遅くなってごめんなさい (恋文11通目)

返事、遅くなってごめんなさい。
何度も何度も書き直してたの。
書きながら怒って泣いて……
……結局何を書いてるのかわからなくなって。

あの人からきた最後のメールはね、ごくごく普通の内容だったわ。
でも、あたしにとっては……死の宣告に等しいものだったの。

あたしは……もう薄々わかってたかもしれないけど、
夜の仕事をしてるの。
あの人はね、こんな田舎に、都会から出張できてたの。
この辺の海を開発して、豪華なリゾート地帯を作るんですって。
その下見。
うちのお店に来るときも、きちんとスーツを着てて、
それがとてもよく似合ってた。
一目惚れ、かな。
あたし、きちんとした人に弱いのよ(笑)。自分がだらしないから。
お店でね、モバイルでメールを打ってたの。
それで「あたしにもメールください」って冗談半分で云ったら、
アドレスをくれたの。
コースターの裏に書いてくれたんだけど、それも綺麗な字でね。
とっても嬉しくて、店がはねた後、すぐメールを書いたわ。

ごめんね、思い出したらまた泣けてきちゃった。
続きはまた後で……ごめんね。
ああ、もうあたしったら謝ってばかり!!

投稿日 9月6日(水)21時06分 投稿者 女


ごめんねは12回まで(恋文)

そんなにボクに対する返事に
気を使わなくてもよかったのに。
あ、でもボクに対してというより
カレとの想い出に、なんだね。

もし、カレがキミのいうように、
メールアドレスを変えてしまったとするならば、
いろいろ考えられることはあるよ。

1 ひょっとしたら奥さんのいるヒトで、
 女性からのメールだというだけで
 奥さんに変更させられた。
2 もしかしたら交通事故で入院して、
 その間にブロバイダー契約の期間が切れて、
 強制的に通じなくなった。
3 会社でモバイルを貸し出されていて、
 プライベートなメールは禁止になった。

などなど、2はボクの友人で実際にあった話なので
笑えないんだけど。
あ、でもこんな事を言ってもなんにもならないんだけどね。
結局理由を探してるだけで解決にはならないのだから。
でも、もうあれから何週間かたつでしょう。


     そろそろ、涙はヤメにしないか?

とはいってもまだ無理なのかもしれないが・・・・。
キミが泣いているという姿を想像するだけで
ボクはなんだかたまらない気持ちになってくるんだ。
どうしてなのかわからない。
でも近くにいたらきっとキミを慰めに走ってゆくだろう。
どこに住んでいるかもわからないキミのことが
なぜ気になるのかもわからないが。


少しずつ自己紹介をしてみようと思う。
キミはいろいろ教えてくれているのにね。
もったいつけてごめん。
ボクは東京に住んでいます。
そしてふつうの会社員をしているんだ。
週に2回ほどは飲みに行ったりしているが
たいていは残業で家に帰るのは9時か10時。
単調な生活の中でキミからのメールは新鮮な驚きだったよ。
最初は間違いメールだったけれど(笑)
東京生まれでふるさとのないボクは
キミの海の話を聞いたときにうらやましく思った。
またいろいろとキミの生活のことを教えて下さい。

それでは。
ああ、これからはもしよかったら書き直しなどしないで
そのまま送ってくれてかまわないよ。
たとえカレに対するうらみつらみであっても。
書くことでキミの気が紛れるのであれば、
なんでも送って見て下さい。

投稿日 9月7日(木)12時39分 投稿者 男

悲しみを時が癒すのなら・・・(恋文13通目)

結局、謝る所から始まってしまうのね・・・
ごめんなさい・・・
あなたの言うこと、理性では分かってるの。
悲しみは時が癒してくれるのだから。
でも、それでも感情が言うことを聞かない・・・

悲しみを時が癒すのなら、私の時計は壊れているのね・・・・

それでも、この手紙を書いている時だけは気が紛れるの。
こんな話、できる人なんて近くにはいないのよね。
お店の女の子はみんな知ってる人のことだし、
別に本当に付き合えてた訳でもない・・・
ただ、あの人の姿に、あの人のメールに、
あの人の言葉に片思いしてただけ・・・
ただ、それだけ・・・
それなのに・・・分かってはいるのに・・・・

ごめんなさい・・・なんか気持ちが高ぶって
続けられそうもないから・・・
今日はもう、お酒を飲んで寝ます。
あの人の好きだったバーボン。
朝には辛くなるのは分かってるけど、
夢の中だけでも・・・
・・・・ふふ・・・私って、だめな女ね。

