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途端にエンジンが爆音を立てた。ちょっと待て!
スクーターのはずだろ、何だよこのハーレーみたい
な地響きは!? だが美女はますます顔を美しくさ
せて、にっこりと言った。
「まぁ、一回でエンジンがかかるなんて! その子、
とっても気難しいんですのよ」
「これ、マジでスクーターっスか!? すっげー馬
力なんスけどぉぉおっ!!」
「その子、何年も乗り手がいなかったんです。きっ
と喜んでいるんですわ」
「喜んでって……うわあああああ!!!」
押さえが効かなくなって、とうとう俺は走り出した。
他のサンタライダーと共にコースをぐるぐる廻り出す。
馬力が強すぎて、角ハンドルにしがみついているのが
精一杯だ。
半ベソをかきながら美女の方を見ると、俺を見てうっ
とりしている。美女をうっとりさせた、と言えば武勇
伝の一つにでもなりそうだが、シチュエーションが違
いすぎる。今ばかりはその笑顔が憎らしかった。白い
両手でメガホンを作り、美女はにこやかに叫んだ。
「そのトナカイ、あなたにお任せいたしますわ!」
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