【目の病気】
1.目のかゆくなりこすればそのまま腫れる。塩をくみて
  付けるはよし。
1.まぶたただれてかゆみ有り、風邪にあたればしびれには、
  きせるへ水を吹き込み、その水を小皿などに入れ、水を
  さして、鳥の羽をもって付けてよし。かゆみなくいゆるなり
1.目ほしには、山椒の実一粒飲むべし。ほし二つあらば二粒
  のむべし。
1.つき目には、くそへびを三日三夜清酒へひたし、取り上げ
  て良く干して黒焼きにして、きぬきれにてもおろし、つき
  たる目へ吹き込めば、殊の外しゆめども一度にて治る。
  たとへたまへ穴相手も瞳にさわらざれば全快するなり。
1.春若雪のせつ雪目とて悩むものあり。秋稲に付くはたき
  という虫を干しておき、水に浸してその水にて洗うべし。
  刈稲につきてあるものなり。取りこなしのせいつくも
  取るになるものなり。
1.蕪(かぶら)をくりてその穴へ白めうはんを入れ、口へ
  くりたる蕪をふたにして寒30日置、その後取り出して
  干して置、水にとき目を洗うべし。大方の目患いに良し。
1.目くもるとなくそこひのように疎くなる。目にまむしの
  きも水に浸し目を洗うてよし。熊のゐにひとしきか。