書剣恩仇録(全4巻) : 金庸 :
徳間書店
*あらすじ*
18世紀の中国。秘密結社の紅花会は若き陳家洛を頭領に迎え、乾隆帝の圧制に立ち向かわんとする。
しかし乾隆帝には、大きな秘密があった。英雄好漢が入り乱れ、剣と拳法による力と技の応酬。
絶世の美女や秘宝を巡る、壮大でロマン溢れる物語です。
※ 感想by華天 ※
いやー、面白かった! 三国志とか水滸伝とかが好きな人には堪らない面白さ!
登場人物が多いんだけど、みんなそれぞれ個性的で、誰がどんな風なのかよく分かるのね。好漢たちがそれぞれに
「鬼見愁(きけんしゅう・鬼も怖がる)」とか、「九命錦豹子(きゅうめいきんひょうし・命知らずの豹のような男)」とか、
通り名を持ってるってのもあるんだけど、活躍がもーすごい。どんぐらいすごいかっていうと、後半は陳家洛とヒロインの動きが
メインになってアニキたちはちょと影を潜めるんだけど(主人公だしな)、それでも陳家洛のピンチのときに一行でもアニキたちが
現れると「待ってましたー!これでみんな大丈夫だ!」って、読み手の自分が大喜びしてしまうぐらい。いやマジで。
ヒロイン達もみんな活き活きしてて、嫌な子なんて一人もいないのよ。恋愛関係は、やっぱり中国らしいというか、舞台の時代の
様子を反映しているというか、おいこれでいいのかよ!的な部分があるけれど(笑)、それでも幸せになって欲しいなって
架空の人物ながら願ってしまう。ちょっとネタバレ→(陳家洛にはやっぱりホチントン姉さんがいいと思うの
よね。つーかその辺が
納得行かないんだけどさ。ホチントン一筋でいてほしかった……・゚・(ノД`)・゚・ 香香公主は最後の最後に見直したけれど。
青い蝶のラストはとてもロマンチックだけど、私には香香公主が横からヒロインの座をかっさらっていった感じがして、
良いラストだなぁと思う反面、もにょ感がぬぐい去れなかったヨ)ネタバレ以上。
図書館から手始めに1巻を借り、その日の内に読み切って、次の日2巻をと思っていたら休館日で歯がみをしました。
久々に明け方まで読んでいた本です。おすすめ。
暗いところで待ち合わせ : 乙一 :
幻冬舎だったかな……
*あらすじ*
警察から逃れるために男が隠れた場所……それは盲目の少女の住む家だった。
彼女に気付かれないように息をひそめる男、ひとり暮らしなのに人の気配を感じる少女。
二人の奇妙な「共同生活」が始まった。
※ 感想by華天 ※
乙一は、「ホラー系」と「切ない系」が上手いと良く言われているけれど、これは「切ない系」ですな。
でも私は乙一の本分はホラーだと思っているので、切ない系はいまいち乗り切れませんでした。いや、面白くなかったわけじゃないよ?
読後に温かいものがあったのは事実だけれど、どうしても「ホラーの乙一」が頭から離れなくて、「今に何か怖いことが起きるんじゃ
ないのか」と読み進めながら別の期待を持ってしまい……。結果、物語世界に身を委ねきれなかったと思う。
すみません、もう少し、目の前にある物語を一つの世界として受けとめられるよう修行したいと思います。
バジリスク(1〜3巻、以下続刊) :
せがわまさき : 講談社
*あらすじ*
伊賀と甲賀は400年来の宿敵同士だったが、それぞれの頭領の孫が婚約を交わし、
一つになろうとしていたとき。徳川家の跡目争いによって、伊賀甲賀の不戦の約定は
解かれてしまった。互いの手練れ10人ずつによる壮絶な忍法争いが始まる。
その中には、結ばれるはずだった伊賀頭領の孫娘・朧と、甲賀頭領の孫・甲賀弦之助もいた。
山田風太郎「甲賀忍法帖」のマンガ化。
※ 感想byナギ ※
かっこいいです! その一言につきます。山田風太郎の原作は、ずっと前に読んでいて、それもすっごく面白かったんですが、
原作に忠実に、かつマンガらしいダイナミックさを以てビジュアル化されていて、とてもびっくりしました。
絵はちょっとクセがあるのですが(CGとか使ってるんだろうなぁ)、スピード感とダイナミックさにはわくわくさせられます。
弦之助の忍法が明らかになる場面なんか、こっちもその忍法にかかったような気がするほどです。
原作がこんな風になるのかぁと感心したり、原作にない場面を探したり、いろいろ楽しめます。
原作の「甲賀忍法帖」からいって、4巻ぐらいで終わるんじゃないかと思うんですが、ラストを知っているのに、
次巻はどうなるのかと気が気ではありません。(「忍法八犬伝」もせがわさんでマンガ化して欲しいなぁ……)
シェーラひめの冒険(全10巻) :
村山早紀 : 講談社
*あらすじ*
悪い魔法使いサウードによって、シェーラザード王国は石になってしまいました。
王国の姫シェーラは、幼なじみの魔法使いファリードと共に、王国を元に戻すための
長い長い旅に出ます。様々な人と出会いと別れを繰り返し、ついに魔法の杖を手に入れようとするのですが……。
※ 感想by華天 ※
「ああ面白かった!!」と本を閉じて心からそう思った。全部図書館から借りて読んだんだけど、子ども達からの予約が
ひっきりなしで全然途切れないってのがわかる。本当に面白かった。お姫様に魔法使いに冒険にって、面白くならない要素なんて
無いんだけど、それらを使ってなお余りある作者のストーリーテリングの力!
