内田 陽子 群馬大学医学部保健学科

山崎 京子 NPO法人 結いの里 能代山本訪問看護ステーション所長

 

〔要旨〕

 本研究の目的は、痴呆高齢者のアウトカムを高めることをねらいとして設立されたある通所介護を取組みとその評価を明らかにすることである。

対象はA施設を利用する11人の痴呆高齢者である。研究方法は痴呆高齢者のアウトカムを明確にし、それを高めるための基本プログラムや個別的ケアプランをスタッフとともに立案し実践した。

評価方法は痴呆アウトカム表を文献や聞き取り調査などを基に独自で開発した46項目で構成されている評価表を使用した。結果、通所介護で見守り、誘導、機能訓練の工夫、他者との交流、服薬管理を含む複合的なケアを提供した場合、地方高齢者の無気力、活動中の反応、機能訓練やケア目標達成が90%以上の利用者の改善をもたらし、満足度も高め、アウトカムを高めることができる。

それを実現するための条件は機能訓練、見守り、声かけや食事の工夫等を個別的に工夫しケアプランに組み込み、提供し評価する能力をケア提供者がもつこと、そのための教育、評価システムの確立が求められる。

 

・本報告は、日本在宅ケア学会誌 Vol.8に発表