン)
 生きていれば朝比奈さんが振る予定だった演奏会。プログラムに先立って、G線上のアリアが奏された。代役指揮者のワルベルクも、代役としては贅沢なドイツの巨匠。その演奏が期待されたが、裏切らない素晴らしい演奏を聴かせてくれた。特に「英雄」は、実は初めて生で聴いた上に、まともに聴いたのも初めてだったのだが、ベートーヴェンは、運命や第9の前にこんな難しい曲を書いていたのかと思った。今日のN響はいつもよりどことなく真剣。荒削りだが、情熱的。当時のベートーヴェンの精神状態さえもうかがえる,いい演奏だった。朝比奈さん、ご冥福をお祈りいたします。
7/12
(金)
19:00
村上寿昭指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
〔Pf.寺島文雄〕
【第24回NECスーパータワーコンサート】
「キャンディード」序曲(バーンスタイン),パリのアメリカ人(ガーシュウィン),弦楽のためのアダージョ(バーバー),オリジナル曲,サマー・タイム,ラプソディー・イン・ブルー(ガーシュウィン)
 約2週間後にひかえたユキのすみだトリフォニーホールデビューの下見も兼ねて、ユキの招待券でただ見。チケット引き換えのためわざわざ2時間前に行ってゲットしたチケットは、なんと最前列だった・・・。もう少し考えろよ、主催者!でも、演奏を聴いて、逆にこれがよかったかも,とも思った。これだけ前だと、聞こえてくる音はまさに指揮者が聞くそれとほぼ同じと思われ,生々しいことこの上ない。コンマスとチェロトップの見えないせめぎあいも感じることができた。ピアニストは、名前こそ知らなかったものの、見たらテレビで何度か見たことのあるジャズ・ピアニストで、こちらも予想よりよかった。やっぱり、ラプソディー・イン・ブルーはジャズ・ピアニストじゃなきゃだめだな。
7/28
(日)
13:30
戸塚尚宏指揮
フィルハーモニア・エテルナ
【第7回定期演奏会】
「ヘリオス」序曲(ニルセン),交響曲第4番(V・ウィリアムス),交響曲第1番(ブラームス)
 で、こちらがユキの参加するオケの演奏会。知り合いが出てる演奏会の感想ほど、書きにくいものはない。ただ、オケのレベルは予想したよりもずっと高く、会場がすみだトリフォニーだったこともあって、プロのオケを聴く感覚で聴けた。そのせいもあって、本番のあとユキにしたコメントは少々辛口になっちゃった?一部の2曲は初めて聴いたからなんともいえないけど、ブラ1を聴いた限り、ん?と思う箇所のほとんどない優秀な演奏だったと思う。ただ、指揮者についてはちょっと思うところがあったけど。全体的には、楽しい演奏会でした。
9/4
(水)
19:00
チョン・ミョンフン指揮
桐朋学園オーケストラ
〔Vn.諏訪内晶子〕
【創立50周年記念演奏会】
楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死(ワーグナー),ヴァイオリン協奏曲(シベリウス),交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルジャーク)
 学生オケということで、こんな超豪華メンツにかかわらず全席4000円という安い値段のコンサート。今回改めて、プロの一線で活躍する人たちのすごさを思い知った。学生といっても音大だから、プロとそんなには差のない演奏を聴かせてくれるかと思ったら、チョンの指揮についていくのが精一杯という感じ。決してオケのレベルは低くないと思うんだが、表現力やテンポに関して、チョンの求めるものには届いていないなあ、というのが聴いててわかっちゃった。今日のハイライトはシベリウスの協奏曲。我が愛しの諏訪内さんのスマートな演奏はやっぱりいい。ここでも、チョンと諏訪内さんのレベルがあまりにも高すぎて,オケはいるんだかいないんだかわからない状態。この高みにまで登りつめるのは、やはり選ばれた人だけなんだろうか。音楽の道はやっぱり長くて深い。
11/29
(金)
18:00
青山学院大学リズムマンドリーノ 【第41回定期演奏会】
じょんがら(藤掛廣幸),細川ガラシャ(鈴木静一),プレリュード2(吉永秀徳),バッカナール(サン=サーンス)他
 後輩のため、というよりはみんなの顔が見たい、及びそのあと飲みたいってのが目的で上京。さてさてどんなもんじゃろ、と思ってたら、人数が少ない割にがんばってるなあ、という感じだった。とくに「じょんがら」は、逆にその人数の少なさが効をなして、集中力のある、いい演奏だったんじゃなかったろうか。結局朝まで飲んだ。楽しかった。
11/30
(土)
18:00
ワレリー・ゲルギエフ指揮
キーロフ歌劇場管弦楽団
〔Pf.アレクサンドル・トラーゼ〕
【2002年日本公演】
交響曲第1番「古典的」,ピアノ協奏曲第2番,交響曲第3番(プロコフィエフ)
 最近のゲルギエフはどんどんよくなってきてると思う。以前は横の流れを重視するあまり、時に縦の線があいまいになるという欠点があったが、最近は、今日の演奏然り、指揮棒を持って縦の線にも注意を払うようになってきている。その結果、柔軟な表現力は前のままに、より洗練された演奏が引き出されている。それにしても今日のプログラムはものすごい。どれも期待を裏切らない迫力満点の演奏だったが、特筆すべきはピアノ協奏曲。こんなの聴いたことない。トラーゼさんの演奏は、これでもかとばかりに力のこもったまさに全身全霊の演奏。冒頭から、途方もないスケールで聴衆を一気に引き込み、時に繊細に、時には立ち上がらんばかりの力強いタッチでぐいぐい曲を進める。熱っぽい指揮のゲルギエフとも相性抜群という感じだ。ピアノの強弱をこんなにつけられる人にはじめて出会った。あっという間の40分。ブラヴォー。コーダのアンコールのおまけまでついた。他2曲も素晴らしかった。アンコールの最中鼻血が出た。この鼻血が物語る、まさに大満足の演奏会だった。