投稿日 9月8日(金)23時47分 投稿者 女


I want to wind up your spring.
(恋文14通目)

君の時計は壊れてなんかいないよ。
ただ、ぜんまいが切れているだけの話なんだ。
君の時計が動き出すまで、思いの丈をぶつけてほしい。
そうすることで君のぜんまいは少しずつでも
回るようだから。

余計なおせっかいかもしれないけど、
ナイトキャップは程々にしておいたほうがいい。
悲しみを紛らわせるために、酒をあおる姿が浮かんできて、
胸が締め付けられてしまう。

説教じみちゃったかな・・・。
でも、これはボクの素直な気持ちなんだ・・・。

投稿日 9月10日(日)02時22分 投稿者 男

恋文15通

ありがとう、そう言っていただいて少し気が晴れた。<ぜんまい
そんなにナイトキャップしてるわけじゃないから安心して下さい。
ちょっと辛いときだけ、あのヒトのこと思い出した時だけ飲んでる。

今日はね、少しだけ飲んだ。でもね、結局忘れられないのね。
少しだけ元気が出てきた気がするわ。
忘れられないならこのまま、無理に忘れないで
一緒に生きてみようって気がしてるの。
そのうち風向きが変わって忘れるかもしれないし。。。

もうあのヒトもお店にくることもないし、
想い出は想い出になる時もきっとくるわよね。
ぜんまいが止まったとしても。
だって四季は巡るわけだし、もう秋になってきてるもの。

散歩をしててふと気がつくことがある。
セミがあんなにうるさかったのに
今ではとんぼが飛んでいるのよ。
自然ってすごいって想うの。
景色を見ていたら、少し落ち着いてきたかもしれないわね。
あのヒトと一緒に過ごしていた季節が今は過去だもの。

今日はちょっと前向きなわたし。
明日はまた凹むかもしれないけど、
この気持ちのまま今日は寝てみますね。

それではおやすみなさい。

投稿日 9月10日(日)02時52分 投稿者 女


東京の、狭い空(恋文:16通目)

ごめん、すっかり返事が遅くなっちゃったね。
最近は呑みに行くのが億劫になるくらい忙しいんだ(苦笑)。
夏休みもあけてもう随分経つと言うのに、
まだまだ休日気分でいる若い奴等が
ケアレス・ミスを繰り返すもんでね・・・。
おかげでこっちまで残業だよ。
ちょっと、勘弁して欲しいね(苦笑)。
・・・っと、珍しく愚痴っちゃったかな(苦笑)。

彼の事、無理に忘れようとする必要はないんじゃないかな?
・・・それとも、君は忘れたいのかい?
多分そうじゃないって思うから、敢えて言うんだけど。
僕は、一時でも好きだった人は忘れられないよ。
どんなに辛い別れ方をしても、ね。
だってその人の事を忘れようと思う度に、
その人の事を好きだった自分の気持ちを思い出すし、
それ自体、忘れたくないって事の裏返しなんじゃないかって思うから。
だから僕は、今まで好きだった人たちの事を
時々思い出すよ。
そして、何処かで誰かと幸福でいればいいなって思う。
・・・・・・ちょっと、変わった意見だと思うかい(苦笑)?

セミの声やトンボ・・・かぁ。羨ましいよ。
セミの声は、今ではめっきり少なくなったけど、
それでもなんとか聞こえてきてたかな・・・。
でもトンボは全然見掛けないなぁ・・・。
真上を見上げないと空が見えないような、こんな土地じゃ、
やっぱり生きていけなくなってくる動植物が
増えていくんだろうね・・・。

君が前を向いて歩き続けて行けるようになるのであれば、
僕はいつでも君の溢れ出した言葉を受け止めよう。

だからまた、メールを下さい。

投稿日 9月15日(金)00時30分 投稿者 男

あはは(恋文17通目)

本当に珍しいな。(笑)
愚痴をこぼすあなたなんて初めて。(笑)
なんか、意外なところが見れて嬉しいな。

あの人のこともずいぶん落ち着いてきたの。
また、時々胸が痛くなることもあるけど、
だいぶ楽になってきたわ。
やっとあの人の思い出がセピア色に染まり始めた感じ。

そっか・・・。わたしは都会の生活がうらやましく感じるけど、
あなたは蝉や蛙やとんぼが近くにいる生活がうらやましいんだ・・・。
人って「ないものねだり」しちゃうものなのかしらね・・・。
私があの人のことを思っていたみたいに・・・。

あなたに夕焼け空に飛んでいる沢山のとんぼを
見せたくなっちゃったな。
デジカメでも買っちゃおうかな(笑)

