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「寒くないか?」

 突然見知らぬあんちゃんに声をかけられて、女の子はこっちが
申し訳なくなるほどびくっと身体を震わせた。俺としてはかなり
優しくフレンドリーだったのに。

「あ、いや、怪しくないから……って十分怪しいか」

 更にフレンドリーに、くだけた感じで言ったんだけど、女の子
は俺を見たまま黙ったまま。表情に元気がないのは、寒さだけの
せいじゃない感じがする。

「雪、降るかもしれないからさ。風邪ひかないうちに帰りなよ」

 じゃあ、と手を振って、俺は立ち去った。声をかけた割にはあっ
さりと引き下がって、自分でも何をしたいのかよくわからない。
だってあの子が悩みを持っていても、俺はカウンセラーじゃない
んだ。何もすることなんかない。こんな風にするぐらいなら、声
をかけない方がマシだったなぁと反省した。

 公園の出口で振り返ると、丁度女の子がしゅーっと滑り台を降
りていたところだった。俺はほっとして事務所へ向かった。


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