41通目
上京するのは○日だね? もし君に時間があるなら、
少しでもいいから会いたいのはこっちの方だよ。
駅のすぐ近くだから、僕はいつでも
いつまでも待っていられる。
会いにおいで。
投稿日 2月×日 投稿者 男
42通目
友達の結婚式は3時からだから、1時ぐらいでは
時間があるわよ。私も準備があるから、余り長くは
会っていられないけど……ホント残念。
お昼の12時、丁度に、**駅の改札口で待ってるわ。
投稿日 2月×日 投稿者 女
43通目
弟さんと会えたわ。
高校2年生だっけ? すらーっと背が高くて、
ハンサムね。女の子にもきっともてるんでしょうね(笑)。
私、時間が無くて、ちょっとしか会えなくてごめんなさい。
本当なら、喫茶店でお茶でもしたかったんだけど
(でも、遅れてくる方が悪いんだからね?(笑))
来られなかったり、遅れるようだったら
連絡をくれれば良かったのに……って、私ったら
携帯の番号もメールアドレスも、あなたに教えていなかったわね。
うっかりうっかり。
ハンサムな弟さんに会えたのは嬉しかったけど、
あなたに会えなくて、ちょーっと淋しい私です。
今度はいつ上京できるかな……。
投稿日 2月×日 投稿者 女
44通目。
君は、許してくれるだろうか。
僕が、嘘をついていたことを。
投稿日 2月×日 投稿者 男
45通目
嘘? どんな嘘?
実はニューハーフだとか?
お店に招待してくれるなら、許してあげる(笑)
投稿日 2月×日 投稿者 女
46通目
僕は嘘をついていた。
本当の僕は会社員でもなんでもない……
僕は、……駅のすぐ目の前にある病院に、
何年もずっと入院している患者です。
投稿日 2月×日 投稿者 男
47通目
返事が貰えないのはわかってます。
でも、書かせて下さい。
僕は、本当はサラリーマンでも何でもない、まだ12歳の子どもです。
もう何年も病院で暮らしています。
僕の病室からは駅の改札がよく見えます。
たくさんの人たちが行き来する駅を、僕は毎日羨ましく見ていました。
いつか僕も、あの駅からいろいろな場所に行こうって。
インターネットを始めて、僕の世界はどんどん広がった。
キーを打てばどんな事もわかる。
どんな場所にも行ける。
病気なんて関係ないから、誰とでも友達になれる。
メールで自由におしゃべりもできる。
あなたからメールが来るようになって、
僕はますます夢を見るようになりました。
この線路は、あなたのところへ繋がっている、そう思うと、
退屈な風景もなんだかわくわくして……
元気になったあなたが、いつか僕に会いに来てくれないかって、
そのことばかり考えるようになりました。
念願叶って、あなたと会えることになったけど、
……その日は、僕の手術の日でした。
用事があって会えないって、ひとこと言えば、
あんなにあなたをがっかりさせることも無かった。
でも、僕はあなたに会いたかった。
手術が成功する可能性は、五分五分だったから。
最後に見るものの中に、あなたの姿を入れておきたかった。
自分勝手な都合ばかりで、あなたを振り回してしまって
本当にごめんなさい。
でも、改札にたたずんでいるあなたを見て、
僕は確信したんです。僕は死なない、と。
ずっと嘘をついていて、ごめんなさい。
あなたは、本当にきれいでした。
投稿日 2月×日 投稿者 男
48通目
混乱しています。しばらくメールできそうにありません……。
投稿日 2月×日 投稿者 女
49通目
突然すみません。あなたの文通相手の、兄です。
あの日、駅まであなたに俺です。
このメールを俺が出したことは、弟は知りません。
どうか内緒にしてください。
……もうメールをくれることは無いかもしれませんが……。
俺は、今までのメールの半分近くを、弟に代わって代筆しています。
最初はちゃんと弟が書いてました。でも、途中で、
あの、返事が来ないってあなたが怒ったとき、
その時、大きい発作が起こって、思うようにキーボードが打てなくなって、
それ以来、俺の代筆です。
前のメールも、俺が書きました。
弟が楽しみにしていることに、水を差すのは嫌だったから、
騙すのは良くないなんて、一度も言ったことがありませんでした。
俺も共犯みたいなもんです。
本当に、ごめんなさい。
許して欲しいとは、俺も弟も、これっぽちも思ってません。
だけど、手術の直前、窓から見えたあなたの姿に、
弟は本当に勇気づけられたんです。
最初の間違いメールにはびっくりしていたけど、
あんなに落ち込んでいたあなたが、弟とメールをやりとりすることで、
どんどん元気になっていった。
それと共に、弟も見る見る明るくなっていったんです。
あなたを勇気づけるメールは、実は弟が
自分自身に送っていたのかも知れません。
投稿日 2月×日 投稿者 男
恋文、50通目。
正直言って、混乱しっぱなしです。
失礼なメールを最初に送ったのは、確かにあたし。
でもそれなのに勇気づけてくれたのはあなた。
楽しかったのは、二人とも同じだって思って良いの?
信じていいの?
どうしていいか分からない。
嘘はキライ。どんなことでも。
私は私の好きだった人から、たくさん嘘をつかれてきた。
からかいやすくて、騙しやすいみたい。
笑えるものもたくさんあったけど、
終いには……本気なのか冗談なのか、全然区別が付かなくなった。
事情があったにせよ、あなたは嘘をついたの。
そのことに変わりはないわ。
でも
あなたの嘘を許してあげてもいい。
ただし、条件があるわ。
私とメール交換してください。
これからも、ずっと。
わかる?
おちおち寝込んだりしてられないわよ?
ずっとずっとメールをくれなくちゃ、
あたし、あなたをゆるさないからね?
これからが、「始まり」だよ。
投稿日 2月24日(土)00時00分 投稿者 女
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