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女の子が公園の中を走って行くのを見送り、更にもう10分そこで待ってみた。
転んだような音も、悲鳴も聞こえない。足音は順調に消えてゆき、ドアベルの音
がカランと聞こえた。大丈夫、だよな。
住宅街を後にし、再びネオンと騒音のごちゃつく場所へ戻ってきた。相変わら
ず注目の的だった。信号待ちをしていると走り寄ってきて携帯カメラで写真を撮っ
ていくやつも出てきた。こんな時に限って信号が長いんだよ。うじゃうじゃと集
まられてうっとうしいし、何より危なっかしい。ケガ人なんて出たら事務所に迷
惑がかかっちまう。試しにルドルフをちょっとふかしてみたら、あまりの轟音に
みんな驚いて逃げていってしまった。こりゃイイ。
一人悦に入っていると、ぽんぽんと肩を叩かれた。警察かと焦ったが、立って
いたのは金髪少年だった。が、外国人だ。よけい焦る。
「えーと、えくすきゅーずみー? あいあむ……あいあむ………………」
「あんたサンタ事務所に行くんだろう? だったら乗せていってくれよ。俺もそ
こに用事があるんだ」
流ちょうな日本語でそう言うと、俺の返事も待たずにさっさとサイドカーへ乗
り込んだ。ひょろ長い手足を折り畳んでちんまりと座席に収まる。
「ほら、後ろがつっかえてるから早く進みなよ」
青い眼を細めて笑ったその笑顔が、どことなく意地悪く見えたのは気のせいだ
と思いたい。
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