「クロスファイア」:宮部みゆき:光文社カッパノベルス
*あらすじ*
超能力・パイロキネシス−念ずるだけで炎を出現させる力を持つ青木淳子。時に彼女を狂おしいまでに駆り立てる「炎」は、法の目をすり抜ける犯罪者を燃やし尽くしていく。「装填された銃」は正しい標的を選ばなければいけない……激しく、そして孤独に生きていた淳子は、破局へ向かってひた走る。
*感想byナギタ*
読み終わって、どう評していいのか困った。ネーミングのセンスや文章の書き方がナギタと合わなくて、
上巻は全然のめり込めなかったし。もう少し淳子の過去を書いてくれればなぁ。
なぜ「銃」として生きると決意したのか「クロスファイア」だけじゃわからん。
プロローグに当たる「燔祭」を読んでないとダメなのか?
下巻も半分寝ながら読んでたんだけど、ラストにびっくりさ!大どんでん返しもいいところ!
あまりびっくりして眠気も吹っ飛んだよ、「こんなんありかよ、プロだろ?」って(笑)。
(華天ちゃんはネタに詰まるとよくやる)。
他の人はどう思ってるんですか?まあ、あまり書評も見かけなかったから……今回はハズレ?
*装丁の感想by華天*
久々に溜息ついた表紙だった(笑)。新書には出版社独自のフォームがあるせいもあるのだけど、これは、ね……。
象徴的な表紙だけど、宮部みゆきという名前がなかったら、手に取る人いなさそう。
アタシなら、上巻は炎のポジ、下巻はネガにするな。もしくは妖艶な炎と美女の絵を小島文美さんにお願いする(笑)。
「月とノスタルヂヤ」:一條和春:ラポート
*あらすじ*
天才と称される若手ヴァイオリニストの幼なじみは、「病院」に入院していた。
彼女の魂は一体どこへ行ってしまったのか?(月とノスタルヂヤ)
「人斬り以蔵」に兄を殺された幾之助。雪の夜、決死の覚悟で以蔵へ挑むのだが…(粉雪抄-仇討ち編-)
表題作を始めとする近代と幕末を描いた作品集
。……っていうか、ここ読むよりも、実際にマンガ買って読んでおくれ!ぜひ!
*感想byナギタ*
再読。いや、いつも折に触れ読んでいるけど。絵がね、違うんだよ、今までナギタが読んできたマンガと。絵が、小説みたいな感じ。登場人物は、「紙の向こう側」で今まで生きていたし、これからも生きていく、という感じがするんだ。一番好きなのは「願わくば花のもとにて」。氏の土方は格好いい。本物の次ぐらいだけど(笑)。一片のイメージから全体をたぐり寄せていく力、というのを、とても見習いたい。
*感想by華天*
こんな絵を描きたい、と真似して練習(笑)するも、無理だった(当たり前だ!)。
墨色の線と紙の、白黒のコントラストがとても綺麗。アタシは「はらいそケ原」が好き。
「光草-ストラリスコ-」:ロベルト・ピウミーニ:小峰書店
*あらすじ*
光を浴びることの出来ない奇病に冒された少年。画家は彼の父に請われて、
少年のために絵を描き始める。壁一面に広がる絵は、やがて三つの部屋全体を覆い、
山も海も草原も少年は手に入れる。イタリアの児童文学。
*感想by華天*
装丁が気に入って買った本。華天は読んだ後に涙が止まらなくなるような話かと思っていたのだよ。
全然、違った。想像力は何者にも勝る、ということをベースに、画家と少年の交流が優しく優しく描かれていて、
とても落ち着いた気分で読めました。少年が天真爛漫な性格、という設定は華天だったら思いつかなかった。
(物語的に効果があったかどうかは疑問だけど)。暗い性格にしていたら、きっとじゃんじゃん泣けただろうけど、
涙を誘うだけの他の物語と同じレヴェルに分類されたかも。でも、アタシなら暗い少年にする(笑)。
*装丁の感想by華天*
表紙絵は、物語を象徴し、物語の全てを伝える。だが多くを描きすぎてはいけないし、あまりに抽象的でもいけない。
光草のタイトル通り、金色の穂が揺れているような、近年希に見ぬ美しくお気に入りの表紙(喜)。
でも……ねぇ。カヴァの見返しにあらすじを紹介してくれるのはいいけど、
一番のクライマックスを出しちゃ駄目だよ、小峰書店。
というわけで、これから読む方はカヴァの見返しを見ないでお読み下さい。
「奇跡の人」:真保裕一:角川書店
*あらすじ*
大事故に遭い8年間の入院をしていた相馬克己は、事故前の記憶を失っていたが、
脳死に近い状態から回復し「奇跡の人」と呼ばれていた。
退院後、克己は事故に遭う前の「もう一人の自分」を探し求めていく。
山崎まさよし主演でドラマ化されました。
*感想byナギタ*
真保作品を初めて読んだのが「奪取」。派手なこの作品の印象が強かったので、
2冊目の「奇跡の人」は最初ちょっと拍子抜けしてしまった。でも、介護の日々の感動物語か? と思いきや、
知らぬ間に謎解きが始まっていくのが、すごい物語術。中盤すごく克己に感情移入してしまった。
でもラスト……ハッピーエンド、と受け取っていいんだろうか? ナギタはすごい不幸に終わった気がして悶々。
TVの方も見ときゃよかったな。障害のある主人公は常に周囲の心を変えていく、という物語の「法則」を
わざと外した、というのならこれでいいかとは思うのだけど。どんなもんでしょ?
