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「来てくださったのね! 嬉しいわ、本当にありがとう!」
 美女は満面の笑顔で金髪少年の両頬にキスをした。サンタ講習で毎日
事務所に通い詰めているってのに、こんなに大喜びしている彼女を見る
のは初めてだ。激しいジェラシーの炎が俺の胸を焦がす。ちくしょーー!

 金髪少年は慣れた様子でキスを受けると、

「大叔父が君を手伝えってうるさくてね。ルドルフをこっちに送りつけ
た張本人だってのに。でも、俺の出番はないみたいじゃないか」

 そう言って俺を見た。本当はこいつがルドルフに乗る予定だったのか?
でももう俺が乗っているから用無しってことか。優越感に口元が緩みそう
になるのを必死で押さえた。

「まあ、久しぶりに君に会えたから良しとするか」

 キザな仕種で片目をつむった。くぅ、ムカツク! 本社の人間かなにか
知らないけど男は顔じゃないんだ! そんな俺の歯ぎしりが聞こえたのか
聞こえてないのか、美女はいつもに増して華やかに微笑んだ。

「さあみなさん、クリスマスまであと何日もありませんわ。今年は最高の
クリスマスになるよう頑張りましょうね」

 事務室に集まっていたトナカイの乗り手たちは、それぞれの作業に戻っ
ていった。俺はプレゼント運びのルートを作ろうと隣りの作業室に入ろう
としたとき、後ろから肩を叩かれた。

「なあ、あんた、ルドルフをどうやって手懐けたんだ?」

 今までの軽い調子から、青い眼が豹変していた。


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