オイラーの公式としてよく知られているeiθ=cosθ+isinθは、数学に現れる多くの公式の
なかでも、もっとも簡明で、もっとも深い意味をもつといってもよいものです。指数関数と三角関数という誕生母体の
まったく異なる二種類の関数が、虚数単位i を通して結ばれてきたのです。指数関数が虚数の世界では、cos,sinを
通して回転と結びつくなどということは、予想もできないことであり、そこには私たちの知恵をはるかに越えたところに、
数学の調和を支えるなにかがあると感じさせるものがあります。これに対するオイラー自身の証明は驚くほど明快です。
オイラーは、円のn等分を極限まで追っていくことを、虚数の世界から眺めたのです。