*装丁の感想by華天*
最近児童書ばかり読んでいたので、活字ちっちゃくて苦労した。
しかもページの上から下までびっちりなんだもん(笑)。真保作品の装丁画って、
どれもいまいち地味なんだよなぁ。事実、よくオジサマ達が借りていくようだし。
もっと女性と若者にアピールできるようにならないかなぁ。
な
「学園武芸帳『月に笑く』」:白井信隆:電撃文庫
*あらすじ*
大阪学園都市にある岬高校。学校を支配する不良グループに対抗すべく、円はレジスタンス活動を続ける。決戦の日、不意に現れた転校生・三郎。圧倒的に強いこの小柄な少年が、戦いの鍵を握っていくことに……。第5回電撃ゲーム小説大賞・金賞受賞作。
*感想byナギタ*
もう、何と言ってもアクションでしょう!
正直、物語そのものは「昔の車田正美みだいだなぁ」と思って読んでたんだけど、武術アクションの描写が凄くリアル!
素人のナギタにさえ動きが想像できるのだ。「コールド・ゲヘナ」よりも想像力を使ったよ。
それだけ、読者の予備知識に頼らない、ということかなぁ。ともかく、こういう小説が金賞を取れる、ということに、
電撃文庫の懐の深さ(笑)を感じた一冊。にわのまことに漫画にしてもらいたいなぁ(笑)。
ナギタ的には、不良グループの黒幕・生城貴子嬢に、もっと活躍して欲しかった。
彼女によって、戦う者とそれを見守る者の対比が、もっと深くなりそうな気がする。
*装丁の感想by華天*
イラストは小笠原宇紀さん。動きのある絵がかっこいい! 本文の挿し絵はトーン使ってなくて、
「ゲヘナ」のきがわさんとはまた違うシャープさ。アクションシーンはさぞご苦労されたことでしょう。
主人公の円の強さと可愛さが出てて、とてもうらやましい描き手さんです。
(最近は↑↓のような、髪の毛刺さりそうな絵が流行りか…)
「コールド・ゲヘナ」:三雲岳斗:電撃文庫
*あらすじ*
人類が生み出した最強の人型兵器「デッドリードライブ」。バーンはその乗り手であり、竜退治を生業としている。砂漠で銀髪の美少女・アイスを助けたことから、バーンは新たな戦いに身を投じていく。第5回電撃ゲーム小説大賞・銀賞受賞作。
*感想byナギタ*
ロボットもので小説!! 惑星ゲヘナの設定もキャラクターも、超ナギタ好みだ!
メカ・アクションもさることながら、主人公のバーンが超かっこいい! さすが主人公だ!出てくる女性はみんな美形だし(笑)。
ナギタもSF小説をちまちま書いているのだけど、その時によく考えることがある。
人は何のために戦うんだろう?大切な人を守るため?じゃあ、その人が既に亡くなっていた場合は?……
そういうナギタの疑問に、答えの一つを出してくれたような気がします。
こちらが銀賞だったのが残念なぐらい、面白かった。
長い物語の第一話目、という感じがして、早く続きが読みた〜い!切音さんの正体は一体!!?
ただ一つ難を言うとすれば……「ファイブスター物語」に似てる……。
ひょっとしたらそれが金賞を取れなかった理由の一つかも、と邪推してしまう(笑)。
*装丁の感想by華天*
イラストはきがわ琳さん。マンガ絵を表紙にする場合、なんだかへんてこなものになりがちだけど、これはかっこいい。独特のシャープな絵柄が物語世界をより一層引き立てていると思う。ただ、デッドリードライブのデザインはモーターヘッドに劣る(笑)。口絵、マンガにしない方がより華天好み(笑)。こういう絵、かけたらいいだろうなぁ。
「精霊の守り人」:上橋菜穂子:偕成社
*あらすじ*
女用心棒バルサは、偶然新ヨゴ皇国の王子・チャグムを助ける。
チャグムには水の精霊の卵が産み付けられており、卵がかえらねば大干ばつが起こるという。
しかしチャグムは命を狙われ、バルサが彼を守ることになった。
*感想byナギタ*
日本や中国などの神話を巧みに織り交ぜて、面白そうな気配……なのに……何か地味。
赤木かん子も言ってるように、女性の書く物語って破天荒さが足りない。
整合性は男性作家より上なのに、いまいちパワー不足な気が。この本も物語的には面白いのに、全然のれなかった。
主人公のバルサが30歳というのもあるかもしれないけど。
バルサを描きたかったのか、チャグムの成長をメインにしたかったのか、それすらもわかんない。
唯一光っていたと思うのが、バルサの友人タンダとその師匠のトロガイぐらいかな?
