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メトロポリス:手塚治虫:集英社マンガ文庫
*あらすじ*
 太陽に黒点が異常発生し、降り注ぐ放射線により人造細胞に生命が宿った。
天使の顔と悪魔の力を持つ人造人間のミッチーは、自らの生い立ちを知らず
ケン一と共に普通の生活を送るのだが……。

*感想*
 ただいま映画となっている「メトロポリス」ですが、映画を見る前にまず原作を読んでみました。
 このミッチーが後の鉄腕アトムになっていくのかなぁと思うと感慨もひとしお(笑)。
 でもかなり悲劇ッス、メトロポリスは。キャラの可愛さとお話の造りの古さ(爆/物語の描き方ってやっぱり
 かなり古いと思う。火の鳥とかブラックジャックを描いてた頃に「メトロポリス」を描いてたら、
 もう少し表現方法とか違ったんじゃないかなと。)に惑わされて、さらっと読んでしまったんだけど、
 よくよく考えると悲劇的要素が多分に含まれてる。あたしゃー「ふぃふぃ」の死ぬトコと、
 ミッチーの最後に涙を禁じ得なかったよ……。
 これが「りんたろう+大友克洋」でどう料理されるのか、とても楽しみ。
 (どうか「スプリガン」の二の舞になりませんように……)


ブギーポップは笑わない:上遠野浩平:電撃文庫
*あらすじ*
「僕は自動的なんだよ。周囲に異変を察知したときに浮かび上がってくるんだ。
だから名を不気味な泡(ブギーポップ)という」
(←何を書いてもネタバレになるので、これだけ(笑))
*感想*
 ようやく上遠野氏の代表作にたどりついたぜ(ぜぇぜぇ)。
 いろいろな立場の人物がそれぞれの視点で「事件」を語っていく。
 第一章目は、事件らしい事件もないままにすぎていくのだけど、それが穏やかな程、
 後半の事件の異様さが際だつ感じがして、読み進めていくごとにすごく面白かった。
 続きのシリーズを読みたいんだけど、2巻目はいきなり上下巻らしいし、かなりシリーズも
 出てしまっているからなぁ……誰か貸して……(新古書店に行ってみるか……あるかなぁ?)

↓こっから下はより超個人的意見。ムカツク人がいたらゴメンね↓
 電撃文庫の読者対象年齢が年齢だけに、どうしても学園物って多くなると思うんだけど、
 それでSFやファンタジーをやるってむつかしいのねぇ、と思った次第。
 いやブギーポップとレベリオンを1巻ずつぐらいしか読んでないけどさ(爆)。
 レベリオンは、どうしても最後までいまいちのめり込めないところがあったのだ。
 そこは、「どうして事件は全てこの学園中心に集まったのか」がなかなか納得できなかった。
 いや、小説文としてちゃんと説明はされていたんだけど、そこであたしゃ作者の「説得」に応じられなかったのね。
 「この子の周りばっかり事件関係者がいるのって、なんだかおかしいよ」と。
 主人公中心に事件がまわり、関係者も集まってくる、というのは世の常だし、ブギーももちろん
 その通りだったんだけど、ブギーを読んでる最中はあまり感じなかった。
 視点が章ごとに代わるせいでもあるし、事件の謎や手がかりのちりばめ方がすごく上手かったせいだと思う。
 ともあれあたしはブギーの「説得」には知らず知らずの内に応じていたらしい。
 奇想天外な世界に導くんだから、説得力なくちゃぁな、と思ったわけです。(いまいち意味不明のまま終わる)


TOKYO NOBODY:中野正貴:リトルモア
*概要*
誰もいない東京。(写真集)

*感想*
 こないだ出かけた東京は、人ばっかりいた。雨が降ってみんな傘をさして、だけどその傘は
 人混みに幾重にも重なって、凶器のようにあたしの頬や目の先をかすめていた。
 たくさんの、人。これがあたしの思う「東京」。
 この写真集の東京には、人は誰も写っていない。車もない。
 早朝? 少し黄味の強い光の中で、東京はまるでまるで別の顔を見せる。
 ビルの窓の穏やかな輝き、とりどりの看板、ひたすらに動き続ける信号、動かぬ道路、何もない空。
 このまま、と思う。
 このまま千年、二千年、朽ちて行く様を見てみたい。
 古代遺跡のような、東京。


