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「サンタ事務所の人なら、答えてくれると思ったの。私と妹が
サンタさんを信じていなくても、プレゼントをくれるの?」
大きな眼に涙をいっぱい溜めて、女の子は尋ねてくる。なんて
答えたらいいのか俺の頭はフル回転しているけれど、さっぱり言
葉が見つからない。こんな時あの美女ならどうするだろう。他の
事務所の奴らなら?
長い長い沈黙。
「いいです」
女の子は俯いて呟いた。ソファの足元に置いてあった靴を履く
と、立ち上がって深々とお辞儀をした。
「お世話になりました」
つられて俺も礼をしちまったが慌てて顔を上げる。
「送っていくよ。まだ顔色が悪いしさ」
顔色は具合が悪いせいだけじゃない気もするが、ともかくバイク
を借りて……って事務所に普通のバイクってあったっけ?
一瞬よぎった俺の不安は、見事に的中した。
「雨が上がったみたい、今なら大丈夫よ。ルドルフは玄関に移動さ
せておいたから。それから、はい」
にこやかに美女が登場し、たおやかな手から渡されたのはもちろん
ヘルメット。その上というか案の定というか、やっぱりアレで行く
んですか……。
大分制御できるようになったとはいえ、あの怪力はまだ俺の手に余
る。安全面もさることながら、あの形で走るのは流石に恥ずかしい。
いやその前にあれはスクーターじゃないのか? 二人乗りなんてでき
ないはずだ。
ブツブツ言いながら女の子の手を引いて玄関へ向かう。そしてドア
の向こうのルドルフを見て俺は口をあんぐり開けた。
トナカイ型のスクーターの脇には、ご丁寧にサイドカーがついていた。
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