アメリカ、ノースカロライナ大学精神科のショプラー教授のグループが開発したプログラム。 20年以上にわたって(1960年代〜)同州で実施。その結果、自閉症児・者の施設入所率がわずか5%前後(他の州では数十%)まで下がる。
TEACCHプログラムの核心部分…専門家と家族の協力関係にある(自閉症児の親はときに<共同治療者として>、ときに<専門家に対しての教師として>機能する)。
TEACCHでは、子どもが自閉症であるのかどうか、もしそうならばどのように対応すべきか、親と協力して、理解し合うことを重視する。
※TEACCHでは、親にいろいろ助言する前に、「われわれに何を期待しますか」という質問をする。
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第1原則 | 子どもの適応能力を向上させる(これには2つの方法がある)。 |
@子ども自身の適応能力を向上させる。 | |
A子どもをとりまく環境を整えて、子どもの欠陥を補っていく。 | |
第2原則 | 両親が共同治療者として協力する。親のニード(求めるもの)に耳を傾け、プログラムに生かす。 |
第3原則 | 子どもの教育プログラムは、評価と診断に基づいた個別的なものでなくてはならない。→PEPなどのテスト結果、インフォーマルな日常の行動観察の評価が参考にされる。 |
第4原則 | 構造化された教育(structured teaching )を行なうこと。 |
第5原則 | 子どもの欠陥を正確に認識する。このような認識の上にたって、子どもの適応を向上させていく姿勢が必要である。 |
第6原則 | 認知理論と行動理論を組み合わせて使っていく。これは精神分析的な理論が、自閉症の理解や治療教育に役に立たなかったという事実の反省の上にたっている。 |
第7原則 |
療育にかかわる専門家はジェネラリストでなければならない。 *TEACCHでは自閉症にかかわる専門家を行動療法家とか言語療法士とか作業療法士といったように細分化しない。なぜかというと、 自閉症の治療者は自分たちの専門分野だけでなく、自閉症の子どもをとりまくすべての側面や問題について理解しておく必要があると考えるためである。 |