大人の自分ですら物語世界に引っ張られていくんだもの、子ども達なんてもっとぐいぐい引かれていくんじゃないかな。
ご都合主義も多々あれど、読んでる間は全然気にならない。っていうか、それは「必然」とさえ思う。
作者が、一人一人を慈しんで描いてるのが伝わってくる。愛だよ、愛! 後半の巻なんて涙なくしては読めなかったよ。
物語が切ないのと、ああもう少しで終わってしまうんだなぁという切なさと。この切なさは「はてしない物語」級です。
こんな冒険をして、こんな仲間達と出会い、そして世界を愛したいと思う、物語でした。何度も読み返したい。
「新シェーラひめの冒険」にも期待。でもファリードをあまり不幸にしないでネ……・゚・(ノД`)・゚・
地獄堂霊界通信U
第4巻「闇からの挑戦状」 第5巻「幸福という名の怪物」 : 香月日輪 : ポプラ社
*あらすじ*
工事現場にネズミが大量発生。それは自然からの怖ろしい警告であった。(「闇からの挑戦状」)。
天界から逃げ出したもの、その名は「幸福」。「それ」を捕らえるために、三人悪と蒼龍は、
ヴァレンタイン卿と共に精霊界へ向かう。果たして「それ」は本当に「幸福」なのか。(「幸福という名の怪物」)
※ 感想by華天 ※
○「闇からの挑戦状」
……やー、説教臭くてダメだった(爆)。作者の言いたいことは伝わってくるけど、こんなにズバリな書き方だと
かえって退いちゃう。いやオブラードに包めってんじゃないけどさ。第2シリーズは第1シリーズから比べると
かなり「違う」雰囲気を持っているけれど、これは……ってあんまり書くと晒されるから止める(爆)。←小者ですから……。
○「幸福という名の怪物」
この本の対象は腐女子ですね?(笑) いや5巻のみならず、第2シ
リーズは完全に対象はソッチだろう。
椎名とか蒼龍とか、ネタだけばらまいておいて「あとはご自由に」なんてスタンスだった(そのように見えた)
第1シリーズからすると、サービス良すぎます作者(汗)。大丈夫なのか?(何がだよ)
U−1巻「魔弾の射手」では、あまりのサービスの良さに小躍りしてしまいましたが、今では何故か焦っています(笑)。
別物と考えた方がいいんだろうか……ってその区分けが「腐女子モードか否か」かよ自分(爆笑)。それもナー……。
自分としては、第1シリーズの「ご町内の平和は俺たちが守るぜ!」みたいなノリが好きなので、
あんまり大きいものが出てくると、どーかてっちゃんがケガをしませんように・リョーチンが泣きませんように・
椎名の毒がほどほどでありますように(笑)と思ってしまいます。まあ、年齢は5年生のままでも、中身はきちんと成長しているので
その分大きな事件も降りかかってくるのでしょうけれど。(このままいけば、史上最強の老成した5年生になるかも……(笑))。
個人的に、クライマックスの「椎名の夢」に、リョーチンも出して欲しかった……読者の対象範囲には、ちゃんと児童も
含んでいるよという最後の砦(笑)として。
アイシールド21(1巻〜6巻、以下続
刊) : 稲垣理一郎原作・村田雄介絵 : 集英社
*あらすじ*
ずっと不良達の「パシリ」だった小早川瀬那(セナ)は、ふとしたきっかけ(というか半ば騙されたというか
強引にというか何というか……)で、アメフトの世界に足を踏み入れることに。
最初は嫌々だったが、個性的な仲間達と過ごすうちに、徐々にアメフトに魅せられていく。
※ 感想byナギ ※
パス、キャッチ、ブロック、走る……アメフトは、様々な役割をそれぞれのスペシャリスト達が受け持つ競技。
気弱なセナのコンプレックス「走ることしか能がない」。それは逆にすると「走りのスペシャリスト」であるといえます。
一週ごとに成長していくセナを見るのがとても楽しいです。孫を見つめる祖父母のような気分ですよ(笑)。
登場人物も皆個性的。中心人物のヒル魔と栗田なんか、二人並べるととても同じマンガに出ているとは思えないビジュアルの差(笑)。
性格で個性を付けるのは勿論重要だけど、折角表現媒体に「マンガ」を選んでるんだから、その利を活かして欲しいなあと
思います。「ワンピース」とか「JOJO」とかみたいに。「アイシールド21」も、マンガでなきゃ!って表現がいっぱいあって
読み手としてとてもわくわくします。キレイなだけだったり、萌えだったりするだけのイラストマンガはもう飽きあきです。
綺麗なだけの絵なら、誰だって描けるでしょう。そこに何を加味するかが、マンガのマンガたる所以なのではないかと思います。
主人公はもちろんだけど、周りの人物達がきちんと成長していくのが嬉しいです。桜庭くんに頑張って欲しいです。
「アイシールド21」は、構図や細かい「お遊び」なんかもいろいろ凝っていて、サービス満点嬉しい限りです。
久々に次週&コミックス化が待ちきれないマンガです。