ああ、何でこんなに厳しいんだ、オレ?ラストがもやぁっとした終わりかただからかなぁ?
*装丁の感想by華天*
スタジオジブリのスタッフ、二木真希子さんが挿画担当。
マンガ絵じゃなく、ちゃんと「挿画」になっているところが達者だと感じる(←偉そうだな)。
表紙もgood!本の表紙は異界への扉なのだから、それなりの体裁をとらなくちゃね、といつも思うの。
華天的には最高の一冊よん。
「夜の子どもたち」:芝田勝茂:(パロル舎版)
*あらすじ*
青少年の非行や犯罪の無い都市・八塚市で、5人の子ども達が登校拒否になった。
心理カウンセラーの森山と曽根は、彼らと接していくうちに八塚市の奇妙な「闇」に気が付くが……。
*感想byナギタ*
いろんな要素つめすぎな気がする。夜の怖さや土着の民話といった「心の中にある怖さ」とか、
核戦争などの「現代の怖さ」とか、それ単体でも十分面白い小説になりそうなのに。
話も展開も派手好きのナギタにはちょっと……だった。
児童文学って、よく「こんなの子どもが読んでわかるんかいな!」っていうのがあるけど……。
確かに大人になってしまった自分は、子どもの時と違う感受性となってしまったけど、
それでも子どもがこれを読んで面白いかどうかは疑問。
本の奥付に「1985年福武書店刊を、加筆訂正」とあるのだけど、きっとこれは、語句を訂正したのかな。
でも、そのせいか、「カウンセリング」という現代的な言葉と、登場人物の古めかしい言動がどうもちぐはぐな気がする。
*装丁の感想by華天*
小林克也氏の版画で、「夜」の不気味な暗さが出てていい。表紙最高。全体に異様な古くささを感じる……。それが狙いか?
「ぼくの・稲荷山戦記」:たつみや章:講談社
*あらすじ*
「ぼく」の家に突然現れたなぞの人・守山。本当はお稲荷様のお使い狐で、開発されようとしれいる稲荷山を守るために、人間に化けた姿だった。「ぼく」は守山と一緒に稲荷山を守る戦いを始める。
*感想byナギタ*
作者が別名で全然違うジャンルの小説を書いているって知って、なかなか読めないでいたこの本。
でも読んでみて、何で今まで読んでなかったか後悔。すげー、面白い。
ナギタの子どもの頃って、「大人」はすごく大人に見えて、「子ども」というだけで悔しかったのだが、
これ読んで、そういう気持ちを思いだした。ただ「自然破壊はいけない」という事だけを言っている物語だったら、
きっと泣いたりしなかった。たいして物知りでもない大人になっちまったのが哀しかったのもあるんだけどね(笑)。
守山さんの描写、流石ッス(笑)。でも別ジャンルのことなんか、読んでる内に全然気にならなくなるほど、のめり込んだ。
「動物(笑)と子どもモノ」には弱いナギタが、本当にコロッと参ってしまった。流石、別ジャンルでもトップ走ってるだけあるよ。
*装丁の感想by華天*
表紙のイラストで損してるなぁ。あんまり読みたくなるような表紙じゃないもん。
可もなく不可もなしっていう中庸の表紙。でもマンガ風のイラストもどうかと思うが……。(だったらどうしろってんだ!!)
本文の活字もちょっと読みづらい。明朝体の線が細くて、ページが白っぽすぎるとアタシは思う。
タイトルの「・」は何だろう?
「ARMS」第7巻:皆川亮二:講談社
*あらすじ*
とにかく読め!
*感想by華天*
巻を追うごとに展開が苛烈で残酷になっていく!どうなっちゃうんだろう、主人公たち?次巻が待ち遠しいよう!!!
でも、強い敵がボンボン出てドンドン死んじゃうからさ、「強さ」がちょっとわかんないな。
バトルものの少年マンガの宿命だとは思うけど、涼たちの運命の激しさの分、「使い捨て」状態(マンガでも劇中でもね)に
なってしまう敵たちがもったいない。クリムゾン・トライアドとか、クリフとか、それに7巻の「彼」もね。
その分、物語のスピード感はジェットコースター並。だけど、今までになく「バトルで死ぬ」ということに理不尽さを感じるなぁ。
同じ顔の四人(笑)が出てきたけど、長髪の彼はどうしてもジャンに見えてしまう……(笑)。
今回は「マイダーリン」巴武士の出番が少ないのが残念。はっ!もしかして武士の裸、見たのか、美沙ママ?(笑)