愛機を無能にされて、花音はかなり頭に来ているようだ。
チェンの部屋に来るなり、彼のパソコンの前に陣取ってずっと何かを打ち込んでいる。

「クローディア、だっけ? あの子のインタビューどこにあんの?」
「ハードディスクの中だけど?」

 花音はパソコンを操作し、目当てのファイルを見つけると不敵に笑った。
 まずい。チェンの背筋がぞくりとする。こんな笑い方をする時は、キレる寸前だ。
おまけに彼を振り返る目つきも怪しいではないか。

「チェンの話からすると、このクローディアって子、きっと、スタッフの中でも大物だよ。もしかしたら……デューカ本人かも」
「まさか。スタッフだって言ってたぜ」
「ネットなんて嘘はいくらでもつけるよ。ハンドルだって偽名みたいなものじゃない」

 花音はネットにアクセスしだした。もちろんスピードダイヤラーを使っている。

 何するんだ、とのチェンの問いに、ニヤリと笑って見上げる花音の目……キてる! チェンはさあっと青ざめた。

「待て! 俺のインタビューじゃねえか!」

 ディスプレイには、大手TV局のホームページが映っている。
 慌てるチェンよりも早く、花音は「ご意見箱」と書かれたアイコンを探し当て、
そこにクローディアの声を送信した。
 デューカに関する重要人物、とタイトルをつけて。


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