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 住宅街をうろうろと回っていると、子ども達がルドルフを見つけて、
あっという間に家の中から駆け寄ってきた。

「可愛いスクーター!」
「えー、変だよ絶対へん!」
「どこのピザ屋さんなの? クリスマスに配達してくれる?」

 子ども達は口々に言いながらルドルフを触り始めた。幼稚園から小学
校低学年ぐらいの子どもが多いが、中には高学年の子や、中学生まで何
人かいた。でもその中にはあの女の子はいなかった。

「お兄ちゃんはサンタさんのお弟子さんなの?」

 幼稚園ぐらいの男の子が訊いてきた。途端に年長の子ども達からツッ
コミが入る。

「ばっかじゃねー? サンタなんていないんだよ」
「プレゼントなんて父さんや母さんが準備してるんだぜ?」
「いやいや、サンタはいるよ」

 男の子の目に涙が浮かんだのを見て、俺は慌てて子ども達に言った。

「まあ、サンタは一人しかいないから、弟子がプレゼント配りの手伝い
をしてるけどな」
「本物は何やってるの?」
「アジアやアフリカの方の、恵まれない子ども達の方を回ってるのさ」
「嘘くせー!」

 小学校三、四年ぐらいの男の子が大声で叫んだ。

「行こうぜ。どうせどっかのピザ屋かケーキ屋の配達だよ。そんな子ども
だまし、俺らに通じるかっての」

 来たときと同様、あっという間に子ども達は去っていった。通りにぽつ
んと取り残された俺は、あまりの寂しさについ呟いていた。

「なあルドルフよぅ、夢を持つって難しいことなんだなぁ」

 そしてエンジンをかけようとしたのだが、何回ってもかからない。キー
を何度も抜き差ししたり、叩いたり撫でたりしてもダメだった。ガソリン
はまだたっぷりあるってのに。

 明日が本番だっつーのに、これかよー!?


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