通所更生施設「杉の木園」見学

平成9年5月20日

参加者:19名

作業風景社会福祉法人一洋会が,設置運営する施設で養護学校卒業生を含む 在宅知的障害者(原則として18歳以上)を家庭から通所させ,明るく適切な環境のもとで保護するとともに,日常生活に必要な習慣を確立し,併せて社会生活に順応するための指導,訓練を行い,より健全な家庭生活及び社会生活を営むことができるよう援助することを目的としています。

澤田修明園長は,丸木橋作業所を足がかりに,平成7年11月1日,秋田市に通所更生施設「杉の木園」を開設しました。作業風景

既存の福祉施設に勤めながら「必ずしも利用者の立場に立っていない現実に嫌気が差し」福祉施設を依願退職。自力で丸木橋を始められたことを説明されました。

利用者はいずれも重度の自閉症がほとんどで、 中度,軽度者は丸木橋作業所で作業訓練をしており,措置の形はどうであれ,丸木橋作業所と杉の木園を一つの施設のように運用しているとのことでした。そうすることで,利用者の能力や適性にあった訓練が可能になっているとのことです。 

「行政の建前のまま運営すると,利用者の現状に合わなくなるので,利用者のためになることはどんどん進めることにしています」とみずからの信念を述べられる。       

柴田静寛先生から,ティーチプログラムの指導を受けており,ティーチプログラムの導入を目指しているとの事でした。

作業は主に,供養灯篭の製作とうどんのたれ詰め箱折りをされており,自分の作業分担をよく理解して訓練に励んでいる。

秋田市郊外も郊外(とても辺ぴな場所)にあり、ここまでみんな普通の路線バスで通っているという。聞くと、最初はやはりトラブルの連続だったとか。何度探しに歩いたか、何度人に頭を下げたかという。それでも澤田修明園長は言い切っていた。「 障害者は他人に迷惑をかければいいんです。 迷惑をかけるひとがいなかったら世の中変わらないんです!」

「他人に迷惑をかけないように生きていけるよう・・・」と考えることが 当たり前になってしまっている障害者・児の親にとっては なんともうれしい言葉であり、希望であり、だけど実に重い言葉でもある。(K.Suzuki)