ある人からの質問に答えました。
2005年2月27日記
喜久水酒造合資会社
平沢喜三郎
①②トンネル貯蔵をするきっかけは?
1975年ころ私は吟醸酒を貯蔵するとうまくなると主張した 杜氏は腐ると言った。
5年間台所の下において試してみた。うまくなった。
篠田次郎先生がこれからは長期貯蔵の吟醸酒だと言っていた。
当時から長期貯蔵酒を造るには貯蔵庫の必要性を感じていた。
たまたまドイツのワイン工場めぐりをしたとき貯蔵所も見た。
ポーメリーのシャンパン貯蔵庫は地下であった。
そのころ能代に廃トンネルがあるのを知った。
91年からJRと交渉開始 97年買収 6月貯蔵開始
貯蔵してみて気がついたことでトンネルの前後を閉じると中が13度になった。
1年かかって11度になった。現在は12度です。
夏季の湿度は100% 冬季は80%程度です。
③④熟成の違いがあるのか
米によって違いがありその理由はわからない
山田錦、亀の尾、華吹雪は熟成が良いほうに進んでいった。
美山錦は悪いほうへ進んだ
三増酒は糖質が軽くなり味が上昇
普通酒は実験中でわからないが現在のところ悪くなっている。
⑤熟成の年数は
現在はトンネル貯蔵後1~3ヶ月で出荷するものと(吟醸、純米吟醸など)
1~4月に瓶詰めし1~2年かけて出荷する(大吟醸)
意図的に3年寝かせて出荷する(純米吟醸)
何年かかるかわからないが寝せている。現在5~6年(三増酒、普通酒)
その他の効果
精米した白米を貯蔵することにより米が水分を吸い30kgあたり1kg増える。
トンネル自体が1900年製造で国の登録有形文化財の指定になった。
トンネル貯蔵庫の看板が国道7号線のそばにあるので大メーカーに誤解される。
トンネルの前の広場で毎年6月の第一土曜日午後にお酒を飲むお祭りをやっています。