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「お兄さん、サンタになりません?」
クリスマス商戦の人混みをかき分けるように歩いていたら、
美女がにっこり笑いかけてきた。
12月。どこでもサンタのバイトを募集してる時期だ。目の
前の美女もどこかのバイトなのか、白いファー付きの真っ赤な
マント風のコートをまとい、赤いブーツを履いている。10pは
ありそうなピンヒールだ。踏まれてみたい、と危険思想が一瞬よ
ぎる。尚かつロケットのように張り出したマントの胸元は、思考
回路をショートさせるのに充分だ。追い打ちをかけるように、
ねぇ、とぽってりした赤い唇が目の前で囁く。
「サンタクロースになってみない?」
俺は魂を抜かれたように、こくんと頷いた。
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