黄昏の岸 暁の天(そら):小野不由美:講談社
*あらすじ*
戴国の王・驍宗は、反乱鎮圧のために自ら出陣したが、行方不明となる。城に残された幼い泰麒は、
王の悲報に衝撃を受け忽然と姿を消した。王と麒麟を突然失った戴国は、混乱の一途をたどる。
女将軍・李斎は命がけで景国の王・陽子に助けを求めるが……。

*感想*
 なんだか圧倒されちゃって、何を云って良いやら……。李斎の行動に心情にボロ泣きしてました。
 こう、十二国記シリーズの女性キャラって、酷い目にあう人が多いよなぁとつくづく思いました。
 ええもちろん格好いいですよ。過酷な運命を乗り越えて、その先にある物をきちんと掴める彼女らが
 格好良くて、羨ましいです。
 友達が貸してくれるのを待ちきれず、シリーズはこれだけ買っちゃいました(笑)。


暁の女神ヤクシー:小林めぐみ:富士見ファンタジア文庫(全3巻)
*あらすじ*
「この子、死んでるわ」幼い頃、シュシは確かに死んだ。ならば今生きている自分は何なのだ?
クマリ国の女神「ヤクシー」と呼ばれる少女を巡って繰り広げられる陰謀。
彼女と深い関わりのある「金烏」を探すため、シュシは長い旅に出る。

*感想*
 無理のない自然な文章。なのにこんなにイメージがふくらむ。
 自分が自分であることを、認め、認められていくこと。
 無気力十代のメタファーとも取れる……というと深読みしすぎだ、絶対(笑)。
 でも、うん、大丈夫、君には君がいる。君は確かに君、だよ。

 イラストはいのまたむつみさん。華麗な挿画がマッチング! ただジェイだけはもっとオッサンにイメージしてしまっていて、
 どうしてもイラストのジェイには最後まで馴染めなかったり(笑)。
 SFとファンタジーって、こんなに自然に融合できるものなのね、と感嘆しつつ
 自分のダメさ加減が身にしみた。(←相手はプロだぞ!←いや目標は高く!)


チョコレート戦争:大石真:理論社
*あらすじ*
子ども達のみならず、街中の人が絶賛し憧れる洋菓子店「金泉堂」。
その店のシンボルともいえるチョコレートのお城が飾っていたショーウィンドウが突然割れた。
たまたまそばにいた明と光一は、店の人に犯人と間違われひどく叱られてしまうが……。

*感想byナギ華*
 いやー、この伏線の張り方、ぜひ真似したいです。
 子供向けだからお話のスジも伏線も、わかりやすいのは当然なんだけど、ぴちぴちっと全てに決着がついて、
 尚かつ大人も子どもも溜飲を下げるようなラスト。いいっす。真似したいっす。
 かなり前に書かれたものだから、おこづかいやケーキの値段に時代を感じてしまうけど(笑)、
 それ以外はやっぱりすごく面白かった。値段のあたりをちょっと替えて、小学校とかで
 読み聞かせをしたら、子ども達も面白がってくれるんじゃないかなあ。


地獄堂霊界通信2「魔弾の射手」:香月日輪:ポプラ社
*あらすじ*
香月先生、大サービスの巻!(いやマジで(爆))

*感想by華天*
 2年振りのシリーズ再開。悪ガキ三人悪にまた会えて、お姉さんはとても嬉しいです♪
 作者の香月先生も、久々の地獄堂のためかパワー全開・サービス全開!
 相変わらずかわゆいリョーチンにお姉さんはめろめろです(爆)。
 いいのか、これが児童向けで!?←理解者理解ネタ(爆笑)。
 シリーズ再開を記念して、Web同盟を作ったのだけど、……今に裏ページも作ってしまいそうで怖いです。
 一つだけ文句があるとすれば、ちょっと難しい語句の解説。第一シリーズみたいに、
 イラスト付きで紹介してくれたらよかったなあと。あの用語解説は、秘かな楽しみでしたので……。

