とあるホテルの一室。ノイズはない。
 15、6歳の少年と、それよりは少し年長らしい少女、そして20代半ばの青年が各々の機械に向かって作業をしている。


「全部ワイヤでいくんでしょ、K?」
「もちろん。上半身だけでいいよ。でも人形じゃなく人間なんだ、自然に……」
「わかってるわ。リトルの方はできた?」
「もう少し。でも、もったいねー。せっかく第二のディーヴァがデビューできそうだったのに」
「すまない。悪乗りしたボクの責任だ」
「そんなことないわ」


 しばしの沈黙。だが決して静寂にはならない。キーボードの上をかたかたと、三対の指が走る。
 ふと、少年が顔を上げ、他の二人をじっと見つめた。


「ねえソルベイグ。これは本当の事だよね」
「私もリトルも、デューカと同じだと思ってた?」
「実はね」


 少年は微笑んで肩をすくめた。そして再び沈黙が降りる。
 ホテルの窓の外からネオンが消えていく。白く明け始める空。だが彼らは見てはいない。




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