朝霧の斗星たち   太 田   實 著

 このたび、東洋書院から歴史小説『朝霧の斗星たち』を出版いたしました。
 取り上げた時代は、羽州秋田檜山郡の戦国時代のお話です。ヒントとしたのは「本館由来記」です。
 甲斐の武田勝頼の家臣・武田重左衛門が敗戦の中から脱出し、流れて檜山安藤実季に仕官し、秋田の北部の各戦争で活躍します。
 しかし、主君実季が左遷されて茨城の宍戸へ転封されたとき、随従することが不許可となりました。それは、重左衛門が、仇敵徳川家康暗殺を勝頼から命じられていることを実季が知っていたからです。
 残留組の重左衛門は新領主佐竹氏に仕官しようと、命じられた検地役の仕事に励みます。しかし、徳川幕府隠密たちは危険な重左衛門を亡き者にしようと企んでいました。厳しい検地に不満を持った米代川北部二十ヶ村の農民が一揆を起こそうとしていました。この動きを利用しない手はありません。重左衛門一族にとって敵は百姓一揆なのですが、その裏にもっと大きな力が働いていました。
 幸せであった八森本館周辺があわただしくなってきました・・・・

 390頁   価格 1,600円(税込み) 


【著者紹介】
太田 實(おおたみのる)
昭和10(1935)年、秋田県鹿角市生まれ。秋田大学学芸学部卒。秋田県教育庁北教育事務所長、能代市立能代第一中学校校長を歴任。現在、歴史関係の執筆を行っている。秋田大学史学会員。
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