山崎 京子 能代山本訪問看護ステーション所長(看護職)

内田 陽子 東京医科歯科大学保健衛生学研究科(看護職)

 

〔研究趣旨〕

 

 本研究はALSで人工呼吸器装着呼吸器感染症を併発し、入院をすすめられたが拒否した利用者を対象に、訪問看護で専門的ケアを実施し、その効果および医療費削減の有効性を明らかにするものである。

方法は1事例の事例研究であり、排痰ケアを中心にしたケアプランを作成し、患者の症状や検査データのアウトカムで評価した。医療費は入院した場合の在院日数と検査、薬剤から見積もり金額を算定した。訪問看護での医療費は実際の訪問看護療養費と実施した検査、薬剤の回数から算出した。結果、入院した場合の見積もりは最短で14日間であり、実際の訪問看護では7日間で症状は回復し検査データも正常化した。また、入院に比べ訪問看護では検査、治療処置が少なく、コスト的にも低額であった(入院費用の半分)

 今後、入院による在院日数短縮化が進むなかで、訪問看護方法の専門性を高め、検証していく必要がある。

 

キーワード:排痰ケア、体位交換、医療費、訪問看護、効果

 

・日本在宅ケア学会誌 Vol.6に発表