 実は第二シリーズは、てつしたちは中学生になっていると思っていた煩悩の深さをお許しください……。 


月が墜ちる夜・ルナティックカーニバル:秋葉千景:角川スニーカー文庫
*あらすじ*
月が夜空から墜ちてきた。その恐怖と混乱の中で、人類は新たな「力」を得た。
だがそれは祝福されるべき力ではなかった……。
力が暴走したら、人は「鬼」となる。彼らを狩る「夜狩り」の京四郎。
そのパートナーの桜。二人を巡って陰謀が繰り広げられる。
*感想by華天@ネタバレ有り!
 未来世界でガン&日本刀アクション、ってかなりツボな設定なので期待。
 アクション、かっこいいです。桜サイコー! ビルのくだりがもーしびれるぜ。
 伊藤真美さんの抑制の利いた挿画がまたグー。お気に入り挿画師がまた一人増えました♪
 文章もかっこいくて、こんなふうなのを書いてみたいなあと憧れることしきり。
 ただ……すまんが、主人公二人の過去がいまいちよぅわからんかった……。
 何で桜がベラボーに強いのかとか、もー、すっごく期待してラストまで読んだのに……。
 (どこか読み飛ばしたかもしれんが……(汗))
 月光を浴びなかった理由とか、想像はできるんだけど、確証が無い。
 時代や世界の設定がかなり暗いから、もう少し過去の所に明るみがあればいいのになあと。
 (いやでもくら〜いの、大好きなのよ、ツボなのよぅ(笑))
 これ、続くのかなぁ? 秋葉氏のデビュー作みたいだから、多分続くかもなぁ。
 2巻以降で二人の秘密が明かされますように! 特に桜!(笑)


バトルロワイアル:高見広春:太田出版
*あらすじ*
東洋の全体主義国家・大東亜共和国。「プログラム」により、毎年中学3年生が50クラス選ばれ、
「戦闘シュミレーション」が行われる事になっているのだが、それはたった一人が残るまで
クラス全員が互いに殺し合うという凄惨なものだった。
そして、城岩中学3年B組42人が修学旅行の夜に忽然と消えた……。
深作欣二監督、藤原達也・前田亜季・ビートたけし主演で2000年冬に映画化。

*感想by華天@今回長いッス*
 賛否両論、いろいろある小説&映画だけど、あたしの中にも賛否が渦巻いてます。
 まず「賛」。
 面白かったです、ええ。アクションはもちろんだけど、ギリギリの中にいるクラスメイトたちの心情が
 ナイフで斬りつけるようにみたいに伝わってくる。
 残虐性ばかりがクローズアップされてるけど、そこに至るまでの人物の過去や心境がきちんと書かれてるから、
 誰かが死ぬ度にすごく痛かった。本当に心の底から「夢オチであってくれ!」って思ったもの。
 時々、巻頭の「クラス名簿」を見返すのだけど、彼らの生死がわかるんだよね。「この子あそこで死んでたなぁ」
「悲しい死に方だったなぁ」って。だって、いろんな角度からクラス全員をちゃんと描いてるから。
 12/24現在、まだ映画はみていないのだけど、これを読んで残虐性が増すという人は、……とりあえず私ぐらいの世代(爆)じゃ
 いないだろなあと思う。多分、中高生も。(←と思いたい。劇中で死んだ子が余りにも浮かばれない)
 で、「否」。
 テーマは、愛や友情や、人を信じることだったと思う。でも、それを何もこういう設定で表現しなくても良いんじゃないか?と。
 クラスメイト同士で殺し合うというシュールさ(普通思いつかないよこんな設定……)。
 次第に麻痺していく「殺人」「死」の感覚。親しい人の死を乗り越えて主人公が成長する、というのとはちょっと違う。
 それらは果たして「人を信じること」というテーマを表すのに必要だったのか。もっと他の方法がなかったのか?
 だけど……少年による残虐な犯罪が目に付くようになっている今は、こんなシチュエーションでしか、
 テーマを表現できないのかもしれない、と思うと少し悲しくなる。

 読者としては賛成・おもしろかった。へっぽこながらも文章を書くものとしては、完全でないながらにしても否定寄り。
 こんな感じです。(映画みたらまた感想書き足します)


わたしはロボット:アイザック・アシモフ:ハヤカワ文庫
*あらすじ*
その後のロボットSFに多大な影響を与えた「ロボット三原則」が使われた、
SF小説スタンダード中のスタンダード。(←我ながら安臭い表現だが…)
ロボットたちを見守ってきた女性が語る、時にコミカル、時に優しいSFストーリー。

*感想by華天*
 これは超オススメですよ!! すごく面白かったです。ロボット開発に関わってきた女性が、会社を退くにあたって
 記者のインタビューによって回想していく、という展開なのですけど、それぞれのロボットたちがすごく個性的。
 彼らに関わることができた女史が、とっても羨ましいなあと思ったです、はい。