記念式典 あいさつ     最新の更新 2015/10/10 
       

森田新一郎実行委員長(同窓会長)あいさつ

 秋田県立能代高等学校が創立90周年を迎えましたことを心からお祝い申し上げますとともに、本日ここに、秋田県教育委員会米田(よねた)教育長様、金田(かねだ)衆議院議員様、中泉参議院議員様をはじめ多数のご来賓の方々のご臨席のもと、教職員や同窓生、保護者や生徒の皆さんと一緒に創立90周年記念式典をこのように盛大に開催できましたことを大変嬉しく思っております。

 母校は、大正14年4月秋田県立能代中学校として開校し、学制改革により能代南高校、能代高校と改称しながら発展を続け、校訓「至誠力行」の精神をもって校是「文武両道」の道を邁進しながら二万一千人を超える卒業生を社会に送り出してまいりました。現在、県内外の各界、各層はもとより世界の各地域で活躍しています。

 九十もの星霜を積み重ねたこれまでの歩みを振り返るとき、開学当時の関東大震災や世界大恐慌などの経済的困窮をはじめ、満州事変から太平洋戦争までの長きにわたった戦争とその最中に発生した昭和19年の校舎全焼、さらには昭和49年の樽子山から高塙の地への移転など、数多くの困難が浮かび上がってきます。その都度母校は、行政や議会、地域の方々や同窓生など数多くの先人の皆様の情熱あふれるご努力やご支援をいただき乗り越えてまいりました。九十周年という大きな節目を迎えるに当たり、改めて深く敬意を表しますとともに心から感謝を申し上げます。

 戦後に入って時代は大きな変貌を遂げました。科学技術が飛躍的に進歩し、電気もなかった時代からコンピュータ制御の様々な機器やインターネットなど、想像もつかなかったほど便利で快適で楽しい社会になっています。これまでの人類の中で、これほどまでの科学技術の進歩を一生の中で体験、経験したのは今を生きている私たちだけではないかと思います。一方で、パソコンやスマートフォン一つあれば、何の工夫をしなくても、何も考えなくても、いつでもどこでも一人でもゲームや映画や音楽などを楽しめる社会になっています。油断していると有限な人生があっという間に過ぎてしまう懸念があります。生徒諸君には、これらの機器を有効にかつ正しく活用するとともに、これから過ぎていく「時間」を大切にしながら、他人や社会や地域のために役に立つ人間に成長してほしいと期待しております。

 またこの度の記念事業は、現在の校舎や設備の老朽化がかなり進んでいることなどから、これまでより簡素なものといたしましたが、私にとりましては生涯忘れられない記念事業になりました。それは6月19日に三種町のスカルパ球場で行われた軟式野球部の「創立90周年記念招待野球」がキッカケであります。栃木県の作新学院高校と山形県の羽黒高校の二校をお招きした際に、「ここに集う3校が夏の全国大会で活躍し再び対戦できればこの上ない喜び」と歓迎のあいさつをしたのですが、その約2ヶ月後に、作新学院高校と全国大会決勝という夢の舞台で対戦することになったからであります。さらに、決勝までのいくつもの大ピンチをことごとくチームワークとねばり強さで乗り越えていく選手諸君の姿をみて、母校の伝統である「至誠力行」の精神と松陵健児の心意気が確実に受け継がれているということを実感し、本当に誇らしく思ったからであります。

 私たちのふるさとは今、極端に子供が少ない社会に向かっています。母校の将来的な有り様にも影響を及ぼす心配がありますが、母校は今後ともこの地域の中核校として、また県内屈指の進学校としての役割を果たしていかなければなりません。同窓会としても、大変大きな節目である次なる百周年に向けて、今後とも「すべては生徒のために」という基本的な考え方に立って応援してまいります。

 結びに、 この度の記念事業に物心両面からご支援ご協力いただきましたPTA会員や同窓会員の皆様をはじめ、記念事業実行委員会において校内幹事として頑張っていただきました教職員や役員の皆様に深く感謝を申し上げますとともに、母校のさらなる振興発展をお祈りしあいさつといたします。

         平成27年10月3日
            秋田県立能代高等学校創立90周年記念事業実行委員会
                  委員長(同窓会長)  森 田 新一郎(四十期)