・・・ありがとね。あなたのメールがなければ
今も憂鬱な日々を過ごしてたと思うの・・・。

投稿日 9月15日(金)02時52分 投稿者 女


18個目の落花生(恋文)

夏休みぼけもようやくとれて、
今日は久しぶりに飲みに行ったんだ。
落花生がおいしくて18粒も食べてしまったよ(笑)
なぜかキミには、ピーナッツではなく
落花生と今打ち直した。
どうしてだかわからないけれど落花生のほうが
似合う気がして・・・。

ずいぶん元気になってきたみたいでボクは嬉しい。
やはり、逢ったことのないヒトでも
このスクリーンの向こうでは笑顔でいてほしいから。

今日は仕事で青山のほうに外出したんだ。
1匹のとんぼを見たよ。つーっと目の前を
飛んでいったんだ。
追いかけたくなってしまった。
あのとんぼはいったい、どこで生まれたんだろう?
青山生まれなんだろうか(笑)
1匹のとんぼで秋を想うボクと、大群のとんぼの
真ん中にいるキミ。
なんだか不思議だと想わないか?
全然違うところで同じものを見つめているような気がする。

ないものねだり。そうなのかもしれない。で
も、それを求めるのはボクは悪いことだとは思わないよ。
努力してみるとかそういう姿が美しいんじゃないかな。
なんでもこれからだ。
一緒に探してみませんか?お互いのないもの(笑)

ちょっと今日は酔ってるかな?気を悪くしたらごめん。
それではそろそろ寝ます。おやすみなさい。

投稿日 9月15日(金)08時04分 投稿者 男

19回目の溜息(恋文)

今日は雨。
昨日からずっと続いてて、嫌になっちゃう。
お洗濯も乾かなくって、溜息ばかりの一日だったわ。
そっちのお天気はどう?
気持ちのいい青空だったらいいなぁ、と思ってメイルを書いてます。

落花生とピーナッツの違い、ふふふ、何だか嬉しいわ。
古風な情緒がある女、みたいに思われるのは凄く嬉しい。
でもね、私、本当はアーモンドが好きなのよ(笑)。

無い物……そうね、一緒にさがしましょうか。
無い物ばかりで、無い物ねだりの私だけれども。
一緒、という誘い文句がとてもとても嬉しいわ。
ありがとう。
明日はいい星空を見上げられることを祈っていてね。

投稿日 9月17日(日)20時08分 投稿者 女


20個の星屑(恋文)

連休はさんざんな天気だった。そちらも雨だったのか。
土曜にはなんと停電まであったんだ(笑)
まぁ、大事には至らずにすぐに復旧したようだったけど。
雷があんまりすごくて驚いた。都会は自然に弱いね。
アスファルトで固められているから
雨を吸収できなくてすぐに溢れてしまうんだね。
これでいいんだろうかってふと思うときがある。
というわけで残念ながら青空は、今日からだったよ。
台風一過とはよく言ったもので、今朝はすごくいい天気になった。

きみが住んでいるところでも、雨はもうやんだのだろうか?

そうか、きみはアーモンドが好きだったのか!
これからはつまみはアーモンドにしよう。真似だ(笑)
でも本当は煮物なんかが好きなんだよ、ぼくは(笑)

ぼくはふと思ったんだ、ぼくの無いものねだりは
いったいなんだろう。
それは自然を求めることだったりもそうなるんだろうか?
一人で暮らしていて、ふと感じる寂しさを
埋めるものなんだろうか。
いろいろなことを、この間きみにメールしてから考えた。
きみに偉そうに、一緒に探そうなんて言って
よかったんだろうか?
ぼく自身、ないものすらわからずにいるんじゃないか、と。

昔読んだ絵本で、丸い顔だけのイラストで、
うまく言えないけれども
丸が少しかけているんだ。
かけらを探してっていうテーマだったと思うんだけれど。
ぼくのないものって、ぼくのかけらなのかもしれない。
その丸の、かけているかけらを探してその丸が
旅に出るんだ。
ちょうどいいかけらがなかなかない。
でも探すんだよね、その欠けている丸は。
少し、でっぱってしまうかけらとか、
ちょっとたりないかけら。
これじゃない、これじゃないって言いながら旅は続く。

きみはこの絵本を読んだことがあるだろうか・・・?

これがぼくのないものねだりかもしれない。

ちょっと難しいこと考えすぎた(笑)
今日はこれくらいで。それでは。
元気なきみのメールを待ってるよ。
きみの星空が今日も輝くように!

投稿日 9月18日(月)14時22分 投稿者 男

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