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 事務所へ案内される道すがら、仕事の説明を聞く。
仕事は12月24日の深夜から、25日の早朝のみ。
一晩かけて、事務所に住所登録された子ども達の家へ
プレゼントを届けること。ただし、本物のサンタク
ロース同様、誰にも姿を見せてはいけない、とのこと。

「バイクは乗れますか?」
「スクーターなら……あの、自分のを使うんですか?」
「いいえ、乗り物はこちらでご用意いたしますわ。ただ、
この仕事専用というか、少々特殊ですから練習が必要な
のですが……」

 心配げに眉をひそめたその表情! ああ、そんなあな
たも素敵です。だがしかしあなたは笑っている方がいい!
そんな顔をさせるヤツは許せない、一体誰だ? 俺か!

「大丈夫です! やれます、いえやります! ご心配い
りません!!!」

 すると美しい顔に花が咲いた。綺麗だ……。

 俺はうっとりしすぎて、道々電柱やら放置自転車やらに
ガンガンぶつかっていった。その度に美女が顔を近づけて
心配してくれる。事故ッたり入院したら、手を握って心配
してくれるだろうか。死んだら別れのキスとか……と妄想
を膨らませていたら、着きましたよ、と肩を叩かれた。
 指さされた先には、赤と緑のど派手な看板が燦然と輝い
ていた。

『サンタクロース事務所』

 あまりのそのまんまさ加減に、俺は口をあんぐりあけた。



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