陽はもう昇らない

朝、気がつくと朝だった。いつ眠りについたのか、いや、ベットに入った記憶すらない。

頭にもやがかかっている、寝ぼけているんだ。ああそうだ。顔を洗おう。

鏡、洗面台にかかってる鏡。でも、鏡に映ってるのは俺じゃない。

俺の顔をした何かだ。

何故だ?

鏡に映ってるのはまぎれもない自分の顔。いや、違う。俺じゃない。

何故だ?

わからない。ただ、いつもの自分ではないということだけわかる。

そういえば、昨日俺は何をした?・・・・わからない。

何故だ?

そんなバカな。じゃあ、一昨日は何をした?

・・・・・わからない。

何故だ?

家の中を見回してみた。

・・・違う。ここは俺の家ではない。

どうなっているんだ?

ふと気付いた、着ている服にも見覚えがない。白地に迷彩のような模様。

赤黒い模様。ペンキをこぼしたような模様。あれ?

一瞬なにかが見えた。何だ?

あれ?気のせいか部屋が狭くなったように感じる。

周りが段々暗くなる。朝なのに、さっきまで窓からの日の光が痛いほどさしこんでたのに。

わからない、なんなんだ?暗い、見えない・・・何故だ?

ああ、そうか俺は瞼を閉じているのか。どうりで暗いはずだ。

何で瞼を閉じているんだ?

そうか、これは夢なんだ。さあ、目覚めの時間だ。






夢だった。ベットから上体を起こす。

あたりを見回す。よし、見覚えのある風景

ここは俺の部屋。ああ、間違いない。ふと、傍らになにかがある。

何だ?冷たい・・・これは・・・何だ?
それをまさぐってみる。冷たい。大きさはかなりある。そう、人間と同じくらい。

人間?ひと?まさか・・・

俺は初めて気が付いた。自分の手が妙にパリパリしてる事に。

俺の手は、血がべったりとついていた。それももう乾いている。

ベットのシーツも血で染まっていた。

ああ、そうか。これも夢なんだ、きっとそうなんだ。

早く起きなきゃ。

早く起きて隣で寝ているはずの俺の彼女にコーヒーを入れてもらおう。

昨日はちょっと喧嘩をしちゃったけど、起きたらすぐに謝ろう。

早く起きなきゃ。


早くこの悪夢から覚めないと・・・


早く・・・・





ウエポンさんから投稿していただいた作品です。
真冬のホラー。血が失われていくように、手足が冷たくなります。
ラスト、鉄臭い匂いが漂ってくるようでくらくらと目眩が起きるようでした……(怖いヨ〜(;;))。
投稿、ありがとうございましたー!

ウエポンからは以前も作品をいただいてますので、
そちらも併せてご覧下さいませ。怖いよ〜?

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